前回のブログで「数値化」と「数学」は別のものと書いたところ、「じゃあ算数ができれば、ビジネスに数学は全く必要ないの?」という質問を受けました。確かに中学で習う「数学」と小学校で習う「算数」は別物ですが「必要ない」とまではさすが言い切れませんでした。中学校は義務教育ですから、せめて中学2年までの数学、それも教科書レベルは必要だと思います。
では、中学で習う数学の範囲を見てみましょう。ただし「図形」は除きます。
中学1年生・・・正・負の数、文字式、方程式、関数
中学2年生・・・式の計算、連立方程式、1次関数
中学3年生・・・多項式、平方根、2次方程式、関数
数学が苦手だった方は、私がなぜ「中学2年レベルまで」と書いたのかお分かりいただけたと思います。そこ(2年→3年)に数学ができるできない、すなわち「文系と理系」の分かれ道がはっきりと見えるのではないでしょうか。
おそらく2年生で習う連立方程式、1次関数は、どれほど数学が苦手だった方でも今なら十分に理解し、使いこなすことができます。ところが3年生の多項式、平方根、2次方程式あたりになると、とたんに怪しくなるはずです。
ご安心ください。連立方程式、1次関数が分かれば、ビジネスにおいてかなり質の高い仕事ができるようになります。
1次関数というのは、直線のグラフです。たとえば上の画像の左のグラフは、横軸にその日の最高気温、縦軸にその日のアイスクリームの売り上げ個数を点にして示したものです。右側のグラフは、その数字を使って2つの数値の関係を直線で表したものです。さらにその直線の式が表示されています。
直線は、y=27.585x-472.9という1次式になっています。たとえば天気予報で「明日の最高気温が33℃」だとしたら、xに33を代入するとy=437.405となりますから、「明日はアイスクリームが430~440個くらい売れそうだ」という推測ができます。
こうしたグラフと計算式はExcelで簡単に(それこそ瞬時に)作ることができます。
もちろん、気温以外にも様々な数値が売り上げに影響を与えていることは間違いありませんが、勘と経験だけの予測よりは役に立ちそうです。「中2の数学、恐るべし」そんな気がしませんか?
さっそく明日、本屋さんで中学数学の参考書を1冊買ってみてはいかがでしょう。