with my Cobby

趣味の写真・カメラを中心にした雑記、愛犬Cobbyとの散歩撮を中心にオールドレンズ記事もプラスしてアップしています。

角館の魅力①【平福記念美術館の考察】

2013年06月30日 | 01. ドライブ・旅行記

今回の秋田旅行はいろいろと計画の段階からお世話になった「あきたTABIYORI」さんの

情報誌やプランのおかげで充実した、思い出に残る旅行となった気がする。

特に角館では初日、朝8:00という早い時間から案内をしていただける「プラン」は実にありがたい。

これからの二日間のポイント・見どころをつかむことができるからだ、

「ブロガー後藤さんとまち歩き」で案内をしていただいた後藤さんは料亭稲穂のご主人、

そして角館観光協会のホームページのブログ「角館紀行」を毎日更新して情報発信をしている方だ。

多分、いや絶対、今日も朝5時から角館の町を歩いて見たこと・感じたことをブログにアップしてるだろう。

そんな角館を知りつくした後藤さんとのまち歩きなので楽しくないわけがない、

ここからは後藤さんから紹介された面白スポットあれこれから、心に残ったものをチョイスしてみるつもり。

 

まずは「平福記念美術館での不思議な体験」を振り返る。

後藤さんとのまち歩きでは先述したように南から北へ、ぷかぷ館がゴールのため

この平福記念美術館が最後の立寄りスポットとなる。

そこでのあのサプライズであるが、何となくこの美術館の建物が意図していたことではないかと思えるのだ。

まずは町のどこでも手に入るガイドマップからこの美術館をみてみると・・・、

kakunodate_map 01.jpg 

このイラストで描かれているマップは非常に実際に忠実に書かれているよく出来たマップなのだが

中央上部に美術館が見える(マップは上が北となっている)。

この朝の散策ではマップ東側から美術館へ入っている、下の写真がその時のもの。

まさにこの時間、写真に見える奥の入口付近から回廊をくぐって庭園に出た瞬間の

とても「不思議な感動・空気感」を探ってみた。

DSC_5781_平福記念美術館へ.jpg 

この美術館は入口前に小さな前庭のようなスペースが有り、

青緑の素敵な壁の回廊がその広場(コンコース?)を囲むようにできています。

DSC_5799_平福記念美術館四方の回廊.jpg朝の東からさす太陽の光が庭園の木々によって遮られているのがよく分かる、

まあ普通この広さの庭園にはありそうもない高い樹木ですからねえ。

この写真は後藤さんと訪ねた9時過ぎのもの。

DSC_5788_平福記念美術館前庭.jpg 

こちらは「ぷかぷ館」にてお茶をしてから再び訪れた10時以降のもの、

太陽が高くなった分このコンコースのほとんどに日が当たっています。

DSC_5802_平福記念美術館10時過ぎ.jpg 

下の写真は9時台のものだが、この北側の回廊を遮る樹木がないことを示している。

柱の影を見るとまだ太陽が斜め横から照らしているのがわかる。

DSC_5783_平福記念美術館日差し.jpg 

そしてこちらが9時台の入口から見た東側の景色、日陰から(ちょっとわかりづらいが) 低い太陽に

照らされた庭園が明るく見えている。

DSC_5782_平福記念美術館.jpg 

下のものは10時半過ぎの景色。

コンコースが明るく照らされ、太陽が上ったため生い茂った樹木のせいで庭園の地面が暗くなりだしている。

(それにしてもよく見ると、建物左上の部分蔵に見えますよね)

DSC_5804_平福記念美術館10時過ぎ.jpgこの9時前の明るさが徐々に木陰に変わっていくのである、

したがってこの時期(6月)4時台の日の出だが花場山など東側の山から太陽が顔を出すのは

5時台以降だと思う、その時間から9時台までこの庭園は樹木の横から日が当たるせいで

かなりの部分の地面に日が届くものと思われる。 

DSC_5789_平福記念美術館庭園.jpg 

この明るさがコンコースから庭園に出た瞬間、あの「不思議な空気感」を演出しているのではないだろうか。

角館の光を熟知されている後藤さん、いかがでしょうか?

