【岩手・宮城内陸地震】「趣味の無線に救われた」取り残された男性を救出
『小野さんは当日、近くの温泉に家族4人で向かっていた。地震発生直後、道路に亀裂が走り車の走行ができない状況に。周囲では48人が同じように行き場を失っていた。携帯電話はつながらず救助を求めることもできなかった。
そこで小野さんは「市役所や警察に連絡取れる方いませんか」と無線で呼びかけた。直後に一関市在住の男性と交信することができ、警察に直接出向いてもらって現地の状況を詳細に伝えることができた。交信は約20回続けられた。「外部と連絡が取れたことが何よりだった」。周りにいた人も落ち着き、混乱はなかったという。』
阪神大震災で一躍脚光を浴びた携帯電話ですが、現在は利用者の増加で災害時には輻輳が発生、通話制限される上、基地局が被害を受ければ使えなくなります。
これら携帯電話の脆弱性は中越地震で浮き彫りにされ、中越沖地震では通話制限/メール優先という対処法が生まれた。
しかしそもそもサービス圏外だったりすると携帯は使えないし、基地局が被災した場合も携帯電話は使えない。
その点、電源(とアンテナ)さえ確保出来れば通信可能なアマチュア無線は基地局が要らないし、通話品質を気にしなければ、厳しい条件でも使い物になる。
48人の救助を促したHAMがどの周波数帯で運用したのか、設備はどの程度だったのか、非常通信を行ったのか通常の交信の域を出なかったのかは明かではないが、ともかく回線は確保出来たわけだ。
この交信により救助が早まり、取り残された人々には安心感を与える事が出来た。素晴らしい事だ。
ところで、某掲示板でも話題に上っていたが、
非常時に無免許でアマチュア無線を運用して良いわけではない。
おそらく-文句をいう人は出てくるだろうが-
罰せられないだろう、というだけの事だ。
確実な交信を行うためには、法律や規則などソフトウェアの知識が必要であり、当然ながらハードウェアの知識が必要になる。そして何より運用の経験が物を言う。ソフトウェアとハードウェアの知識の証が従事者免許であり、局免許といえる。
闇雲に電波を出しても通信できるものではないし、非常通信は厳密に運用条件が定められている。無免許で、ルールを無視して運用すればお縄になるのだ。