じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

柚月裕子「慈雨」

2021-01-22 18:17:41 | Weblog
★ 柚月裕子さんの「慈雨」(集英社文庫)を読んだ。この作品でユニークなのは、夫婦でお遍路の旅に出ている元刑事が事件解決のカギを握っているところだ。

★ 栃木県で起こった幼女殺人遺棄事件。それは16年前の同様な事件を思い起こさせるものだった。過去の事件はDNAが決め手になり犯人は捕まり、そして服役している。しかし当時、現場の刑事はその捜査に疑問をもった。再捜査を願い出るが、「上」の方針は既に刑が確定した事件を蒸し返すと、警察、検察の威信が崩れるというもの(特にDNA鑑定の)。現場刑事が「上」に逆らえるはずもなく、彼らは冤罪の疑いに心を痛めつつ職務を全うした。

★ それから16年。もしや過去の事件が冤罪なら、真犯人が再び犯行に及んだのか。しかし16年間のブランクは何か。

★ 刑事たちは2つの事件を追うことになる。

★ 事件が起こり、刑事なり探偵なりが真相を追い、やがて犯人が捕まりめでたしめでたしというのは定番だ。このマンネリの構図をいかに読ませるか、そこが作家の腕の見せ所だ。

★ 作家の好き嫌いはストーリと共に文体が大きく作用する。私は柚月さんの文体が好きだ。楽しんで読めた。


☆ 余談ながら、アメリカの大統領就任式は感動的だった。演出力はさすがだね。最大の貢献はトランプ氏か。トランプ氏らしい終わり方で、バイデン大統領就任の最高の前座を務めた。スピーチも世界最高のスピーチライターを擁しているのか、感動的なものだった。菅さんももっと優れたスピーチライターを雇えばよいのに。良い原稿があっても菅さんタイプには無理かな。演技力に欠ける。それはそれで魅力なのだろうが。

☆ 「二階傀儡政権」とか「安倍に菅あり、菅に菅なし」(何か「永田の前に永田なく、永田の後に永田なし」のようだ)とメディアも手厳しい。オリンピックも危ういし、総選挙に敗れ、菅退陣てところか。なぜか元気なのは河野大臣だったりして。

☆ 身近では高校生にコロナ感染が広がっている。クラブ活動が要因らしい。文科省は活動を2時間に制限しているが、現状を聞くと、準備や後片付けを入れると3時間以上になるという。そこまでしてクラブ活動に力を入れる意味があるのだろうか。
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