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「ベストキッド」

 「ベストキッド」を見てきた。面白かった。こういう映画を見て胸躍らない男などただの腑抜けだ!!と叫びたくなるほど面白かった。
 予告編で何度か見て、絶対見ようと思っていた。ジャッキー・チェンが妙に年寄りじみていたのは衝撃的だったし、ウィルスミスの息子が子供役をやっていると知ってからはますます見たくなった。と言っても、ウィルスミスが誰なのか覚束ない私であるから、いい加減な思いであったのは確かだが・・。
 この映画は1984年に製作されたもののリメイクだ。幸い(?)私はその映画を見ていないので、まっさらな状態で見ることができた。まあ、ストーリーは誰もが結末を予想できる単純なものではあるが、だからいっそう映画の中に入り込むことができたのかもしれない。2時間半という長い映画ながらも魅惑的なシーンが散りばめられていて、退屈させることなく最後まで一気に進んでいく。その辺りのことは先週金曜に見られたゴジ健さんの見事なreviewに任せるとして、私は
この映画で語られた「父と息子の心の交流」というものに着目してみたい。
 もちろんジャッキーの演じるハンとジェイデン・スミスのドレは親子ではないが、ドレは幼い頃に父を亡くし、ハンは自らの運転ミスによって子供と妻を亡くしてしまった。そんな二人がひょんなことで子弟関係を結び、カンフー大会に出場することになる。毎日カンフーの稽古に明けくれる二人だが、最初はいやいやながら始めた修行に次第にのめりこんでいく。彼ら二人の間にはカンフーの師匠とその弟子以上の関係、すなわち疑似親子関係がいつしか生じたようで、最後の決戦などまさに父子一体となったような趣があった。
 それはこのところ息子との関係に思いを馳せることが多くなった私から見れば、何とも羨ましい関係である。今現在、私と息子の間に何も問題はないはずだが、東京で就職を決め、東京で暮らして行くことになった息子の選択には、何らの反対もしなかったものの、やっぱり寂しい思いは隠せない。娘の時は、地元に戻ってくるなん思いもしなかったから、どこに行こうが元気でやってくれればいい、と願うばかりだったが、息子の場合は少し違うような気がする。もともと危なっかしい言動の多い男であるから、行く末を心配してしまうのかもしれないが、そればかりではないように思う。大学4年間を東京で過ごしたら地元に戻ってくるだろうと勝手に思いこんでいたのがいけなかったのかもしれないが、なんとなく一緒に暮らせるものだと思い込んでいた。息子に跡を継いでもらいたいような立派な仕事をしているわけではない私では、そんなことを思うのはおこがましいが・・。
 

 しかし、ジェイデン・スミスの演技の見事さには驚いてしまった。生まれつきのスターというのは彼のためにある言葉だと言いたくなった。くそ生意気な子どもから、修行を通して人の痛みも分かる人間へと成長していく道程が余すところなく描かれていて、一人の少年の成長物語ともいえる内容になっている。名作というものは見る人それぞれになんらかの思いを残していくものだなあ、と思った。


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