またこのコンコースを回廊が四方を囲むような構造は一番最初の写真でわかるように

小さな閉鎖空間を演出している。

これによって美術館入口から外へ出る場合、周りの広い空間から比べると緑青の回廊に囲まれた

「非常に狭い異空間」を一旦体験してから高い樹木のある広い緑の空間(庭園)へ出るため

「光の演出」も加わりこの“鳥肌が立つくらいの”空気感を醸しだすのかもしれない。

こんな考察の楽しさをもいただいて帰って来ました (^-^)。

本来美術館内部は撮影禁止ですが、ここセンターのフロアがあまりに素敵だったので、

作品を写すわけではないのでフラッシュたかずに一枚だけ撮らせていただきました…スイマセン。 

DSC_5805_平福記念美術館内.jpg それから今回この美術館のことを調べていたら、建築を志していらっしゃる方のブログに

この部分(多分雨樋)を見て「ガーゴイル発見!」と書いていましたが、

DSC_5788_平福記念美術館ゴーガイル.jpg 

ガーゴイルという本来の意味からすると「何らかの彫刻」が無いですよね、 

ほかの意味でこの部分(雨樋ではなくその周辺)が蔵窓の装飾イメージが感じられませんか?

とにかくこの平福記念美術館での驚きの体験を検証してみると興味がどんどんいろんな方向へ

拡散していきます(笑)。

最後はやはりこの美術館を設計した秋田出身の大江宏さんへ当然のことながら行き着きます、

「樺細工伝承館」も彼の設計(1978年)なのがわかります。

しかしWikipediaには彼の作品群の中にこの美術館は載っていない!

1988年4月開館で大江氏が1989年3月没ということから、最晩年の作品ということになる・・・。

ところでこの美術館と大江氏の関連で面白い考えを載せているブログもある。

山形県鶴岡にある「月山あさひ博物村」センターの回廊(1991年)によく似ているという、

そしてまたそのセンターを設計したのが大江事務所(大江宏のご子息)だという。

したがって、もしやこの「平福記念美術館」も息子さんの設計?・・・となるか。

まあこちらの美術館の回廊の影響が息子さんの設計に現れても不思議はないので 

なんともいえませんが、大江宏さん最晩年の設計だとすればもうちょっと大きく書いてくれてもいいですね。

話があちこち飛んでしまいますが、興味をそそられる美術館ということだけは確かです。

【平福記念美術館】・・・

北欧修道院風な建物に、蔵をモチーフにした部分があり緑青の壁が魅力的で私は大好きです。

それに加えあの体験ですから、角館へ行ったら必ず寄って欲しい場所ですね。

午前中日がさしはじめてから2~3時間以内という時間帯指定で(笑)。

 

 


