じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

金城一紀「花」

2021-01-30 19:07:19 | Weblog
★ 金城一紀さんの「対話篇」(新潮文庫)から「花」を読んだ。

★ ある朝、若い銀行マンが通勤途中に意識を失う。検査の結果、脳に先天性の動脈瘤が見つかり、医師からは手術を勧められる。ただ、記憶を失うかも知れないという。

★ 突然の宣告で、日常のレールから滑り落ちた主人公。会社も退職し自堕落な日々を過ごすことに。そんな時、大学時代のゼミの先輩がアルバイトを紹介してくれる。ある初老の弁護士が車で鹿児島まで行くので、同乗して欲しいとのこと。

★ よくわからない依頼だったが、彼は引き受けた。東京から鹿児島まで、親子ほども年の離れた男二人の旅が始まる。

★ 旅の中で、弁護士はこれまでの人生を語り、なぜ鹿児島に(それも高速を使わずに)行くのかを語る。主人公もまた脳に爆弾を抱えている境遇を語る。共に、自分探しの旅のようだ。

★ どんな苦境にあっても、必ず道は開ける。「大丈夫」という言葉がありがたい。
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