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サンタのおじおばさん

 金曜日、高校生の問題集と双子の甥と姪たちへのクリスマスプレゼントを買うために、名古屋に出かけた。センター対策用の問題集は地元の書店では売っていないため、冬休みが間近になると名古屋の大型書店まで出向くのが年末の恒例となっている。途中コンビニに寄ったりしながら、ゆっくりと運転していった。交差点で信号待ちをしていると、「桜!!」と妻が叫んだ。「どこ?」「あそこ」と指差す方を見ると本当に桜が咲いている。このところ暖かいから桜が勘違いをしたのだろうか・・、なんとも不思議な光景だった。すぐに信号が変わってしまったので、写真に収めることはできなかったが、いくらなんでも季節外れだろう。
 そんな能天気な桜とは裏腹に、今愛知県では「トヨタショック」という嵐が吹き荒れている、と新聞などで連日報道されている。
「トヨタ自動車は、2009年3月期の業績予想を売上高は前期比12.5%減の23兆円、営業利益は73.6%減の6000億円と大幅に下方修正するとともに、3000人規模のリストラ策を発表した」
 米国発の金融危機に伴う世界的な消費低迷や急激な円高が原因だと言われているが、トヨタの業績がこれほどまでに悪化すれば、愛知県の元気が一気にしぼむのも当然だろう。書店で問題集を買った後で行った松坂屋の駐車場がいつになくガランとしているのを見て、「本当に景気が悪いんだ・・」と実感した。いつもなら所狭しと置いてある外車の姿もあまり見当たらず、お歳暮商戦で毎年混み合っている松坂屋の面影はどこにもない。何だか寂しい気がして、いつもは買い物にやって来ると感じるワクワク感が心に湧き起こってこない・・。
 店内に入っても、例年のような賑わいはない。心なしか、店員さんたちの顔も元気がないように見える。「なんだかなあ・・」しかし、そうは言っても甥っ子たちにクリスマスプレゼントくらいしなくちゃ伯父としての沽券にかかわる。少し抑え目にして、何か子供たちが喜ぶものはないか、と子供フロアーをあちこち探してみた。すると、子供たちによくプレゼントするCastel Bajac の店に可愛いキャップが置いてあるのを見付けた。「これはあーちゃんに似合いそうだね」と言う妻の言葉に促されて手に取ってみると、なかなか格好いい。「あの子なら赤がいいな」と鶴の一声。「じゃあ、ひまちゃんにはこれかな」と迷うことなく姪にはニット帽を選んだ。自分で被ってみて、「これはいい」などとご満悦なのは、先日ひまちゃんが初めて懐いてくれたからなのだろう。「下の子はリュックでいいね」とあっという間に3人分が決まってしまった。

  

 これらを全部一箱に入れてもらったら、素敵なプレゼントになった。


 これだけ不況、不況と言われると、ついつい心が重くなってしまうし、お金を使うことが怖くなる。このプレゼントも例年よりは少しばかり節約したものになった。しかし、プレゼントは金額じゃない、心なんだ、とその夜に弟からかかってきた電話で教えてもらった。弟によれば、甥も姪もプレゼントの箱を開けるなり、帽子に大喜びして、予防接種に行った病院までそのまま被っていったそうだし、弟が仕事から帰ってきた時もまだ被っていたそうだ。その話を妻から聞いた時、本当に嬉しかった。
 「小さいくせに私たちの気持ちをきちんと受け止められるこの二人はなかなか偉いぞ!」などと妻と二人で妙に感心しあったのは、おじばか・おばばかなんだろうな、やっぱり・・

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