秋田さいぐ!その5         【ブロガー後藤さんと:武家屋敷編】

2013年06月27日 | 14. 角館・田沢湖

​後藤さんとまち歩きも後半、いよいよ武家屋敷へ向かいます、

 春には枝垂れ桜で大変な賑わいの区画にです。

市役所角館庁舎のある「火除け」といわれるゾーンを越えて入ります。

DSC_5585_清掃をする人たち.jpg 

武家屋敷通りへ入るといきなり道幅が広くなります、その幅約11mだそうです。

その両側からとてつもなく大きな樹木がせり出しており、場所によっては中央で交差しています。

これは壮観です、またこの時期緑がとても濃いですね。

ですからこの武家屋敷通りに来ると今までとても強かったお日様の光がカメラでいう一段低くなります。

この通りの外で撮っていたカメラの設定のままではじめの頃は手振れの画が出てビックリ、

気がつけばシャッター速度が半分から1/3くらいまで落ちてます(笑)。

ただしそれ故に涼しい場所も多いです。

さっそく小田野家から見てまわりました、竹を使った柵をきれいに配したアプローチ、

その中には笹がこれでもかというくらい植えられており、背の高い木々も鬱蒼というくらい。

屋根の木羽葺きなどの特徴から玄関の入る場所が位によって区別されるなど説明をいただく、

そこを歩きながら面白いスポット、下の2つの灯籠に当たります。

DSC_5720_河原田家2つの灯籠.jpg 

下弦と上弦の月をそれぞれあしらった灯籠が並んでいます、

『なぜこんなに近くに置かれたのでしょうね』、謎だそうです(笑)。

そのまま庭づたいに河原田家へ入れます、素敵な回廊のようにになっており、

こちらのお屋敷もそうですが、大きな木が塀の近くにどんと立っております、

私はこの大地にしっかり根を張った様はとても美しく感じました。

周りに苔があり、根の膨らんだ部分に下草をまるで飾りのように配しております、

木の力強さ、生命力を感じさせてくれます。

DSC_5724_河原田家の大木.jpg 

そして後藤さんお気に入りの景色がこちら、朝日が古さを美しさに変えています。

河原田家の文庫蔵だそうです、光の当たっている下半分がこの角度からはとても美しかったです。

DSC_5725_河原田家の蔵.jpg 

こちらの建物には変わった印がついています、河原田家の家紋は三つ巴だそうですが、

これはその三つ巴の裏家紋といわれる形だそうです、デフォルメ加減がオシャレですね。

そして屋根には先に見た雪止めも見えますね。

DSC_5734_河原田家の紋.jpg 

河原田家の外に出ると、門の左側に「覗き窓」があります、来訪者を中から品定めしたんでしょうねえ、

それほど大きいものではないのですが、しっかりした作りで飾りも手が込んでます。

DSC_5735_河原田家の覗窓.jpg 

話が武家屋敷の「黒塀」になった時、『よく見てくださいね』といわれた、

一様に見えるこの黒塀も高さ、上部の形、下の支えの部分が全く違っているのです。

さらに『ここから見て下さい』と…、

まっすぐに見える通りもこのようにすこ~し曲がってます、

「人生と一緒かな」とは後藤さんの弁、なるほどです。

DSC_5738_真っ直ぐでない黒塀.jpg 

事前に角館を色々調べている時にとても気になった一枚の写真があった、

それは武家屋敷の名だたる屋敷の門ではなく、南の外町界隈のお屋敷のものでもない。

どこだろうと思っていたのだが、河原田家から次の滑川家へ向かう途中にあるお屋敷だった、

朝5時の早朝散策にて発見した、まさに「この門だ!」

DSC_5741_非公開.jpg 

表札には「非公開」となっている、外から見られるだけなのだが、この緑の木々に覆われて、

開いた門の両扉と屋根と2つ置かれた柵に囲まれた四方形の中に素敵に配置された庭石と植木。

私はこちらの場所になぜか惹かれ、二日間で都合5回写真を撮りに来てしまうくらい惚れ込んだ。

私的な写真のタイトルは『非公開という名の開かれた美』である。

 

