今回はわが町の氷川の森に毎年やってくる「ニホンカワトンボ」のお話しです。
少し古いデータですが、地元のある埼玉県でのカワトンボのDNA調査による分布状況では...
この図に見るように中部から西部・山間部にかけて見られるアサヒナカワトンボ、そして唯一の「☓」印に見るエリアがまさにわが町富士見市にかかる箇所で「ニホンカワトンボ」がDNA分析により確認されているんですよね。
私がそのニホンカワトンボを最初にデジカメで捉えたのが2014年5月のこと、以来毎年ここに来ると分かってからここ数年毎回様々なカメラ・レンズでニホンカワトンボを「写真」で捉えてきました。
今年は出会う確率がとても高くて訪れるたびに二組のオス・メスを見る機会が多く、けっこうな枚数写真に収めることができています。
[ニホンカワトンボ:オス]
(α7S:Nikkor-O・C AUTO 35mm F2)
[ニホンカワトンボ:オス]
(α7S:SP AF 180mm F/3.5 Di LD [IF] MACRO1:1)
[ニホンカワトンボ:メス]
(D700:SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO1:1)
[ニホンカワトンボ:メス]
(α7RII:MC ROKKOR-PG 58mm F1.2・トリミング)
そしてここ氷川の森は自然を残すため最低限の手しか入れられていないので昆虫それぞれの天敵も数多く存在します。
このニホンカワトンボがよく集る場所には...
(D700:SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO1:1)
上の写真でわかるようにオスが留まっている葉と右に見える竹との間に大きく巣を張っている「蜘蛛」の姿が確認できますよね、まさに敵もさる者でいる場所をよく知っています^^;)。
そして何度目かに訪ねた時に遭遇した状況がこれです...
(α7RII:MC ROKKOR-PG 58mm F1.2)
蜘蛛の巣に捕らわれたニホンカワトンボのオスです。暴れたのでしょうね、一枚羽がもげてしまっていました。
そこでもうすでに死んでいるだろうが、再びこんな状況にならないよう蜘蛛の巣から丁寧にトンボを外してからこの周辺の蜘蛛の巣を払っておきました。
すると私の手の上で外したニホンカワトンボのオスが動きだしたんです...ビックリですよね^^;)。
そこでトンボがこれ以上傷まないように残った羽を押さえながら丁寧に蜘蛛の糸を外してあげることに。
すると不思議なんですが...助けているのがわかるかのようにとてもおとなしくしてくれていたんです...
(α7RII:MC ROKKOR-PG 58mm F1.2)
この写真は蜘蛛の糸を払う最終段階の状況で撮ったものです、トンボの右羽の先から私の手に伸びた糸が見えますよね...こうして押さえてなくても静かに手に乗ってくれていたんです。その最後の糸を外してやると...これが思いの外元気に残った三枚の羽で森の奥へ飛んでいったんです...「良かった、ホント良かった」です^^。
そして印象的な出来事がこの二日後にやってきました...
少し日も差すまずまずの天気で、この日も4匹ほどのトンボと出会えたんですが、その蜘蛛の巣を払った水場に行くと2匹のオスが追っかけっこをして私の目の前を飛んでいきました。
そして2匹が別々の葉に留まったんですが、私の近くに留まった追っかけていた方のオスがどこか飛び方がぎこちないと思い、静かに近づきながらカメラに収めてみれば...
[ニホンカワトンボ:オス]
(D700:SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO1:1)
やはり足もないし羽を中心にアップにしてみれば...
(D700:SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO1:1・若干トリミング)
やっぱり3枚の羽なんです、わたしが助けたあのオスなんです!
まさか足まで取れていたなんて思いませんでしたが、他のオスを追っかけるほどに元気なので安心しました。
そしてこのオスは不思議にマクロレンズでかなり近づいても逃げないんです、そこで試しに右手を出してみました...すると驚いたのか飛びはしたんですが、すぐ上の葉に戻り先程と同様にこうしてじっと私の方を見ているんですよねえ。
しばらく素敵な再会の時間を私と愛犬で楽しみました^^。
ありがたいことに愛犬・Cobbyも私がカメラを構えると静かに足元にお座りしてじっと待つことを(彼と散歩撮を始めてもう10年になりますから)しっかり覚えてくれています...ほんとこういう時助かります^^。
まさかこのオスのニホンカワトンボが「あなたが助けてくれたんですよね」と覚えてくれているとは思えませんが...このオスは私がカメラを下ろしてじっと観察している間も、そして立ち上がってCobbyとその場を静かに離れるまで上のように葉の上で動かずにじっとこちらを見ていました。
(D700:SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO1:1)
なんだかとても心軽やかになる嬉しい時間を持てました、まさに「素敵な自然とのふれあい」とでもいいたくなるような時間を過ごすことができましたねえ。
2022年5月 氷川の森にて
#カメラ(写真下に表記)
#レンズ(同)
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