ホテルのフロント:「来年の4月15日は既に満室になっております」
私:「えっ!もう満室なんですか?予約の開始日はいつだったのですか?」
ホテルのフロント「1年前の同日からです」
毎年、桜の花が散った頃に京都に出かけています。今年も先週出かけましたが、今回泊ったホテルの宿泊予約が昨年の秋の時点でなかなか取れなかったために、今年の反省を生かして早めに来年のホテルを予約しようと考えて、インターネットで検索を始めたところ、既に満室表示になっていました。
これは何かの間違いではと考えて直接ホテルに電話をかけたところ、冒頭のやりとりになったのです。
これまでにも、ビジネスマンが急な出張時にビジネスホテルの予約が取れずに困っているという話は聞いていましたが、1年先の予約で、しかもビジネスホテルではなくシティホテルにおいても同様の事態が生じていることに驚きました。
そこで、京都の他のホテルの予約をとるつもりでいろいろ調べ始めると、ビジネスホテルのシングルルームでも15,000円を超えている事態が起きていることがわかりました。
一体、これはどういうことが起きているのでしょうか?
官公庁の統計によると、今年の1月の客室稼働率は52.4%で、現在の集計方法となった平成23年以降1月としては過去最高の稼働率。内訳はシティホテル(70.0%)、ビジネスホテル(65.5%) 、リゾートホテル(51.5%) で、それぞれ1月としては過去最高だったそうです。
通常、1月は年間で最も稼働率が低くなる月なのだそうですが、大阪府ではシティホテル、リゾートホテルの客室稼働率が80%を超えたそうです。
このように数値を押し上げている理由は、もはや言うまでもないかと思いますが訪日外国人旅行者数の増加で、1月は前年同月比が+46.3%という数値になっています。
では、こうした事態を踏まえて確実に予約を取るには一体どうすればよいのでしょうか。
これまではシーズンのオン、オフを問わず、先手を打って早く予約をすることが有効な解決策だと考えていましたが、冒頭のホテルの予約のような問題は、これまで同様に先手を打つだけでは思うようには解決できないようです。
少なくともこのホテルの予約の問題に関しては、4年後に迫った東京オリンピックまでには抜本的な解決は難しいように思われますし、その後も有名な観光地などでは状況が大きく変わることはないのかもしれません。
これはあくまで一つの例ですが、その他にも例えば今回の熊本の地震も、14日の最初の地震の段階では、1週間後の現在ここまで事態が拡がっているとはほとんどの人が予想していなかっただろうと思います。
私たちを取り巻く環境の中では、このような予想もできなかったような様々な問題が起こってきましたし、今後も同様に起こるのでしょう。
はたして、これまででは予想もできなかったような事態にどのように対処していくのか、単にこれまでと同じ対応をするのでなく、状況をきちんと把握して受け止めたうえで、的確に対応していく力がこれまで以上に求められていくのだと思っています。
個人として、組織として具体的に何をどう準備すれば良いのか、答えは簡単に見つけられそうにありません。
(人材育成社)