こちらはやはり後藤さんお気に入りの滑川家、この時間帯がまたいいという。

確かに東からの朝日によってこちらからは門や塀などが黒い影になり、

借景とした奥の花場山の緑が青い空とともにクッキリと目に飛び込んでくる。

この時間帯ならではである。

DSC_5743_滑川家と花場山.jpg 

その門の前にできている秋田蕗だ、とても大きな葉をつけている。

みごとなものだった、またいい形に葉をつけていますよね…絵になります。

DSC_5744_滑川家の秋田蕗.jpg 

この大きな木は外から見た岩橋家の柏の木、それは太い幹で葉の大きさも半端ないものだ。

手のひらを一緒に移しておけばよかったと思うほど(笑)、天然記念物となっている。

この柏は古い葉が新しい葉が出てくるとき​まで落ちないで、新しいものが出てから落ちるということで

​長く家督が続くという事にたとえ、縁起のいい樹木とされているらしい。

DSC_5749_岩橋家柏の木.jpg 

こちらの岩橋家では古い井戸や蔀戸などの説明を聞くことができた。

ここで東勝楽丁から枡形角を経て表町下丁へ入りました。

ここのシンボル「赤いポスト」が水路に映るのを見て後藤さんいわく、

「上が現在へのポスト、下のおぼろげに写ったのが過去へのポスト」という男のロマン。

DSC_5760_赤いポスト.jpg 

まずはおすすめの青柳家の医薬門へついたと同時に『咲いた!』のひとこと、

写真中央の白とピンクの花が見えているのが「ハコネウツギ」というものらしい。

初めて目にした花だが2色の花が同居している、と言うか白からピンクへ色が移ろっていくらしい。

とてもきれいだったが、後藤さんも咲いたのを確認したのがこの日が最初らしいです(笑)。

この薬医門に施された素晴らしい「懸魚(げぎょ)」も拝見させていただきました、

中は午後にゆっくり見学させていただいた。

DSC_5773_ハコネウツギ(青柳家).jpg 

おとなりの石黒家では塀越し門越しに素敵な景色を紹介いただいた、

というのもこちらの石黒家では有料だが、しっかりとした屋敷の説明がたっぷり聞けるのである。

したがって後藤さんからは角館紀行で紹介した素敵なアングルを幾つか教えていただいた。

門越しに見える素敵なカモンと飾り、そして大きな石灯籠(右)、相当な年代モノですね。

DSC_5775_石黒家敷地内.jpg 

この青柳家との境に見える景色も時代を感じさせてくれる味わいのある風景です。

こうして幾つもの蔵を見てくると蔵の窓ひとつとっても家・屋敷によって全然造りが違い、

また周囲の佇まいが素晴らしいのでついつい引き込まれるような魅力を感じます。

DSC_5776_石黒家蔵.jpg 

この木は外から見た石黒家の樅の木、武家屋敷の中で一番の大木だそうです。

幹周り4.4メートル以上、樹齢300~350年くらいだそうです、みごとですね。

DSC_5778_石黒家の樅の木.jpg 

ちょうどこの石黒家の案内をされている時に、現在の石黒家12台目の当主のご子息(13代目)とお会いした、

後藤さんがご挨拶しておられたが、このプランのあとにお屋敷の中を拝見した際にも会うことができました。


お屋敷最後はこちらの石黒(恵)家でした、どちらかといえば昭和の匂いがしますね。

近年大変な思いをして手直しをしたということで、写真でも家の基礎が新しくなっており

近代的な網目の通風口になっています。

そのために家全体を持ち上げる大掛かりな改修工事になったそうです。

後藤さんが見せてくれた面白いところが写真に見える戸にはめられたガラス、

「この適度な歪みがなんともいえません」という、なるほどこうして見える映った景色が凸凹になってる、

いつも見ている人じゃないと気が付かないですよね、さすがです。​

DSC_5780_石黒(恵)家.jpg 

さて武家屋敷の見学がひと通り済んで、最後に向かったのがこちらの「平福記念美術館」です。

こうした比較的近代的な建物が、武家屋敷の中にあるという不思議、

でも後藤さんとしては「昔から町に一緒に暮らしている馴染みの外人さん」という感じか。

その素晴らしさは最後に味わうことになる…。

​素敵な庭を通ってエントランスに向かいます。

 DSC_5781_平福記念美術館へ.jpg

実は後藤さんがこの平福記念美術館にて、すてきなサプライズを演出してくれたのである。

この入口の右にベンチが置いてあります、そのベンチに後藤さんが

「こちらへ腰掛けてみて下さい」と私達を誘います・・・、

DSC_5784_平福記念美術館入口.jpg
その視線の先には回廊越しに朝日を受けた庭園の木々が見られます、

それは素敵な景色ではありますが、なにか特別なものがあるのかなと凝視しました、

緑青の壁が絶妙に景色にマッチします、派手すぎず地味でもなく適度な存在感を示します。

DSC_5782_平福記念美術館.jpg 

そして私達も腰掛けて後藤さんの話に耳を傾けていたのですが、おもむろに後藤さんが

「さあ、それじゃあちらへ歩いてみましょう」といって腰を上げた、私達もその後へ続きます。

そして上の写真の回廊をくぐって「外へ出たとたん目に入ってくる庭園」を見て鳥肌が立ちました!

DSC_5789_平福記念美術館庭園.jpg 

上の写真がその景色なんですが、写真にしてしまうとそれだけの景色です、

ですが!この瞬間の感覚、世界、感動、何といえばいいのかわかりません。

でも確かに感じました!目の前にまさにフワーッと視界が広がるにつれて目に入ってくる

朝日を浴びた木々の緑。

そして「何かの空気に全身が包まれる感触」、まさにこれです。

後藤さんが体験させたいと思っていらしたものだとしたら間違いなく追体験できました。

今これを書いている時点でも思い出すと鳥肌が立ちます、

この空気感は言葉や写真では 伝えきれませんね、ぜひご自身で味わって下さい。

素晴らしいですよ、くれぐれも晴れた日の早朝に訪ねてみて下さい。

『角館紀行ブロガー後藤さんとまち歩き』はまさに素晴らしいクライマックスで幕を閉じた。

 

