昼過ぎにDAIHATSUカーラジオの性能を試すべく、白石峠に向かう。
MapFanで最短ルートを計算させ、さらに細い道で3Kmダイエットしたルートをとった。
当然道中はAFNを聞きながら走ったのだが、メリット5で聞こえる。ただ、都幾川の山間部に入るとパルスノイズに抑圧されて聞こえなくなり、NHK第一に切り替えた。しかし峠への最終岐路に着く前にNHKも怪しくなった。
そしていざ白石峠に臨むその瞬間、警備員が目に入る。なんと峠手前で工事中のために迂回しろと言う。仕方なしに岐路へ入らず直進し、大野峠を目指す。この舗装工事は年度いっぱい続くようだ。
気温は5℃を下回っていた。
地上1mで3℃だと地表は0℃になるという法則があるので、所々ある路面の染みが濡れているのか、凍っているのか怪しくなってきた。路肩には先日の雪が残っている。
雪道には慣れているつもりだが、タイトコーナーが続く林道である。スロットルは自然に絞り気味となる。
そして完全な凍結はなく無事に大野峠に到着。
しかし、そこで目に入った物は…
なんとバリバリに凍った奥武蔵1号!ちょっと背筋に冷たい物が走った。
しかしあと少しで白石峠だし、白石峠方面はドライなので進んだ。
白石峠ではまたもや警備員がいた。
「天文台にはいけるのか?」と聞くと大丈夫だという。その言葉を信じて突き進む。
しかし…
こうなって…
こうなった。
この後は10m以上に渡り路面全てを覆い尽くす「ミラーバーン」が待っていた!
(あまりの衝撃に写真なし)
圧雪や新雪がそのまま凍った道ならば進める。しかし、スタッドレスで磨かれたミラーバーンは無理だ。初デートで彼女の手を触るぐらい微妙なタッチでフロントブレーキをかける。
すると……「ズルッ!」
慌てて足を突くと…「ツルッ!」
前輪が滑る。立つのも怪しい。
悪寒を通り越して前身に久しぶりに熱い物がこみ上げてきた。
「転ける」…「回る」…「立て直せない」…
動けないのだ。
道路の真ん中で凝固する猫状態。
初めて彼らの気持ちがわかった。
脳みそがcore dumpしてhaltした。
Loに入れたままエンジンを切る。
後輪はまだグリップしている。
クラッチでブレーキをかけながら、袋を被った猫のように後ずさりするしかないのである。
その時無情にも後方からエンジン音が!
1.5車線の林道にミラーバーン養成ギプスたるワンボックスが近づいてきた。
なんとかサイドスタンドをかけ、バイクを降りてやり過ごす。
跨ったままだと微妙な重心の移動で転けそうなのだ。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせ、今来た道を歩いて戻ってみる。
10mも戻れば切り返しができそうだ。
また袋猫になってバックする。
この緊張感は映画「MATRIX」で配管スペースを慎重に下りるネオ達一行と同じだろう。
すると今度は違う車が天文台方面から下りてくる!
また降りてやり過ごす。
続けてセローが下りてきた。
唖然とした…
このミラーバーンを良く下る気になるな、と思いつつ、この状況では軽量なバイクの方が、俄然有利だと思い知らされる。いや、その前にタイヤが減ってるんだよ、我がトランザルプは。
圧倒的(に不利)じゃないか、我がバイクは!
袋猫で恐る恐る下るっていると、今度は前輪も後輪もずるずる滑り出した。
わずかに路面が露出している轍を歩んでいるはずが、踏み外していたのだ!
