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第1,097話 MBWAは有効な管理手法だが・・

2022年02月13日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

MBWA(Management By Walking Around)とは直訳すれば「歩きまわる管理」ですが、「現場をぶらぶら歩きまわりながらマネジメントすること」という意味です。私がこの言葉に最初に出会ったのは、MBWAをポリシーにしている会社に中途入社したときでした。

もちろん、管理者がただ社内をぶらぶら歩き回っているわけではありません。管理者の手が空いたら現場に行って、そこにいる人たちから色々な話を聞くという感じでした。そうすることで、ちょっとした問題の芽を摘んだり、良いやり方を見つけたりすることができます。MBWAは非常に有効な管理手法と言えるでしょう。

ただし、MBWAがきちんと機能するためには、「管理」と「現場」がお互いに信頼し合っていることが大前提となります。両者に信頼関係がなければ、管理者はただの「歩き回る厄介者」、ゾンビみたいなものです。面倒なことは隠され、かえって問題の芽を大きく育てることになります。

ここで注意しなければならないのは、「信頼」は「依存」ではないということです。現場の社員が管理者を頼るのは良いことなのですが、問題を丸投げするのは厳禁です。

現場にふらりと現れた管理者を「待ってました」とばかりに取り囲んで、「忙しいので人手を増やしてください」、「機械が古いので新しくしてください」、「AさんとBさんは仲が良いので同じチームにしてあげてください」等々、管理者に一方的に要求する。それを管理者が、信頼関係の証(あかし)とばかりに受け入れるとしたらどうなるでしょう。

管理者が職場の不満の代弁者となり、組織そのものが崩壊してしまいます。また、もし管理者が要求に対して「ノー」と言ったら、現場は管理者を味方ではない、つまり敵だと認識することもあるでしょう。

MBWAは一見楽そうに見えて、とても難しい管理手法です。管理者と現場の社員、双方が管理(マネジメント)とは何かを十分に理解しておかなければなりません。管理者は管理される側から、現場の社員は管理する側からの「視点」を知ることが必要です。現場で起こる問題を「双方向」から見ることで、一方的な依存関係は生じにくくなります。

最終的に、現場が管理者を一緒になって問題解決をおこなう「共同解決者」として受け入れることができれば、MBWAは大きな効果を生み、信頼関係はより強固になっていきます。

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