下のは近くのゴール地点「ぷかぷ館」にて後藤さんに撮ってもらった写真です。

このぷかぷ館でギャラリーを見学して桧木内川の見える涼しい窓際にて

美味しいアイスコーヒーをいただきました。

DSC_5793_ぷかぷ館前.jpg 

するとギャラリーの小松様より「結婚30年おめでとうございます」とお声をかけていただき

なおかつ春限定の「さくらロール」をご馳走になりました。

DSC_5795_さくらロール.jpg 

​ほどよい甘さで目にも美味しい素敵な「さくらロール」でした、妻もとても喜んでいました。

暑さの中での歩き疲れも吹っ飛ぶ美味しさでしたよ、ありがとうございました。

 

ぷかぷ館を後にしたのが午前10時過ぎ、なんと中身の濃い2時間だったことでしょう。

それに仙北TICのプランといえども、ブロガー後藤さんやぷかぷ館の小松さんの

旅人に対する「おもてなしの心」、これにはほんとうに感激いたしました。

ぜひたくさんの方に体験していただきたいと思っています。

 

次からは角館で感じたことや感動の一枚(シーン)などをご紹介できればと思います、

思い出の角館へつづく・・・、

 


ジェスロ・タックのリンク集

2013年06月26日 | 14. 角館・田沢湖

あきたTABIYORIさん​田沢湖・角館旅行でお世話になった仙北TICさん
あきたTABIYORIブログ​GAZOOムラにある仙北TIC情報発信基地
角館観光協会​毎日更新される角館を知るに最適なブログ「角館紀行」は必見(現在リンク承認待ち)
小松ひとみのフォトワールド​角館出身の写真家(ギャラリー“ぷかぷ館”情報)素敵な作品も拝見できます
デジカメsarashina日記​私の拙い写真の中でも自分的にお気に入りをこちらへ

 

 

 

 

 

 


