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第1,104話 女性管理職を増やすための意識改革とは

2022年03月09日 | コンサルティング

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「活躍してもらいたくて女性管理職に任命したけれど、実は本人がそれを歓迎していないのです」

これは、ある500人規模の組織の女性副社長から聞いた言葉です。その方は初の女性副社長として社外から抜擢されたのです。その使命の一つに女性社員の活躍支援があったため、女性社員の声を積極的に取り上げたり、活躍が期待される女性を積極的に管理職に登用するために働きかけを行ったとのことです。

ところが、管理職に任命して1年が経過したころ、当の女性から「本当は管理職にはなりたくなかった。」との話を聴いたのだそうです。組織のため、本人のため、後進のために良かれと思って登用したつもりなのに、歓迎されるどころか職を解いてほしいという声を聴いて残念に思ったのだそうです。同時に、女性管理職を増やすことの難しさを改めて感じたという話をしてくださいました。

さて、3月8日は「国際女性デー」でした。国際女性デーとは「国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日」とのことです。日本では、諸外国と比較して依然として女性リーダーの数が少ない状態が続いています。女性管理職の割合のトップであるフランスの約4割と比べ、日本はわずか1割強(厚生労働省の「雇用均等基本調査」課長相当職以上の「女性管理職割合」は12.4%)です。

私は時々、女性管理職として活躍をされている方々の話を聴く機会がありますが、自ら管理職を志望して職位に就いた人は1割ほどで、それ以外は管理職になることを躊躇したものの、推薦や人事によってなったという人の方が圧倒的に多いと感じています。これらを踏まえると、多くの女性は管理職というポジションに対して、敷居の高さを感じてしまっているのではないかと思っています。

その理由としては、女性管理職として活躍しているロールモデルの数が圧倒的に少ないことがあるのではないかと考えていますが、それに加え男性の側にも女性管理職を受け入れる意識が醸成されていないことも大きいのではないかと思っています。現にある女性管理職から聞いた話では、管理職になった後に一部の男性社員から無視をされたり、意地悪をされたりするなど困った経験があるとのことでした。冒頭で紹介した女性管理職も、こうしたことが壁になっていたのかもしれません。

一方で、管理職になったがゆえのプラスの声もたくさん聴きます。具体的には管理職になって組織全体を俯瞰して見られるようになったという感想は多くの人が口にします。これは上のポジションに就いたからこそ得られた経験によるものだと思います。

それでは、今後女性管理職を増やしていくためにはどのようにすればよいのでしょうか。これまで様々な女性社員の声を聴いてきて私が強く思うのは、女性だけに意識変革を求めるのではなく、男性社員にも意識を変えてもらうために様々な場面で積極的に働きかけていくこと。それを少しずつであっても、根気強く進めていくことが何より大切ではないかと感じています。

日本において女性管理職がなかなか増えないのは、これまで長い時間の中で培われてきた日本の文化や風土といったものも影響しているはずです。だからこそ、焦らず、諦めず、女性にも男性にも意識変革を求め続けることが大切だと改めて思うのです。

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