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ガス欠

 8月の第1週も無事終わった、とは素直に言いきれないようなことが週の初めに起こった・・。
 月曜日、6時半に授業が終わって生徒の送迎をしようと階段を下りて行ったら、アルバイトの学生が「ガソリンがヤバいんだけど・・」と言いに来た。「メーターがEのはるか下になっていて、エンジンをかけてもうまく吹きあがってこない・・」「そうか、それなら先ずガソリンスタンドに寄って、ガソリンを入れてから迎えに行ってくれ」と指示した。塾からすぐ近くのスタンドなのでさほど回り道もしないで済むだろうと思った。いつもはセルフのスタンドで給油しているのだが、緊急の場合には近くのスタンドを利用しているので、私としてはいつも通りの指示であるつもりだった。しかし・・。
 塾を出て学生が運転するバスの後ろに付いて行ったところ、国道に出る所で前のバスが止まってしまった。「えっ?もしかして・・」と思って、窓を開けたら、学生も窓を開けてこちらに向かってバツ印を送ってきた。「わあ!ガス欠か!!」とバスから飛び降りた。学生は何度もキーを回しているが、ウンともスンとも言わない。「完全にガソリンがない」そう言いながらも笑いだしそうな顔をしている。しかし、私はもうパニック状態で、とりあえずバスの中の生徒たちに「少し待ってて」と言い置いてから、国道を渡ったすぐのところにあるスタンドまで走っていった。

 


 「すみません、あのバスがガス欠で動かなくなっちゃったもんですから、ガソリンをバスの所まで持っていってもらえますか」と息せききって頼んだ。すると、学生アルバイトらしき若い子が「僕ではちょっと分からないもんですから・・。ちょっと待って下さい」と、もう一人の年長の店員を呼びに行ってくれた。しかし、あいにくその店員は接客中で、あれこれ忙しそうに動き回っていて、なかなか私の所に来てくれなかった。私は、狭い道路の後ろから車がきたらどうしよう、と気にかかって仕方なく、だんだんイライラしてきた。しかし、まずは子供たちに事情を説明せねば、とバスの所に戻っていって、「もう少し待ってね」と二台のバスに乗っている生徒に状況を説明した。だが、送っていく生徒だけでなく、バスを待っている生徒もいるわけで、時間がかかればかかるほど彼らを待たせることになる。う~~~ん、早くしてくれないかな!!スタンドに走って戻ったときは、もうイライラが頂点に達しかけていた・・。「早くしてくれ!!」と怒鳴りそうになった時、やっと店員が私の所に来てくれた。「あのバスがガス欠になっちゃったんで、大至急ガソリン入れてもらえませんか?」と一応冷静を装って頼んだところ、「はい、分かりました」。それからの彼の動きは機敏そのもので、ガソリン専用の10リットル入りのタンクにガソリンを入れ、バスの所まで走っていって、あっという間に給油してくれた。実に素早い!!
 「ありがとう!!じゃあ、エンジンかけてみて」と学生を促したところ、最初はうまくかからないようだったが、すぐにかかってくれて、実にホッとした・・。「よかった。ありがとう!!」と何度もスタンドの店員にお礼を言って、なんとか10分ほどの遅れで出発することができた。(学生の運転するバスは、スタンドでガソリンを満タンにしたため、15分以上の遅れとなってしまった・・)

 バスが来ないのを心配して電話をかけてくれた生徒も一人いたが、他の生徒は黙って待っていてくれたようだ。バスの中で待たせた生徒には一人一人に遅くなったことを謝った。待っていてくれた生徒には遅れた理由を説明して謝った。それでも、なんとか最小限の遅れで済んだのは、ガソリンスタンドのすぐ前で止まってしまったからだろうが、欲を言えば、あと10mだけ動いてほしかった・・。だが、一番運がよかったのは、バスが止まっていた後ろから車が一台も来なかったことだ。車一台がやっと通れるほどの幅しかない道路だから、後ろから車が来たら川沿いのガードレールもない細い道を20m以上バックしてもらうしかなかった。もし車が来ていたら・・、と今考えてもゾッとする・・。
 運がいいのか悪いのか、よく分からない話だが、なんにしてもガソリンの有無をしっかり把握していなかった私の大きなミスだ。いくら忙しいからといっても、基本的な確認を怠っていてはいけない。自分が乗らない車だけに余計注意していなければならない。そこで、少なくとも夏休み中は、毎週月曜日に妻がそのバスに乗って行って給油するように決めた。夏休みで普段の倍走っている車ではあるが、さすがに一週間はもつだろう。失敗を教訓として、それを生かすようにしなければ・・。
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