秋田さいぐ!、その4        【ブロガー後藤さんと:外町編】

2013年06月25日 | 14. 角館・田沢湖

​さあ14日~15日二日間はたっぷり角館を満喫です。

まずはじめはお世話になったGAZOOムラ“あきたTABIYORI”さんのプランである

『ブロガー後藤さんとまち歩き』を紹介しなくては角館散策を語れない。

14日朝8:00総合情報センター前で待ち合わせ、

TICの男性職員さんとプランの確認をしていると北の方角から後藤さんが…、

もう初対面とは思えませんでした(笑)。

それくらい「角館」をネットでググるといつでも後藤さんを見ることができるのだ。

スタート時の様子はこちらのあきたTABIYORIで見られます、

さっそく西宮家からスタートです。

重厚な蔵の窓の設えの説明や特徴など分かりやすくかつ面白くお話されます。

そんな中で気になった井戸です、江戸時代から明治・昭和と使い継がれた

古い井戸で滑車と汲み上げポンプが同居しております。

DSC_5675_西宮家の井戸.jpg
 

私が写真好きということで、後藤様も毎日「角館紀行」で披露されている

スポットから沢山の美味しいアングルをご紹介いただきました。

DSC_5678_太田家.jpg
 

この太田家に到着して綺麗なサツキや大正ロマンの洋館をご紹介される前に、

いきなり「おっ、バラが咲いてる!」といって秋田蘭画風のアングルを教えていただいた(笑)。

DSC_5677_薔薇と太田家.jpg
 

この日の「角館紀行」でさっそく後藤さんはこのアングルを載せていらしたが、

後藤さんは薔薇に焦点を合わせ背景の門をボカしていらした(秋田蘭画風)。

私の場合、薔薇越しの「門」に気持ちがいってます、まさにこれがそれぞれの「写真」ですね。

もうシャッター切るのが楽しくてしょうがなかったです。

次は「安藤醸造元」、立派な秋田最古のレンガ蔵です。

DSC_5686_安藤醸造元.jpg
 

写真を撮っていて後藤さんのお話でとても共感できるのが「光」についてだ、

午前・午後そして夕方の光を、ある意味とても大切にしていらっしゃる。

どの方向から光が来ると、どのスポットが生きてくるのか熟知されている、さすがである。

DSC_5690_安藤醸造元の蔵窓.jpg
 

上の写真は安藤家の蔵の窓、意匠を凝らした立派な窓である。

一番恐れた火災を避けるという意味で水をあしらった模様がどの建物にも見られるそうだ。

そしてここからはまさにガイドにないスポットの連続である、

私達が歩いたら気づかずに見過ごしてしまいそうなところばかり。

これは佐々木材木店さんの屋根、

DSC_5693_佐々木材木店の屋根.jpg
 

よく見ると丸くなった留め金に長い棒が引っ掛けてある、雪止めだそうだ、

そして木が傷めば差し替え可能な構造となっているのだ。

こちらはおしゃれな蔵のお店で終わってしまいそうだった「藤木伝四郎商店」の蔵側面。

DSC_5695_藤木伝四郎商店.jpg
 

立派な蔵というだけでなく、一段低いところにもう一つ窓がしつらえてある、珍しくかつ美しい景観である。

そしてちょっと道を突っ切って変わった建物かつ変わったお店がこちら…、

DSC_5697_イオヤ.jpg
 

立派な建物です、大正後期のものだそうです(伊保商店:屋号が「イオヤ」さん)。

冠婚葬祭に必要なものから日用品までなんでも揃うそうです、

この地域では非常識なことをすると「イオヤさいってほじ買ってこい!」といわれるそうですが、

(「ほじ」とは常識、良識のこと<方言>だそうです:角館紀行より)

それくらいここには昔からなんでもあるんですね(笑)。


 

ちょこっと戻って蔵の蕎麦屋さん「角館そば」の近くで、玄関周りの柵が大正チクで素敵な

お宅を訪ね庭のみごとな植木を鑑賞したり、新潮社創設者「佐藤義亮」の生家跡を訪ねたり。

まだまだどんどん続きます、こちらはその佐藤義亮生誕の地からすぐの蔵。

DSC_5706_路地の蔵窓.jpg

こういう立派な蔵がそちこちにあるんですね、絶対見過ごしてしまいます。

それぞれ設えに特徴があって、雪のない時期にこうして窓を開けてまさに出来を競っていたのでしょうか…。

DSC_5708_特徴的な蔵の窓.jpg
 

こちらも煉瓦蔵です、上下のデザインの切り返しも素敵だが、

大きさの違うレンガをうまく組み合わせてまさに味のある建物に仕上がっています。

後藤さんが特に見せたかったのが窓の造りなのです、

DSC_5710_蔵窓(設え).jpg
 

すごいですねえ、開けた時に隣どおしの分厚い窓がピタリと綺麗に重なるように造られています。

蔵の町「喜多方」でもこうしたものは見られなかったです(あったらごめんなさい)。

まさに匠の技を競っていたのでしょうねえ。

そしてこちらは有名な「西宮家」の米蔵の窓、

DSC_5712_西宮家米蔵.jpg
 

西宮家のホームページではメイン看板のように使われていましたが、

こんな場所にあったんですね、意外でした。

でもその設えはとても素晴らしく、白の漆喰で統一された細かい造作はまさに芸術的でした。

これだけ見てきても時間はまだ30分ちょっとしか経っていません、

確かに中は後でゆっくり見てくださいねということはありますが(開館前のため)、

すべてのポイントで興味深いお話をされています。

内容の濃いガイド」だというのがわかっていただけると思います


 

“外町”最後は樺細工の「八柳」さんからたてつ家へ向かいました、

DSC_5713_樺細工八柳.jpg
 

こちらは大正浪漫の歴史的雰囲気を評価され景観賞をもらったお店です、

「料亭稲穂」さんでもオリジナルのリップミラーを作られていたお店ですね。

翌日みやげで利用させていただきました。

そして「たてつ家」についた頃はもう空に雲ひとつないくらいいい天気。

DSC_5716_たてつ家の空.jpg
 

「こちらでは資料館もぜひ覗いてみて下さい」とおっしゃりながら

さすがに後藤さんも「6月にこの陽気は初めて」と額に汗をかいておりました。


 