このままでは「中洲でキャンプしていたら洪水になっちゃった」ぐらい悲惨な結末が待っている。
幸いにも横に引っ張ると簡単に轍まで滑ってくれたので、降りてバックした。…この方が早いじゃん。路肩にはスリップ防止用なのか、木の実?か何かが巻いてあるので、凍結していても靴はグリップする。
ガスが原始惑星を形作るほどの時間が流れた。
なんとか安全地帯にたどり着き、無事切り返し成功。
そしてエンジンをかけずに、下りた。
右側(崖と反対側)を逆走しているが、許してくれ。
滑って落ちたら洒落にならん。
幸い対向車も現れず、白石峠にたどり着いた。
疲れたわけでもないのに息が上がっている。
口の中が酸っぱくなって、喉がからからだ。
白石峠から伸びる未舗装林道にはこの通り、数cmの残雪が。
この状態ならミラーバーンよりは遙に楽に走れるのだが…
コーヒーを飲み一服する。
警備員の「大丈夫」とは「規制はしていない」という意味に過ぎなかったし、「車が入っていくから問題ない」ということだったようだ。
タバコを吸ったらようやく落ち着いた。
どうやって帰ろうか?
来た道を引き返すのも芸がないので定峰峠を回るか。
でも二の轍を踏むのも嫌なので、斥候を出す。
……だめだ。アイスバーンっぽい。
この先、定峰峠までは今走った道ほど高低差はないのだが、さっきから車の往来がある。
仕方なしに来た道を戻る。
トホホである。
おそらく気合いで乗り切れただろうミラーバーン。
しかし、上れても下れなかっただろう。
遺恨を残す結果となったが、ハンドルを曲げてカウルを割る覚悟はなかったので、これで良かったのだ。
明日はまた雪だという。
ミラーバーンに積もった雪は格別だ。
今年度いっぱいはグリーンライン系統は無理かも。
結局80Kmも走って前身の毛穴を開いただけで帰還。
針金ハンガーアンテナの試験はこないだと同じ入間川特設試験場で行った。
違ったのはかぶりを除いて、ほぼ全ての周波数で放送が受信出来たという、結果だけだった。
まぁ、こないだとは時間が1時間以上違うんだけどね。
CE規格プロテクターの強度試験はせずに済んだ。
それだけで良かったのだ、きっと。
MapFanで最短ルートを計算させ、さらに細い道で3Kmダイエットしたルートをとった。
当然道中はAFNを聞きながら走ったのだが、メリット5で聞こえる。ただ、都幾川の山間部に入るとパルスノイズに抑圧されて聞こえなくなり、NHK第一に切り替えた。しかし峠への最終岐路に着く前にNHKも怪しくなった。
そしていざ白石峠に臨むその瞬間、警備員が目に入る。なんと峠手前で工事中のために迂回しろと言う。仕方なしに岐路へ入らず直進し、大野峠を目指す。この舗装工事は年度いっぱい続くようだ。
気温は5℃を下回っていた。
地上1mで3℃だと地表は0℃になるという法則があるので、所々ある路面の染みが濡れているのか、凍っているのか怪しくなってきた。路肩には先日の雪が残っている。
雪道には慣れているつもりだが、タイトコーナーが続く林道である。スロットルは自然に絞り気味となる。
そして完全な凍結はなく無事に大野峠に到着。
しかし、そこで目に入った物は…
なんとバリバリに凍った奥武蔵1号!ちょっと背筋に冷たい物が走った。
しかしあと少しで白石峠だし、白石峠方面はドライなので進んだ。
白石峠ではまたもや警備員がいた。
「天文台にはいけるのか?」と聞くと大丈夫だという。その言葉を信じて突き進む。
しかし…
こうなって…
こうなった。
この後は10m以上に渡り路面全てを覆い尽くす「ミラーバーン」が待っていた!
