「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。(コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする)」カレン・フェラン (著)、神崎 朗子 (訳)、大和書房、2014年3月、1,728円
大変刺激的なタイトルの本です。内容も刺激的・・・と言えばその通りなのですが、案外真っ当なことが書いてあります。しかも実体験に基づいた「告白」が多く、大変面白い本です。詳しい内容については書きませんので、ぜひご一読いただきたいと思います。
目次は以下のとおりです。
はじめに 御社をつぶしたのは私です
Introduction 大手ファームは無意味なことばかりさせている
第1章 「戦略計画」は何の役にも立たない
第2章 「最適化プロセス」は机上の空論
第3章 「数値目標」が組織を振り回す
第4章 「業績管理システム」で士気はガタ落ち
第5章 「マネジメントモデル」なんていらない
第6章 「人材開発プログラム」には絶対に参加するな
第7章 「リーダーシップ開発」で食べている人たち
第8章 「ベストプラクティス」は“奇跡"のダイエット食品
さて、興味深いのは、この本の一貫した主張です。
簡単に言うと「一流のビジネススクールでMBAを取得し、コンサルティング会社に入ったばかりの人にコンサルを依頼すると、その会社はダメになる」というものです。それも「ダメになる確率が高くなる」のではなく、「100%ダメになる」と言っています。
「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える。 (If all you have is a hammer, everything looks like a nail.)」というA.マズローの言葉がありますが、まさに「MBAあがりのコンサルには、すべての問題が”戦略上の問題”に見える」というわけです。
さて、マッキンゼーやボストンコンサルティングなど、アメリカのMBA取得者だけで出来上がっているような超一流コンサルティングファームはこれにどう答えるのでしょうか。
不謹慎ですが、ぜひ反論と反論の応酬を見てみたいものです。
そういえば、以前、某大学の教授が「MBAホルダーのコンサルを使うのは、(M)まるで(B)馬鹿な(A)青二才の”こまった猿(コンサル)”に会社の命運を託すようなものだ」と言っていました。
もちろん私が言ったわけではありませんので、末期ン脆(マッキンゼー)ご出身の方々、くれぐれもクレームはご遠慮願います。
(人材育成社)