さていよいよここから北へ歩き始めます、武家屋敷エリアへ入ります。

あとから計ってみれば時間的にもちょうど半分が経過しているタイミングです、すごいですね。

あまりの内容の豊富さにたった1時間半の散策が前編・後編になってしまいます、

 
【武家屋敷編】へつづく…、

 

秋田さいぐ!、その3        【いよいよ角館へ】

2013年06月21日 | 14. 角館・田沢湖

​田沢湖観光を終えて、いよいよ妻の希望の地『角館』入りです。

田沢湖駅についてからすべての観光ポイントでじっくり楽しんできたが、

移動が思いの外いいペースだったのでほぼ予定通りの角館着だった。

レンタカーを返却し、まずは今回お世話になったあきたTABIYORIの

佐々木さん・富木所長さんへご挨拶をしてきた。

皆さん素敵な笑顔で迎えてくれて、いよいよ来たんだなあという実感が…。

 

その後ホテルへチェック・イン、街の中心にある角館プラザホテルである、

まる二日間お世話になったのだが、ここからはどこへ行くにも便が良い。

部屋に荷物を置き一息ついてから、お待ちかねの夕食と温泉である、

が、まだ少し明るいので二人で桧木内川の方へ散歩してみた。

DSCN1033_桧木内川堤.jpg 

ここがこれから美味しい『殿様あゆ』の取れる桧木内川。

ソメイヨシノが2kmに渡って咲く光景は素敵でしょうね、

想像に難くないです、まあ人出もものすごいのだそうだが…。

そしてこちらは春になると桜のトンネルとなる桧木内川桜堤、

延々と桜のトンネルをくぐるのはさぞや気持ち良いだろうなあ。

DSCN1036_桜の土手.jpg 

土手の下へ降りてみましたが、トワイライト時刻間近で素敵な景色でした。

妻が「川の真ん中に鳥がいる」というのでみてみると

少々暗くてサギの種類であることくらいしかわからず、写真を撮って拡大してみた。

「アオサギ」でした、川の中央の石に片足立ちをしている格好。

鮎を待っているのか、休憩しているのか気になるところですね、

私としては思わずカメラを構えていくらでも待っていたい気持ちになります(笑)。

DSCN1038_桧木内川のアオサギ.jpg 

これがその時の空です、下の桧木内川のほぼ中央にポツンンとアオサギの影が見えます。

あと20~30分ここにいられれば良い写真が撮れそうでしたねえ~、残念。

DSCN1046_桧木内川の夕空.jpg 

何せ今日の主役は奥様ですので、そろそろ夕食のお時間としなくては。

この日(6/13)は妻の誕生日、この日に合わせて結婚30年の記念旅行としましたので

妻の希望はできるだけ入れるようなプランとしておりました。

夕食もそのひとつ、妻の希望の美味しい「きりたんぽ鍋」をいただきに“むら咲”さんへ向かいます。

DSCN1052_むら咲.jpg 

ホテルから7~8分で到着です、時刻は7時ちょい前。

こちへは「美味しいきりたんぽならむら咲さん」という地元の情報を得て、決めました。

期待して玄関をくぐります、

他に先客はなく、静かに食事することができました。 

こちらのおすすめメニューからチョイスして作っていただきました。

まずは名物「じゅんさい」、なんともいえない食感が「旨い」。

ヌルッ、サクッでしょうか、とにかく箸が止まらない(笑)。

DSCN1054_むら咲のじゅんさい.jpg 

 そういえばこちらのお店の箸袋に「みちのくの城下町角館で二番目に美味しい店」

と書いてあります、一番はどこかといえば・・・、

各人の家だそうです、いわば「一番はおふくろの味」ってところでしょうか、

うまいこと言いますね。

 

お次はこちら「比内地鶏塩焼」、これ最高でした。

しっかりとした歯ごたえのお肉はシンプルに塩だけという味付けで

噛めば噛むほど口に広がる鳥の旨みが実感できます、とにかく皮がうまい!

