じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

耕治人「一条の光」から

2022-01-17 01:07:57 | Weblog
★ 大学入試共通テストの本試験が終わった。生徒たちは早速自己採点。国公立を目指す人は志望校を決める作業に入る。そして、私立大学の入試までカウントダウンに入る。(私立高校受験まではあと25日だ。)

★ 今日はセンター試験の過去問から耕治人さんの「一条の光」を読んだ。大学入試共通テスト(センター試験)の文学作品は講談社文芸文庫から出題されることが多いように思う。あまり商業ベースに馴染まない私小説、心境小説、内向世代の作品を集めているからだろうか。

★ 「一条の光」は戦前の話。時局向きの作品を書かず、掲載される雑誌もないから、自分の書きたいものだけを書いている新人小説家。かつては豊かな生活を送っていたようだが、今は4畳半と3畳のアパートに妻と住んでいる。その妻が姪を養子にして一緒に住みたいという。夫は乗り気ではないのだが、そんなことはお構いなく、既に話は進んでいる様子。いざ、姪を迎え入れると、何となく幸福感を感じる夫。しかし、戦局は悪化し、姪(娘)は実家に疎開することに。変転する環境に揺れ動く作者の心情が綴られている。

★ 試験に採用されなければまず読まない作品だ。パラレルワールドも殺人事件も登場しない。経済小説でも政治小説でもない。淡々と日常を書いているという感じだ。

★ さて、コロナの猛威が止まらない。人口18万人余りの宇治市でも連日50人を超える新規感染者が確認されている。やはり若年層、特に10代や10代未満の児童生徒への感染拡大が顕著だ。ここ数日は教職員への感染も広がっている。エッセンシャル・ワーカーという言葉をよく聞くようになった。教職員への感染拡大で遠からず学校現場は機能不全に陥る。その時どうするか、考えておいた方が良いように思う。

★ 一斉休校すれば、子どもの世話をするために親が仕事を休まねばならない。感染や濃厚接触とは別に労働力不足が深刻になりそうだ。事態はあまりに急速に進んでいる。皮肉にもこの時代なら私小説も面白かろうと思った。
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