じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

林真理子「最終便に間に合えば」

2023-08-15 11:42:15 | Weblog

★ 台風。荒天の上、近隣のスーパーはどれも臨時休業とのことで、今日1日、家に缶詰めのようだ。

★ 林真理子さんの「最終便に間に合えば」(文藝春秋)から表題作を読んだ。世界的な動乱や不条理な殺人事件など全く登場しない。それでいて、女と男のやり取りが実にスリリングに描かれている。

★ ビジネスで成功し、メディアでも話題となっている女性が、旅先の札幌で7年ぶりに元カレと食事をする。なぜ今さら会おうなどと思ったのか、彼の体に未練があったのか、それとも過ぎ去りし日の愚痴を語りたかったのか。

★ 7年の時間は二人を少しは大人にした。二人は、もはや30代。冷静に対処できるはずだった。

★ 女性は翌日に予定があり、今夜の最終便で東京に戻らなければならない。店から空港までの時間。タクシーという限られた空間のわずかな時間の間に展開される男女の駆け引き。

★ 最終便に間に合わなければ、何かが起こるかも知れない。しかし・・・。

★ 他人から見れば「アホな男とケンカするアホな女」の物語だ。自分勝手な男とその男に不満を持ちつつも離れられない女。女の中では「母性本能と女の感情がいつも戦っていた」という。

☆ 男女の恋愛など、言ってしまえば「種」を残すための性ホルモンの為せる業。そうとわかっていても落ちてしまうのが恋。若いうちは尚更だ。小説のネタは絶えそうもない。

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