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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

地雷

2011-06-27 08:53:09 | 日記
 「地雷原を綿畑に!」という面白い名前のNPOの存在を知ったのは、4月16日毎日新聞に「カンボジアの地雷原の村から義援金が届いた」という記事が載ったことが発端だった。「義援金は、綿製品作りにかかわる約30人の工賃や染め賃1カ月分など計8万円。カンボジアの貧しい地域の1家族の年収約7万円を超える額だ」という記事が心に残った。苦しい生活をさらに切り詰めて年収を超える額の寄付を贈ろうとする善意と勇気に心打たれた。その後4月30日には朝日新聞にカンボジア現地の方々の笑顔の写真が載った。朝日新聞には「私たちは同じ人間。私たちもポル・ポト時代に苦しんだ」という地震発生わずか2日後に届いた彼らのメッセージが紹介されていた。
 
 この方々がここまで恩返ししたい気持ちになったのはそれなりに訳がある。彼らに綿づくりを勧め、技術を習得してもらって、綿を紡ぎ衣類や生活小物として売り出す支援を辛抱強く継続してきた方々が日本にいたからだ。その団体の名前が「地雷原を綿畑に!」というものだった。
 
 隣のベトナムで長く戦争があり、独裁政権が生まれ、内戦が起き、国土にはアメリカ空軍が撒き散らした爆弾と地雷、逃走する部隊が仕掛けた地雷が至る所に残っている。未だに500万個は残っているだろうと言う。
 地雷は当初、戦車を効果的に戦闘不能にする兵器として開発された。戦車相手のものだけに破壊力は強烈だ。農業用トラクターや軽トラックみたいなもので乗り上げたら、乗っている人も車もひとたまりもない。これに対し、人を殺傷することを目的に作られた地雷、対人地雷がある。これは主に進撃してくる部隊の進行を遅くする事を目的に作られたものであるため、踏みつけた人の足を引きちぎったり、覆いかぶさった人の腕や顔を一瞬でどこかに飛ばしてしまう以外は、なるべく即死させないように考えられている。仲間の兵が足や腕や顔を失い、血みどろになって苦しんでいる姿をそのままにして追撃できる兵はいないだろうと作られたのだ。ひとり犠牲にすれば2人の兵が救命にあたるだろうから結果として3人の戦闘力を削ぐことになる。アメリカが空からばら撒き、ポル・ポト派が逃走時に敷設した地雷の多くはこのタイプの地雷だ。今でも数百円出せば1個買えるらしいので、内戦をしている各地の武装勢力は簡単に手に入れ簡単にどこにでも敷設する。
 
 戦争が終わった後、これらの地雷で犠牲になるのは、この世にそんな恐ろしい物が存在していることなど考えたこともない無垢な子供たちと、家族のために少しでも多くの農地を開墾しなければとたまたま注意散漫になってしまった責任感ある若者たちだ。ピースボートというNGOのページを見ると、22分に1人が地雷の被害に遭っていると書かれている。
 
 地雷で左足を失った夫と右足を失った妻。そんな二人を中心に綿の作り方、綿の紡ぎ方を研修し、仲間を増やし、畑を増やし、創り上げる製品を増やし、販売のルートを作る支援をし、自分たちで生きて行ける自信を持ってもらうためのありとあらゆる心遣いをしている方々が日本にもカンボジアにも、いる。そういう人達がいてくれるだけで、この世界はまだ捨てたものではないと思えて来る。
 この「地雷原を綿畑に!」のURLはhttp://naturesavescambodia.org/main_ja.html
 
 トップページにはカンボジアの野原を思い切り走っている子供たちの姿が写った写真が使われている。地雷の大地で、この写真が撮影できた時の嬉しさを想像すると涙が出る。(三)
 
 
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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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