じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

鳥井加南子「天女の末裔」

2020-05-29 00:29:10 | Weblog
★ 鳥井加南子さんの「天女の末裔」(講談社)を読んだ。

★ 古くからの信仰が残る集落。そこで巫女を務める女性が子どもを宿した。「竜神様」を夫とし、処女であるはずの女性が懐胎したことに人々は動揺する。その後、村を襲った数々の災厄。彼女はその元凶としていわれなき非難を浴び、村八分となる。

★ 巫女の守り役の行者が殺され、彼女が犯人として裁かれる。彼女が産んだ子は一時行方不明となり、やがて父親と名のる男によって育て上げられる。

★ 娘は成長し、大学生となり、友人の結婚式に出席するところから物語は展開する。そして新たな殺人事件が。

★ 連続殺人の犯人探し、彼女の出生の秘密をめぐる謎解きが同時に進行する。

★ 設定は興味深いのだが、物語に感情移入できないのは描写のせいだろうか。専門的(学問的)な記述を抑制し、読者を楽しませる演出に凝れば、もっと面白かったのかも知れない。

★ 娘が、生まれてから一度も会っていなかった母親と実は会っていたという場面は面白かった。(巻頭の場面を読み返した)
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