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「今後、ヨーロッパに監督の勉強に行きたい」
これは、FIFA ワールドカップサッカー 日本代表チームの森保一監督がインタビューで何度も語っている言葉です。
ワールドカップでは悲願のベスト8にこそ残れなかったものの、十分な実績を残した監督として、この言葉は非常に謙虚だと感じます。監督としてさらなる上を目指していこうとされている森保監督とはいったいどういう人なのか?メディアでもたびたび取り上げられていますが、私自身も非常に興味深く感じていますので、森保監督のリーダーシップを3つの視点から考えてみました。
私が思う森保監督のリーダーシップの1点目は、選手をはじめ他者を尊重(リスペクト)する、2点目はいつも安定感がありフラットである、3点目は試合中こまめにメモをとるです。
1点目について、日本テレビの「スイッチ」(12月12日)に出演していたゴールキーパーの権田選手が次のように語っています。
「森保監督は本当に選手一人一人とのコミュニケーションを取り、リスペクトを持って接してくれる。それと試合に出ている選手だけじゃなくて出ていない選手、今回の大会では出られなかった選手が4人いるんですけど、その4人の選手に対しても常にリスペクトしていて、そういう姿勢っていうのは、僕は森保ジャパンの立ち上げから入れてもらってますけど、ずっとその感じは変わらない。それはチームにとってプラスだったなと思っています」
森保監督が選手をリスペクトしていることは、様々な選手からも異口同音に発せられていますし、代表メンバーを選出する前にも様々な選手に会いにヨーロッパを回ったという話もたくさん報道されていますので、本当に他者を大切にする人なのだと想像します。
2点目の安定感があると感じるのは、ゲーム中に追い詰められているとき、負けてしまったとき、試合後にインタビューを受けているとき、そして帰国後の会見など、どういうときであっても、興奮していることがなく安定している、フラットな人だという印象を持っています。ドイツ戦に勝利した後、選手に「一喜一憂するな」と大きな声を出して語り掛けていましたが、監督自身がそれを地で行っていますので、非常に説得力があると感じました。いつもフラットでいられるのは元々の性格なのか、それとも監督として采配を振るう中で獲得したものなのかはわかりませんが、選手にとっては監督への大きな信頼感につながるものではないかと思います。
そして、3点目はメモをよくとるということです。テレビのワイドショーによると、多いときは20回以上とっていたそうです。様々なメディアからの「試合中、何を書いているのですか?」という質問に対して、監督は次のように答えています。「試合中はシュートを打った、ディフェンスはやられたなどと書き、その内容がコーチと合致すればハーフタイムで伝える。さらに試合後はロッカールームでも記入し、勇気や勇敢に戦ってくれてありがとう、この成長が大切だと選手に要望することを書いている」とのことです。このように細かく記録をとっているからこそ、根拠に基づいた説得力のあるアドバイスや指導ができているのではないでしょうか。
これらが、私が思う森保監督ならではのリーダーシップです。この3点をやり続けることは決して簡単なことではないと思いますが、森保監督は成し遂げ続けているのです。
スポーツの監督のみならず企業においても、管理監督職をはじめとしてリーダーシップの発揮が様々な場面で求められるわけですが、森保監督の言動を通してリーダーシップを身に付けるためには、地道な努力が必要なのではないかと改めて考えています。
森保監督のリーダーシップに大いに期待したいと考えている私は、今後も監督の一挙手一投足に目が離せません。