☆ トム・マッカーシー監督「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年)を観た。
☆ 特ダネを狙う記者たちの息吹が感じられる映画だった。その特ダネが、カトリック教会の暗部をえぐるような内容だけに、単なる娯楽映画ではなく、社会の不正を告発する内容になっている。
☆ カトリックの神父といえば「聖」の象徴のようなイメージがあるが、それが児童への性的虐待を繰り返していたという。それも一人の神父の非行ではなく数十人もの神父が手を染め、被害者は膨大な数に上るという。さらにひどいのは、教会上層部がその事実を隠蔽していたということだ。こうなると「神」も「仏」もあったもんじゃない。
☆ 私は若いころジャーナリストにあこがれていた。ジャーナリストもどきの仕事をしたこともある。映画の中でスクープを見つけそれを社に持ち帰るときのワクワク感。しびれるね。
☆ 日本映画では「クライマーズ・ハイ」が日航機事故を追う新聞記者を描いていた。クライマーズ・ハイとはうまく形容したものだ。極限状態の人間が感じる異常な高揚感。心が躍る。