じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

中島河太郎「推理作家協会四十年」

2021-08-10 14:34:03 | Weblog
★ 日本推理作家協会70周年アンソロジー「夢現」(集英社文庫)から、中島河太郎さんの「推理作家協会四十年」を読んだ。

★ 検閲が厳しかった戦争が終わり、探偵小説は「読物界の寵児」となったという。昭和21年、江戸川乱歩を中心に懇親会のような「土曜会」が結成され、それが翌年「探偵作家クラブ」になったという。草創期は作家クラブとはいいながら試行錯誤の連続で、乱歩の影響力が大きかったから外部からは「乱歩クラブ」などと囁かれたという。

★ 昭和38年に社団法人化し、名称も「日本推理作家協会」と変えられた。乱歩の理事長引退を機に、個人サロンからの脱却を図ろうとしたという。

★ 作家って結構我が強そうだから、組織化するのは大変でしょうね。

★ 私はかつていくつかの学会や研究会に入っていたが、組織というものはどこもよく似たものだと思った。こういう沿革記は読者にとってはどうでも良いことだが、将来の研究者にとっては貴重な資料となる。

★ さて、70周年アンソロジー「夢現」、日本推理作家協会の歴代理事長の作品を集めたというから、実に豪華な顔ぶれだ。江戸川乱歩、松本清張、生島治郎、阿刀田高、北方謙三、逢坂剛、大沢在昌、東野圭吾、今野敏など。女性はいないんだね。
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