話好きの義父は、よく昔の話をしてくれる。
高校生の頃、学校まで通うのに電車を使っていたこと。
毎日同じルートではつまらないから、遠回りするものも含めて3ルートを気分によって使い分けていたこと。
中でも沿線上に女子高がたくさんあるルートを好んで使っていたこと。
その好んで使っていたルートが一番混雑していたこと。
別の人からこんな話を聞くと、「何言ってんだこのおじさん」と思ってしまいそうであるが、義父はなんだか許せてしまう。
贔屓目に見ているということではなく、義父のキャラクターが良いせいだと思う。
どこかトボけていて、憎めない人だ。
私も電車通勤をしている。
4月から本社勤務となり、下り線ながらそれなりに混み合った電車に毎日乗っている。
もともと人間観察をするのは好きだが、義父の通学電車の話を聞いてからは、通勤中、同じ車両に乗り合わせた人たちをよりよく観察するようになった。
ほとんどの人が携帯を操作したり、音楽を聴いていたり、眠っていたりする。
あまり気持ちの良くない人も必ず見かける。
混み合っているにも関わらず、大股を開いて1.5人分のスペースを陣取って座っている人。
変な表情を公に晒しながら化粧をする人。
妊婦さんマークのついたバックを持った人が前に立っても知らんぷりをして座り続ける人。
狭いからしょうがない。寝坊してしまったからしょうがない。疲れているからしょうがない。
と、周りの人のことなど考えず、自分なりの理由をつけてそうやって乗っているように見える。
そんな人たちでも、蓋を開けてみると、妊婦さんに席を譲ってあげることもできない程、具合が悪くて座っている人かもしれないし、普段は絶対に電車の中で化粧することはないが、その日は大事なオーディションの日で、前日寝付けなかった結果、寝坊していまい、どうしても仕方なく化粧をしている人なのかもしれない。
なんて妄想をしているとすぐに降りる駅へと到着する。
電車を降りてからも一苦労である。
我先にと強引に進む人なんかと押し合いへし合いながら、やっとの思いで改札へと続く狭い階段を上る。
そこには、押し合いへし合いながらタイタニック号に乗り込もうとしている時のジャックのように希望に満ちた表情をしている人はまずいない。
なんだかなーと思い、義父に聞いてみた。
いくら女子高生がたくさん乗ってきても、混んでる電車で通学するのは嫌ではなかったのですかと。
答えは次のようだった。
「全然嫌じゃなかったよ。
きれいな人が隣に来た時はうれしかったし、昔は座っている人が立っている人のカバンを膝に載せてあげるという習慣があったんだよ。
女性が座っていても、男性が座っていても、必ず前に立った人の荷物を持ってあげるんだよ。
そのうち、また同じ電車になりましたねなんて会話を交わす顔見知りも増えてきて、楽しかったよ。」
妙にほっこりした気分になったのは、義父のキャラクターのせいだけではないだろう。
古き良き日本の慣習。
今度、電車で座る機会があったら、前に立つ人に勇気を出して行ってみようかな。
「よかったら、かばん持ちましょうか」と。
変な人だと思われそうだけど(笑)
(ゆ)
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横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
高校生の頃、学校まで通うのに電車を使っていたこと。
毎日同じルートではつまらないから、遠回りするものも含めて3ルートを気分によって使い分けていたこと。
中でも沿線上に女子高がたくさんあるルートを好んで使っていたこと。
その好んで使っていたルートが一番混雑していたこと。
別の人からこんな話を聞くと、「何言ってんだこのおじさん」と思ってしまいそうであるが、義父はなんだか許せてしまう。
贔屓目に見ているということではなく、義父のキャラクターが良いせいだと思う。
どこかトボけていて、憎めない人だ。
私も電車通勤をしている。
4月から本社勤務となり、下り線ながらそれなりに混み合った電車に毎日乗っている。
もともと人間観察をするのは好きだが、義父の通学電車の話を聞いてからは、通勤中、同じ車両に乗り合わせた人たちをよりよく観察するようになった。
ほとんどの人が携帯を操作したり、音楽を聴いていたり、眠っていたりする。
あまり気持ちの良くない人も必ず見かける。
混み合っているにも関わらず、大股を開いて1.5人分のスペースを陣取って座っている人。
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妊婦さんマークのついたバックを持った人が前に立っても知らんぷりをして座り続ける人。
狭いからしょうがない。寝坊してしまったからしょうがない。疲れているからしょうがない。
と、周りの人のことなど考えず、自分なりの理由をつけてそうやって乗っているように見える。
そんな人たちでも、蓋を開けてみると、妊婦さんに席を譲ってあげることもできない程、具合が悪くて座っている人かもしれないし、普段は絶対に電車の中で化粧することはないが、その日は大事なオーディションの日で、前日寝付けなかった結果、寝坊していまい、どうしても仕方なく化粧をしている人なのかもしれない。
なんて妄想をしているとすぐに降りる駅へと到着する。
電車を降りてからも一苦労である。
我先にと強引に進む人なんかと押し合いへし合いながら、やっとの思いで改札へと続く狭い階段を上る。
そこには、押し合いへし合いながらタイタニック号に乗り込もうとしている時のジャックのように希望に満ちた表情をしている人はまずいない。
なんだかなーと思い、義父に聞いてみた。
いくら女子高生がたくさん乗ってきても、混んでる電車で通学するのは嫌ではなかったのですかと。
答えは次のようだった。
「全然嫌じゃなかったよ。
きれいな人が隣に来た時はうれしかったし、昔は座っている人が立っている人のカバンを膝に載せてあげるという習慣があったんだよ。
女性が座っていても、男性が座っていても、必ず前に立った人の荷物を持ってあげるんだよ。
そのうち、また同じ電車になりましたねなんて会話を交わす顔見知りも増えてきて、楽しかったよ。」
妙にほっこりした気分になったのは、義父のキャラクターのせいだけではないだろう。
古き良き日本の慣習。
今度、電車で座る機会があったら、前に立つ人に勇気を出して行ってみようかな。
「よかったら、かばん持ちましょうか」と。
変な人だと思われそうだけど(笑)
(ゆ)
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「できたらいいな」を「できる」に
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