DSCN1059_むら咲の比内地鶏焼き.jpg 

続いてきたのはやはりおすすめの「とんぶりシュウマイ」。

とんぶりのプチプチ感はそれほど感じられなかったが、

とんぶりの独特な風味が口の中に広がり、おすすめだけはある美味しさだ。

特に妻が気に入り殆ど食べてしまった(笑)。

DSCN1061_むら咲のとんぶりシュウマイ.jpg 

 そうしているうちにテーブルにコンロが置かれた、いよいよ主役が登場か…。

来ましたよ鍋が、

コンロに乗せて、さあ火をつけるかと思いきや・・・

蓋を開けたらすでに熱々の蒸気が吹き上がる!

なんとこの日は暑かったので、板前のご主人がテーブルで火を炊かなくても済むように

気を遣っていただきました、ありがたいですねえ。

DSCN1063_むら咲のきりたんぽ鍋.jpg 

 妻と驚いたのはこのきりたんぽの量!

こちら「むら咲」さんの自家製で随分とありました、

あきたこまちが半殺し状態で、まだ米粒がしっかり見えます。

煮崩れもなくしっかりとしたきりたんぽ、美味しかったですね。

こうしてお椀に二人で2~3杯いただきましたので

もう二人ともお腹いっぱいになりました、考えてみればお米ですもんね。

DSCN1066_いただきます.jpg 

本当はこのあと締めにこちらのお店の人気メニュー「比内地鶏 和風鉄板焼オムライス」を

ぜひいただきたかったのですが、ここまでで満腹で二人でひとつも無理、

女将さんにギブアップ宣言を・・・。

しかし出てきたもの全て美味しく、はずれなし。

噂どおりのお店で誕生日の妻へのご招待、大成功でした。

会計を済ませたあと、お気遣いをいただいたご主人に玄関先までお見送りいただき

恐縮してしまいました・・・、ごちそうさまです。

 

満腹になった二人はこのあとホテルへ帰る前のお楽しみ「かくのだて温泉」へ。

居酒屋「土間人」の隣にあるこちら、滞在中の二日間とも利用したが前の駐車場がいつも満杯、

お風呂に人はそれほどいなかったが、もしかして居酒屋「土間人」の方?それはないですよねえ。

しかしこのかくのだて温泉、お湯がとても熱い。

源泉49℃、湯口44℃だったか、これはけっこう熱いですよ。

私も熱いのが好きな方だが、すぐにドボンと肩まで入ることはできなかったくらいだ。

泉質はしっかりヌルすべ感もあり、飲泉もでき良い感じで広い湯船でゆったりと入浴出来ます。

入浴後はこの写真の背中側の休憩所にて…。

DSCN1069_かくのだて温泉.jpg 

湯上りにいただくコーヒー牛乳は最高です。

妻を待つ間に下駄箱の鍵を貰いに行ったら、フロントでカワイイ猫ちゃんと遭遇、

こちらの看板ネコで「にけ子ちゃん」というそうです、けっこうなおばあさん猫だそうですが

動きもしっかりしてとてもおばあさん猫には見えませんでしたねえ。

DSCN1068_にけ子ちゃん.jpg 

さすがに朝早くから電車に揺られ、このかくのだて温泉まで動きっぱなし。

まして風呂に入ったら疲れがどっと出たようで、

「ホテル帰って横になろうか」という具合でした(笑)。

 

5分も歩かずにホテルに到着、こちらは1階のロビーで私たちの部屋は5階(禁煙ルーム)。

したがって私は一服のたびにこちらへ降りてきます、

2日とも遅くまで一服しながら翌日のプラン・ルート確認でお世話になりました。 

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さて、部屋に帰って珈琲を飲みながらテレビを見ている妻に、誕生日のサプライズを用意していた。 

さり気なく置いておいたテーブルの包みに妻は意外と気付かない、

「開けてみて」の一言でようやく「何これ」と驚いた。

DSC_5568_プレゼント.jpg 

けして高価なものじゃないが、私が見立てた「ペアリング」だ、

結婚当初作った指輪は小さくなり(いや指が太くなり)、いつしか二人ともはずしていた。

この結婚30年を機会に、もう一度新たな気持で残りの人生を二人で歩んでいければとの

思いでプレゼントさせてもらった。

妻の自然な喜びようは私としてもとても嬉しかった。

 

ようやく長い一日が終わろうとしていた…。

疲れすぎたせいか、なぜか不思議に寝付けず、

気がつけば翌朝の4:30頃。

 

角館の朝につづく…、