☆ 家に何冊の本があるのか、ざっと数えてみた。専門書、新書、文庫全部ひっくるめてざっと7000冊ぐらいだろうか。これにコミックが2000冊。全部で1万冊には届かないが、よく集まったものだ。
☆ どの本にも思い入れがあり、蒐集の悪癖で処分ができない。このまま増え続けたらどうなるやと思っていたところ、「三田評論ONLINE」で、紀田順一郎さんの「さまよえる個人蔵書」を読んだ。
☆ 約3万冊の蔵書というから絶景に違いない。ただ眺めている分にはよいが、保管や整理はさぞ大変だろう。
☆ 紀田さんは遂にその個人蔵書を処分したという。断腸の思いだったに違いない。しかし、高齢更には後顧の憂いから決断に至ったという。
☆ 本は煎じ詰めれば文字が印刷された紙に過ぎない。しかし、内容、購入の経緯、それぞれに自らの人生が投影されている。断捨離を決意しアルバムを手にするや、思い出に浸り時間を空費するように、本を整理し始めると整理どころではなくなる。
☆ リサイクルショップに売れば5円かあるいはゴミ扱いされるような本も個人にとっては価値がある。本とはそういうものかも知れない。
☆ 蔵書を整理していると、紀田順一郎著「近代百年カレンダー 暮しと文化の雑学百科」(旺文社文庫)が出てきた。雑学の宝箱だ。わずか2ページのコラムを書くのに著者がどれほどの文献にあたられたのか、苦労に思いを馳せる。