(あまりの衝撃に写真なし)
圧雪や新雪がそのまま凍った道ならば進める。しかし、スタッドレスで磨かれたミラーバーンは無理だ。初デートで彼女の手を触るぐらい微妙なタッチでフロントブレーキをかける。
すると……「ズルッ!」
慌てて足を突くと…「ツルッ!」
前輪が滑る。立つのも怪しい。
悪寒を通り越して前身に久しぶりに熱い物がこみ上げてきた。
「転ける」…「回る」…「立て直せない」…
動けないのだ。
道路の真ん中で凝固する猫状態。
初めて彼らの気持ちがわかった。
脳みそがcore dumpしてhaltした。
Loに入れたままエンジンを切る。
後輪はまだグリップしている。
クラッチでブレーキをかけながら、袋を被った猫のように後ずさりするしかないのである。
その時無情にも後方からエンジン音が!
1.5車線の林道にミラーバーン養成ギプスたるワンボックスが近づいてきた。
なんとかサイドスタンドをかけ、バイクを降りてやり過ごす。
跨ったままだと微妙な重心の移動で転けそうなのだ。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせ、今来た道を歩いて戻ってみる。
10mも戻れば切り返しができそうだ。
また袋猫になってバックする。
この緊張感は映画「MATRIX」で配管スペースを慎重に下りるネオ達一行と同じだろう。
すると今度は違う車が天文台方面から下りてくる!
また降りてやり過ごす。
続けてセローが下りてきた。
唖然とした…
このミラーバーンを良く下る気になるな、と思いつつ、この状況では軽量なバイクの方が、俄然有利だと思い知らされる。いや、その前にタイヤが減ってるんだよ、我がトランザルプは。
圧倒的(に不利)じゃないか、我がバイクは!
袋猫で恐る恐る下るっていると、今度は前輪も後輪もずるずる滑り出した。
わずかに路面が露出している轍を歩んでいるはずが、踏み外していたのだ!
このままでは「中洲でキャンプしていたら洪水になっちゃった」ぐらい悲惨な結末が待っている。
幸いにも横に引っ張ると簡単に轍まで滑ってくれたので、降りてバックした。…この方が早いじゃん。路肩にはスリップ防止用なのか、木の実?か何かが巻いてあるので、凍結していても靴はグリップする。
ガスが原始惑星を形作るほどの時間が流れた。
なんとか安全地帯にたどり着き、無事切り返し成功。
そしてエンジンをかけずに、下りた。
右側(崖と反対側)を逆走しているが、許してくれ。
滑って落ちたら洒落にならん。
幸い対向車も現れず、白石峠にたどり着いた。
疲れたわけでもないのに息が上がっている。
口の中が酸っぱくなって、喉がからからだ。
白石峠から伸びる未舗装林道にはこの通り、数cmの残雪が。
この状態ならミラーバーンよりは遙に楽に走れるのだが…
コーヒーを飲み一服する。
警備員の「大丈夫」とは「規制はしていない」という意味に過ぎなかったし、「車が入っていくから問題ない」ということだったようだ。
タバコを吸ったらようやく落ち着いた。
どうやって帰ろうか?
来た道を引き返すのも芸がないので定峰峠を回るか。
でも二の轍を踏むのも嫌なので、斥候を出す。
……だめだ。アイスバーンっぽい。
この先、定峰峠までは今走った道ほど高低差はないのだが、さっきから車の往来がある。
仕方なしに来た道を戻る。
トホホである。
おそらく気合いで乗り切れただろうミラーバーン。
しかし、上れても下れなかっただろう。
遺恨を残す結果となったが、ハンドルを曲げてカウルを割る覚悟はなかったので、これで良かったのだ。
明日はまた雪だという。
ミラーバーンに積もった雪は格別だ。
今年度いっぱいはグリーンライン系統は無理かも。
結局80Kmも走って前身の毛穴を開いただけで帰還。
針金ハンガーアンテナの試験はこないだと同じ入間川特設試験場で行った。
違ったのはかぶりを除いて、ほぼ全ての周波数で放送が受信出来たという、結果だけだった。
まぁ、こないだとは時間が1時間以上違うんだけどね。
CE規格プロテクターの強度試験はせずに済んだ。
それだけで良かったのだ、きっと。