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都の西北

息子のアパートに着いたのは1時過ぎ、部屋に入ったらひんやりした空気が出迎えてくれた。
「ああ、疲れた・・」
としばらく寝転んでいたら、妻が
「ビールあるよ」
と勧めるものだから、ついつい飲んでしまった。もう少し我慢しようかなと思っていたのに・・。だが、それで元気は回復した、というかいつものようにカラ元気が出てきた。
「よし!ごはんでも食べに行くか」
と息子の部屋が案外片づいていて、小奇麗に住みなしていることに安堵した私は、急激に空腹を感じたのだった。
「じゃあ、もうここには戻ってこなくていいでしょ」
と妻の一声で出かけることになった。息子の部屋に30分もいなかったような・・。
 
 駅前の定食屋に入ってみたところ、案外店の中は洒落ていていい雰囲気だった。私の昼食は生ビールとおつまみを数品。生ビールはやはりうまい!!ついつい調子に乗って3杯飲んだらかなりいい気持になった。
「じゃあ、後は大学だね」
と、息子は自転車に乗って先に行ってしまったので、私と妻は電車で高田馬場に向かった。そこからはバスに乗るのも面倒なのでタクシーに乗ったのだが、早稲田に行くのは30年以上ぶりだ。自分が受験した時は、車の排気ガスでやたら空気が悪い印象しか残っていなかったが、大隈講堂の前で車を降りた時は、爽やかな空気が満ちているような気がした。おお!早稲田・・。

 

 大隈講堂と大隈翁の銅像を拝めれば十分だが、さすがにそれでは付き合ってくれている息子に申し訳ない。
「お前の学部はどこにあるんだ?」
さすがに夏休みだけあって、見学者も多かったので、私のようなおのぼりさんでもさほど恥ずかしくはなかった。
「あそこだよ!」
と息子が指さしたのは、立派なビル!!これが大学か?と驚くような威容である。

 

 立派だとは聞いていたが、実際に目にすると息を呑んでしまった・・。
 さすが早稲田!と何ともまぁ、アホな感想しか持てなかった私ではあるが、こんなところで毎日頑張って来たんだと、息子のことが誇らしく思えた親バカでもあった・・。

 やはり大学のキャンパスは広い。歩き疲れた私にちょうどいい場所があった。早稲田グッズショップとカフェテリアが一緒になったような店。早速「早稲田地ビール」とやらを飲んでみた。


 黒ビールのような味がして私としては美味しくなかったが、妻は気に入ったようだ。私はビールは諦め、少しばかりグッズを買ってみた。


 酔いに任せて考えなしに買ったものだから、どうしたらよいのかよく分からない。まあ、塾生に分ければ喜んでくれるだろうが・・。
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