じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

ドラマ「本日は、お日柄もよく」

2021-01-02 22:04:22 | Weblog
★ ドラマ「本日は、お日柄もよく」(2017年)を観た。正直、比嘉愛未さん目当てで、作品自体には最初あまり関心がなかった。しかし、観始めるとグングン引き込まれ、随所で目頭が熱くなった。原作は原田マハさん。

★ 製薬会社の総務部に努めるOL、二ノ宮こと葉。どういうわけか広報に異動を命じられ、今まで経験したことのない原稿作成に悪戦苦闘の日々を過ごす。そんな時、幼なじみの結婚式に出席、ある女性の素晴らしいスピーチに感動する。彼女の名前は久遠久美。スピーチライターだという。

★ 会社のプレゼンテーションが成功した「こと葉」は会社を辞め、久遠久美の押し掛けアシスタントになる。次なる課題は政治家のスピーチライターになること。

★ 自分の無力さを感じながらも爆発的な成長を遂げる「こと葉」。「運」と「縁」に恵まれサクセスロードを歩むのだが、それは何事にも「まっすぐ」な彼女が引き寄せたものなのだろう。

★ 「こと葉」と「言葉」の魅力満載なドラマだった。

★ 後から監督は佐々部清さんだと知る。佐々部作品は「チルソクの夏」「夕凪の街 桜の国」以来のファンだ。こと葉のおばあちゃん役の八千草薫さんも素晴らしかった。
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「欲望の資本主義2021」

2021-01-02 11:13:49 | Weblog
★ NHKBS1スペシャル「欲望の資本主義2021」を観た。2016年から続くこのシリーズ、毎年楽しみに観ている。特に今年はコロナ禍の影響か、リフレーションや仮想通貨など楽観的だった昨年の番組とは大きく変化した。激変する資本主義を物語るものだろう。

★ アダム・スミス、ケインズ、ハイエク、フリードマンと主導権を握る思潮の変遷、デジタル社会を背景に「有形資産」から「無形資産」へと資本の在り方が変わってきているところが興味深かった。「GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)」にマウクロソフトが加わって「GAFAM」と表現されているところも変化か。

★ 番組は結局、経済成長を目指すべきか、それとも成長を放棄すべきか。この二者択一を排除し第3の道はないのかと提言する。かつての「資本主義」対「共産主義」の構図が、「北欧型資本主義」対「アメリカ型資本主義」に代わり、そこに台頭する中国をどう位置づけるのか、「循環型」経済の意味は何か、考えさせられた。

★ 「禅資本主義」というのは果たして経済学の範疇であるかどうかは疑問だが、資本主義の根底を為す「欲望」そのものを問い直すべきだという主張なのかも知れない。

★ 番組とは関係ないが、「商品」→「労働」→「価値」と分析を進めたマルクス、「価値」の根底には「欲望」がある。経済学がそこまで踏み込めるのか、そこは難しいところだと思うし、マルクス自身、観念的な分析はあえて避けているのかも知れない。しかし、もはや時代遅れとされたマルクスについて、むしろ時代がマルクスに追いついたのではと思えるから不思議だ。(「みんな」のため、「国家」のためといった全体主義や「赤い貴族」を生む官僚制、粛清を繰り返す権力闘争や相互監視社会は願い下げだが)

★ 激変する社会、ワクチンや治療薬が開発され、コロナの呪縛から解き放たれれば、人々は「連帯」や「思いやり」などといった甘っちょろい考えは忘れ去り、また金儲け競争に奔走するかも知れない。環境問題や気候変動からは目をそらし(ポーズだけは保ちながら)、経済成長を血眼で追い求めるようになるかも知れない。

★ ケインズの言葉を借りれば「自己の環境に慣れてしまう能力」が人間の特性だから。 
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