★ 夏期講座18日目。残るは7日間。気圧のせいか、朝、身体がだるかったが、昼過ぎから調子が上がってきた。
★ 今日は伊集院静さんの「受け月」(文春文庫)から「菓子の家」を読んだ。伊集院さんの作品にしては随分と「甘い」作品だなと思ったけれど、最後の方で「ああ、そういうことか」と納得した。
★ 40歳を過ぎた男が主人公。実家は相当な資産家だったようだが、男が事業で使い果たし、その上、20億円もの負債を抱えてしまった。
★ 要は、この男は「ぼっちゃん」で、その甘さからうまい具合に周りに乗せられ、結局借金だけを背負ったのだ。自業自得に違いない。
★ もはや返済の当てもなく、遂に破産。債権者との調整は整理屋に頼むことにしたようだ。
★ 悪徳金融だけではなく、懇意にしていた知人からも借金をしていたから心が痛まないではないが、もはやにっちのさっちもいかない様子。ただ古くからの野球仲間だけが温かい。
★ かつての男の実家。そこには立派な樫の木がある。今は他人のものとなったその樫の木の下に、男はたどり着いたのだが。男の出処進退は如何に。
★ どうしようもない男の話だが、他人事としては面白かった。