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第1,060話 崩れてしまった信頼を取り戻すことはできるのか

2021年09月29日 | コミュニケーション

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

厚生労働省の発表によると、新規学卒就職者の3年以内(2017年3月の卒業者)の離職率は32.8%とのことです。この数字は業種や事業所の規模によって異なりますが、この10年間大きな変動はないようです。

それでは、せっかく入社した会社であるにもかかわらず、3年以内に離職を決断する理由は何なのでしょうか?

全国求人情報協会の調査によると、早期退職した若手が入社の前後でギャップを感じたこととして社内ルール・常識がトップで、2位に上司の能力や資質が続きます。実際、弊社が若手や中堅社員を対象にした研修を担当させていただく際には「上司のことを好きになれない」、「上司を信頼できない」という声を聞くことが少なくありません。一方で、管理職を対象にした研修では「部下との関係に悩んでいる」という声を聞くこともよくあります。

では、この「信頼」はいかにして築かれるものなのでしょうか。いろいろな考え方があると思いますが、私は信頼とは「ある人の言葉や行動、姿勢を他者が見た結果として、その人間性や習慣といった目には見えないものに対して期待したり、その期待に応えてくれるだろうと当てにしたりする気持ち」であると考えています。

このため、「信頼」とは一朝一夕に築くことができるようなものではなく、日常的な振る舞いに対し周囲がプラスの評価をすることで、時間をかけて少しずつ積み上げていくものだと思います。

しかし、このように時間をかけて積み上げた信頼であっても、ちょっとしたことで簡単に崩れてしまうことがあります。たとえば、自分に対する上司の言動や姿勢に接して部下が納得することができないようことがあった場合、失望がやがて信頼できないという感情につながったりするのだと思います。それは必ずしも自分に向けられたものに限ったことではなく、他者へ対してとられた言動や姿勢であっても、同様に信頼が崩れることになってしまうこともあります。

もちろん、行き違いや誤解から生じるケースもあるとは思いますが、結果的にこうしたことが繰り返され、どうにもならないと感じたときに若手や中堅社員は退職という行為を選択するのではないかと思うのです。

それでは、一度崩れてしまった信頼を取り戻すことはできるのでしょうか?これも一概には言えませんが、少なくとも初めに信頼を構築したときよりも、はるかに多くの時間を要することは間違いありません。そして、そのような場面では、上司は改めてきちんと説明をしたうえで部下が信頼を失うに至った理由を尋ね、その上で場合によっては冷静にわが身を振り返り言動や行動を変えるなど真摯に対応する必要があります。

信頼を失うという事態に陥ると、それを取り戻すのはかなりしんどい行為であることは間違いありません。だからこそ、私たちは絶えず自らの言動や姿勢を客観的な目で確認し、正すべきことはきちんと正す必要があるのです。

上司の皆さん、もし、部下が早期退職をしてしまったり、指示命令を素直に受け入れなかったり、成長が伸び悩んでいるということがあった場合、もしかするとそれは自分への信頼が崩れかけている兆候なのかもしれません。ぜひ、一度自身の言動や姿勢を振り返られることをお勧めします。

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