中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,165話 挑戦しなければ、自分のパンチは相手に当たらない

2023年05月10日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「受けないように避けてると、間違いなく相手からのパンチは当たらないから、ダメージはない。けれど、避けるってことは前に出ないから、自分のパンチも相手に当たらない」

これは、以前読んだ内館牧子氏の小説「今度生まれたら」(講談社)の中の台詞の一つです。「自分が前に出なければ相手にパンチは当たらない」というこの言葉は、私自身が一歩を踏み出すことをためらうようなときに、また自分を鼓舞するときに何度か反芻してきました。

5月も半ばになり、新入社員が今後の仕事を具体的に始める時期になりました。多くの新人が、それぞれの職場ではりきって仕事を覚えようとしていることと思います。

近年、若手と言われる年代の特徴の一つとして「成長欲求が高い」ことがありますが、弊社が研修を担当させていただいた際にも、ちょっとした会話からスキルや知識などの習得に余念がない人が多いことが感じられます。また、実際に入社前に仕事に役立つスキルや知識を身につけたいとの問合わせが入ることがあるという話を採用のご担当者から聞いたこともあります。「スキルや知識を身に付けることによって成長したい、そのために勉強したい」と考えることは素晴らしいことですので、年長者として若手のそのような気持ちをぜひ応援したいと考えています。

しかしながら、もう一方では「若手社員の挑戦意欲の低下」という傾向も顕著になっているようなのです。リクルートマネジメントソリューションズが、2022年3~4月に新入社員525人を対象に「働くうえで大切にしたいこと」を複数選択で尋ねた結果、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」は24,8%、「何があってもあきらめずにやりきること」は13,9%と、いずれもこれまでの調査で最低の数値だったとのことです。

言うまでもありませんが、挑戦とは「困難なことに挑むこと」です。自分が今持ち合わせているスキルや知識では及ばないかもしれないことに対して敢えて挑んだ結果として、苦労したり途中で失敗したりすることは当然にありえるものなのです。そして、そうした経験を通じて困難を乗り越えるためにはどうすればよいのか、次に同じような事柄が現れたときにはどのように対応すればよいのかということを、間違いなくその経験から身に付けることができるのです。

若手に限ったことではありませんが、成長とは経験したことがないことや、今の自分には少々ハードルが高いことに挑戦した結果として得られるものなのではないでしょうか。そしてその結果「何とか乗り切った」という感覚を得られたときに、はじめてこれまで目にできなかったような新たな景色(世界)が見えてくるのではないかと思うのです。

成長したいと考えることはとても素晴らしいことですので、ぜひ若手の皆さんには今後もその気持ちを大切にして、様々なことに挑戦を続けていただきたいと思います。その際には、はじめはあまり大上段に構えずに、まずは小さな事柄で構わないので、経験したことのないことや少し背伸びが必要なことに挑んでみることが大切なのではないでしょうか。

もちろん、成長への挑戦は若手に限ったことではありません。「パンチを相手に当てるため」にも、自戒の念を込めて私も引き続き挑戦を続けたいと思います。

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