★ 6月もあとわずか。高校は期末テストが始まり、塾は夏期講座の準備が始まる。
★ ドラマ「臨場」を観終わり、エンディングで歌われている平原綾香さんの「威風堂堂」が耳鳴りのように繰り返し聞こえる。良いドラマだった。
★ さて、宮部みゆきさんの「火車」(新潮文庫)を読み終えた。足を負傷し休職中の刑事が親類から相談を持ち掛けられる。婚約中の女性が突然姿を消したので、捜してほしいというのだ。
★ 休職中で警察手帳はない。今のところ事件性はないので、警察が表立って動いてはくれない。彼は探偵のように地道な探索を始めた。そこで浮かんできたのは、婚約者という女性の隠された素顔。
★ 彼女が語った名前は別人のもの。では彼女はいったい誰なのか。名前を奪われた女性はどうなったのか。
★ 彼は大阪、名古屋、宇都宮と飛び回り真相に迫っていく。そして物語は余韻を残して終わる。
★ 多重債務と暴力的な取り立て。カネが人生を狂わす仕組みに警鐘を鳴らす。中盤以降面白くなった。心のひだに浸みこむような表現がいくつもあった。