旅行用というわけではないがしばらく前にコンパクトデジカメを仕入れていた、もちろん中古。Canonのデジカメなのだが今でいう高級コンデジの部類に入るものだそうだ、「Canon G1X markII」という。
今までコンデジはNikonの(最後の原色CCD機)P7100を愛用してきたので非常に色には満足していたが、そろそろしっかりしたサブ機が欲しいと思って探していたのだ。今回のG1Xは昨年3月発売ということで映像エンジンも最新DIGIC6だし、撮像素子が1.5型と奢っている。巷の話では1型と比べそれほどのアドバンテージはないとのことだが、1型が概ね2000万画素を超えているのに対しこのカメラは1.5型を使っていながら1300万画素程度に留めているところが高感度性能や階調・ダイナミックレンジなどに期待をしてしまうのは、D700を愛用している自分としてはこれはごく自然なチョイスのようなものだった。
これがマイクロフォーサーズよりでかい撮像素子を備えたCanon G1X markII、ガタイもけして小さくない、そして重さもギッシリ感満載の553gだ。
EVFも付けられかなり使いやすくできる、おかげで30年使っている年代物の三脚の出番が廻ってきそうだ(笑)。
ただ使い始めて一番感じたのはCanonの「色」についてだ、OlympusのTG-2を使っているときはそれほど意識しなかったのだが、このG1Xで撮ったRAWファイルを現像していると記憶している「色」がなかなか思い出せなくなってくるのが気持ち悪かった。これが「Canonの色」なんだろうかとまで思ったくらいだ。
つい最近Canonの現像ソフト「Digital Photo Professional 4」がこのG1X markIIに対応したので使ってみたが私のPCでは意外にも重すぎて使う気にならず(CPUはCore2duo 6600だが)、いつものAdobe Photoshop Lightroom 5にて作業をしているのだがNikon・Olympusでは全然気にならない「色」がちょっと不自然なのに疑問を感じるのだった。RAWで撮るのだから現像段階である程度好みや記憶の再現のために調整することはあるが、このカメラの場合最初に開いた画面で「えッ」となることが多く特に空が入る画像に思う時が多い。
これなどは夕方の散歩時に見たとても素敵な雲だった、雲の多い空に日が沈む直前の最後の光がこの雲にあたり言いようのない美しさを見せつけていたのだが、空の青や夕日のオレンジがいまひとつで再現するのに苦労した。青が少し強いようだ、慣れて調整のツボを押さえればいいだけなんだが、Nikonの色とはずいぶんと違うんだなあと感じた。
同じコンデジのしかももっと安いNikon P7100でもほとんどRAWで撮っているがこんなことは全然なかったので少し戸惑ってしまった。デジイチを始めてからNikonが長いので今更ながらNikonの良さを再認識してしまう私なのであった。その後しばらくはRAWを避けカメラでいろいろ色付けを選べるjpegで遊んでいたが、こちらはそれほど違和感なく撮れるから不思議、特にマイカラーの「ポジフィルム」は自然な感じでかつメリハリがありお気に入りだ。
電子ビューファインダー EVF-DC1を付けて動きモノにも挑戦してD700並みに連写が使え(jpeg L:スーパーファインモード)、小さいガタイによく見えるEVFなので望遠にしても逆にD700より両目を使えてファインダーの測距点にターゲットを合わせやすいとも感じた。
いろいろ試した結果D700やP7100ではいつもRAWオンリーで撮っていたが、このCanon G1X markIIでは様々なテイストを加えられるjpegで遊びながらのスナップが中心でここ一番というところでRAW撮りというスタイルが似合いそうだ、そのうちこいつのRAW現像に馴染んでくればそちらにシフトしていくだろう・・・。
Cobbyの朝一の散歩から、あまりの早朝で大あくびをしているがシャッター音で「あれ、撮ってたの?」みたいな写真になっている(笑)。
上のCobbyもRAWからだが青が強いのと同様に緑が寂しい感じで、トーンカーブでBlueを下げ気味に調整すると緑も自然な感じになってくる、
稲穂がずいぶんと育ってきた田んぼも、青の調整でそれらしくなってくれる。稲もこのまま順調に育てば奥の草むらとのコントラストが素敵な景色になってくるんだろうなあ・・・。
暗くなっても確かに強い、広角端ISO400でF値が2.0だと太陽が沈んだ後の田んぼも空も明るくなりすぎるくらいだった。これも露出補正で-1evとしているのだがそれでも不自然なくらい明るいのでAdobe LR5で露光量を落としている…、
最近のマイクロフォーサーズなどミラーレスカメラは暗いところに強いが旅ブログなどで昼間の写真に空が白飛びしている写真を多く見かける、このCanon G1X markIIも例外ではなく晴天の下で気をつけないとISO100・F11くらいに絞ってもNDフィルターのONを忘れると平気で白飛びを起こす、もちろん逆光ではなく順光でだ。
RAW撮りの基本ではないが、白飛びで失った情報は取り戻せないが黒つぶれには何とか救える情報があるのでCanon G1X markIIでも若干暗めの設定で望んだ方がいいようだ。