「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
メルカリはスマホ向けフリマアプリの企業です。2018年7月、メルカリの役員さんはあるインタビューで(同社が)テレワークを原則禁止にしていることについて、次のように語っていました。
「顔が見えると、安心しますよね。ちょっと今日は顔が暗いなと思ったら声をかけたり、雑談レベルの相談に応じたり。(働く上での)心理的安全性が高くなると思ってます」※1
これだけなら「ついこの間の話じゃないか。きっと今は苦労しているだろうなあ・・」と想像してしまいます。ただし、このインタビューの中で次のように続けていました。
「『決めたから変えない』はない。タイミングや考え方でまた変えるかもしれません。ただし今はこれがベスト、ということです」
次に、2020年4月8日のメルカリのプレスリリースの一部を以下引用します。
「今後メルカリグループでは、まず東京・大阪・福岡拠点は原則オフィスを閉鎖する完全在宅勤務体制へと移行いたします。また仙台拠点でも原則在宅勤務とし、必要に応じて完全在宅勤務へ移行していきます。また、それに伴い自宅での勤務環境構築やオンライン・コミュニケーション(チーム・ビルディング)などのために6万円(半年分)の在宅勤務手当の支給を決定いたしました。」※2
これは、主要なオフィスを「閉鎖」し完全在宅勤務体制へ移行するという経営者の決意を表したものです。
この話を聞いて「接客業じゃないからできたんでしょ」、「IT系はテレワーク向きだよね」、「若い社員ばかりだから負担が少ないんじゃないの」などと思う経営者の方もいることでしょう。
そして「うちはメルカリみたいにはできないよ。なぜなら・・・」と、できない理由を探しはじめるかもしれません。
しかし、社員2千人弱の企業が一気に、しかも企業文化に直接影響する決断を下すことは簡単ではありません。メルカリ経営陣の素早く、しかも徹底的な意思決定は称賛に値します。
もし、あなたの会社が医療や物流など命や生活に直接関わる業種ではないとしたら、中途半端な施策は最前線で苦労されている人たちの迷惑になるだけです。
テレワークを実施するならトップが率先して、徹底的にやるべきです。それとも「それは無理だ」とお考えですか?「できない理由」を探しますか?
あなたが経営者なら、いまこそ決断力が試されている時だと思ってください。
※1 https://www.businessinsider.jp/post-171734
※2 https://about.mercari.com/press/news/article/20200408_message-from-ceo/