じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「21世紀の資本」

2021-01-01 12:05:15 | Weblog
★ あけましておめでとうございます。

★ 年明け早々、小難しい映画を観た。ピケティの「21世紀の資本」(2020年)を映画化したもので、ピケティ本人が出演している。娯楽映画ではないので100分余りを観るのはなかなか忍耐いる作業だったが、17世紀からの経済の変遷がよくわかった。

★ 富を誰が握るのか。貴族から資本家へと名称は変われども、1%の富裕層は不変のようだ。近年の格差の拡大は、中間層の没落が顕著になったからのようだ。

★ 新たな開拓地があれば、パイの拡大にともなって、富裕層がより富むとしても、貧困層から中間層への生活水準の上昇が期待できた。しかし地球上に新たな開拓地は乏しくなり、テクノロジーの進歩は人件費を抑制(つまり労働力を削減)する方向に動いている。このままでは、富はさらに一部の企業や人に集中し、政治的な影響力も強まるという。一方で下層での労働力の移動の活発化が進むという。肥大化する下層の人びとは不安定な生活を余儀なくされ、あまりの格差の拡大は革命か戦争(政府が不満のはけ口を外に求める)、分断(民族、宗教などの対立)へと至る。

★ ピケティは静かな革命(例えば富裕層への増税や税金逃れの解消)を提言するが、政治もまた富裕層の影響を受ける中で、果たして実現できるやら。

★ 市場は新たな開拓地をデジタル化に見出そうとしている。しかし重厚長大産業のような労働力は必要としないから、より大きな利権が一部の企業や資本家に牛耳られる可能性がある。

★ 最近、降って湧いたように「ベーシック・インカム」が浮上しているが、これは生存権の保証への動きなのか、それとも富裕層の巧妙な緩衝材なのか。

★ 環境破壊、人口爆発。コロナ禍と無縁とは思えない。資本主義という仕組みが大きく変わろうとしているのかも知れない。
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