「アイヌ決議、来週中に」 大島国対委員長が講演で
ウタリ協会がアイヌ協会に戻るなど、
旧土人保護法廃止以後、民族運動が一定の盛り上がりを見せている。
この旧土人保護法は1899年に施行され、1997年に廃止された、100年近くの歴史を持つ法律だ。戦後半世紀経ってようやく廃止となった。
その性格はアメリカ「インディアン」に対する施策に似ている。
ちなみに土人とは土着人の意味であり、元来区別用語であって差別用語ではない。北海道に入植した和人は新土人であり、元々の土人であったアイヌを旧土人と呼んだ。
問題は施策の内容である。
世の中には文字を持たない文化というのはいくらでもあるわけだが、文字の読み書きが出来ない=遅れた民族・文化などと見なすエスノセントリズムや、新土人の都合の良い土地政策など、医療や教育を支援しつつ土地を奪い、文化を奪い、大和への同化政策を進めたわけだ。
ともあれ、北海道の先住民であり、日本の先住民の直接の系譜であり、北海道では明治以前まで一つの国(国家とは違う)を作っていたのですから、アイヌを先住民として認めないのは、
アダムスキーが水星人と会見したと言うくらい無理があります。むしろ大和が北海道を侵攻した歴史を見るべきです。
アイヌ新法以後、世界的には先住民族の権利を認めるべきであるというのが大きな流れです。日本もアイヌなど先住民族として認め、尊重すべきであると迫られているわけですが、政府はなかなか民族として認めようとしない。
なんか資源とか土地とかの絡みで認めたくないんだろう?という話もちらほら。アメリカ「インディアン」なんかは地下資源が見つかると、居留地が縮小・移動させられた、なんて話もあるようで。
なかなか汚いやり口ですな。
ちなみに最近の遺伝子的な研究によると、琉球・大和・アイヌは北アジアの血をひく近縁だという。アイヌはアーリアンだから日本人もドイツの仲間、というナチス的な宣伝は否定されている。遺伝的な要素で民族を分化するほどの違いはないという事です。
弥生文化の影響が少なく、縄文系文化の直接の継承者という感じなのがアイヌらしい(こういうとき文字がないと客観的な記録が無くて検証しにくいのですが…)。
大和の地名や語彙にはアイヌ由来のものがたくさんあるし、大和の土着信仰であるアニミズムはアイヌの信仰に近い。そういう意味からもいがみ合ったり差別すべき存在ではないし、先住民としての証拠でもあるだろう。
ここでさらに戦闘機一機買う分の予算をアイヌのために使うだけで、大きな進展になるんじゃないの?