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Pop up!(3)

 8日(日)に妻が今年最後のSMAPコンサートのため、東京に出かけた。9日がコンサートの最終日であったが、その日に泊まってくるとなると火曜日に息子の世話が出来なくなるからその日は観に行かないと早くから宣言していた。まあ、受験生の母としては当然と言えば当然だろうが、スマヲタとしてはなかなかの英断であると思ってしまう私は、かなり妻に毒されているのだろうか。
 もうコンサートの様子を聞く気もしないから、月曜に帰ってきた妻に何もたずねなかったが、顔を見たのが9時半頃で、「ちょうどシャンパンでお祝いしている頃だよ」と遠い目をして呟いたのが未練を表していた。「無理せずに見てくればよかったのに」と言ってはみたものの、二晩も家を空けられたらさすがに私も困ってしまう。日曜は昼食と夕食の用意をあれこれしてから出て行ったが、それを何度も温めなおして食べているうちに飽きてしまって、もうこれ以上同じ物を食べたくないなと思い始めていたから。レトルト食品もいくつか置いてあったが、それを温めなおすのも面倒な気がしたのがいけないのだろうが、普段やり慣れないことをするのはなかなか大変だ。食べ終わって食器もちゃんと洗っておいたし、お風呂掃除もしておいたから、自分としては十分働いたつもりなのだけど・・・
 月曜の夜には、SMAPのメンバーが出演した「古畑任三郎」が再放送されていた。11時過ぎから最後の場面を見ただけだが、少し若いメンバーの顔を見るのは面白かった。妻に後で聞いた話によれば、この話は三谷幸喜がSMAPのメンバーを見ているうちに「きっと本来はこういうキャラクターの持ち主なんだろうな」という想像の基に、メンバー一人一人の台詞や役柄を決めたのだそうだ。その当時は彼らのことをドラマに描かれたように見ていたのは、一部のコアなスマヲタさんたちだけだったから、三谷の観察眼の鋭さに驚いたと妻は言っていた。私がドラマを見た感想をあれこれ言ったところ、「木村さんはああいう人なの、普段から」とか、「仲居くんはあのままだよ」とか、まるで実際の彼らを知っているかのように話すのには笑ってしまったが、三谷には一目置いているような口ぶりだった。このドラマの後で、香取慎吾が「新撰組!」をはじめ、三谷の番組に出演することが多くなったということも教えてくれた。
 しかし、火曜の朝に妻がふっと漏らした「終わっちゃった」という言葉が私の胸に響いた。普段だったら、「何言ってるんだ」と揶揄したかもしれないが、私自身もヤンキースが敗退してしまった喪失感がまだ残っていたので、思わずしみじみと繰り返してしまった。「終わっちゃった、か・・」あっけない幕切れだっただけに私としては、不完全燃焼な気がどうしてもしてしまう。などと思っているうちにはっと気がついた。「まだ藤原竜也の舞台があるだろ」と言った私の言葉に妻は、「そうだけど、わーっと盛り上がれるのはやっぱりライブが最高だよ」と答えた。確かにそうかもしれないけど、それでもまだ楽しみが残っているならいいじゃないか、と言いたい気もしたけれど、ぐっとこらえた。そういつまでも愚痴っていても仕方ない、何か代わりなるものを私も見つけたほうがいいのだろう。
 でも、よく考えたら年内に妻が遠征することはもうない。藤原竜也の舞台は名古屋で最後だそうだから、もう泊まりで出かけることはないようだ。ということは、最近は少し楽しみになっていたお土産が買って来てもらえないということだ。ちなみに今回は、東京駅の大丸の「銀のぶどう」という和洋菓子店で買ってきたというどらやき「正彦作」と銀ぶのプリンが私へのお土産だった。

 

どらやきはなんだか変わった味がして、本来のどらやきとはまったく感じが違った。おいしいとは思わなかったし、また食べたいとは思わなかった。プリンはまあ普通くらいの味でこれならまた食べてもいいかなと思った。
 こうしたものがしばらく買って来てもらえなくなるのは、甘い物好きの私にはやっぱり寂しい。SMAPも1年中コンサートをやっていればいいのに。

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