★ エアコンなどなかった時代、人々は趣向を凝らして暑さをしのいでいたようだ。怪談話もその一つ。うまい話者が話すと、背筋がゾクゾクする(今の時代で言うと稲川淳二さんあたりか)。
★ 森鷗外の「百物語」(日本文学秀作選 心に残る物語「浅田次郎編 見上げれば星は天に満ちて」文春文庫所収)を読んだ。
★ 「百物語」は皆さんご存知の通り、100本のろうそくを立て、一人が話をするごとに1本ずつ消していくというもの。そして最後の1本が消えた時、漆黒の闇の中に真の化物が出るという。
★ 鷗外らしい主人公が友人に誘われて「百物語」のイベントに参加する。少々回りくどい行程を経て、会場に到着。いよいよ始まるその時に、主人公は何か嫌気がして立ち去ってしまう。
★ 怪談話よりも、鷗外の人間観察が面白い。主催者の飾磨屋(若くして富を得て、その富を道楽に使っている。生気が薄く、何かしら世の中を傍観している青年実業家)とその傍らに控える女性(その世界では有名な芸者。飾磨屋とこの女性はまるで病人と看護婦のようだと主人公は評す)を観察し、分析する。
★ そして飾磨屋が自分と同じ「傍観者」として生きている姿を感じる。
★ 明治44年の作品というから現代人からすると少々わかりにくいところがある。急に外来語が飛び出すところはインテリの悪い癖か。鷗外の「百物語」を現代的に味わいたければ、森見登美彦さんの「新釈 走れメロス」(角川文庫)に収められている「百物語」が参考になる。
★ 京都を舞台に学生の主人公が友人に誘われて、ある劇団主催の「百物語」に参加するというもの。鷗外の飾磨屋は謎の劇団主宰者・鹿島として描かれている。森見風アレンジが面白い。
★ 森鷗外の「百物語」(日本文学秀作選 心に残る物語「浅田次郎編 見上げれば星は天に満ちて」文春文庫所収)を読んだ。
★ 「百物語」は皆さんご存知の通り、100本のろうそくを立て、一人が話をするごとに1本ずつ消していくというもの。そして最後の1本が消えた時、漆黒の闇の中に真の化物が出るという。
★ 鷗外らしい主人公が友人に誘われて「百物語」のイベントに参加する。少々回りくどい行程を経て、会場に到着。いよいよ始まるその時に、主人公は何か嫌気がして立ち去ってしまう。
★ 怪談話よりも、鷗外の人間観察が面白い。主催者の飾磨屋(若くして富を得て、その富を道楽に使っている。生気が薄く、何かしら世の中を傍観している青年実業家)とその傍らに控える女性(その世界では有名な芸者。飾磨屋とこの女性はまるで病人と看護婦のようだと主人公は評す)を観察し、分析する。
★ そして飾磨屋が自分と同じ「傍観者」として生きている姿を感じる。
★ 明治44年の作品というから現代人からすると少々わかりにくいところがある。急に外来語が飛び出すところはインテリの悪い癖か。鷗外の「百物語」を現代的に味わいたければ、森見登美彦さんの「新釈 走れメロス」(角川文庫)に収められている「百物語」が参考になる。
★ 京都を舞台に学生の主人公が友人に誘われて、ある劇団主催の「百物語」に参加するというもの。鷗外の飾磨屋は謎の劇団主宰者・鹿島として描かれている。森見風アレンジが面白い。