★ 南海トラフ、台風と天災続き。人々の不安が高まる中、コメ不足の報道。報道の段階では、それほど心配ではなかったが、実際にスーパーからコメ(レトルトのご飯も)が姿を消すとさすがに心配になってくる。
★ 不安心理がパニック買いを誘発し、人々が備蓄に走れば、モノ不足に拍車がかかる。コロナ禍のマスクのように。
★ 以前に堤未果さんの「ショック・ドクトリン」(幻冬舎新書)を読んだが、人々が不安心理に陥った時、何か良からぬ方向に世の中が動くかも知れない。
★ さて、異例のスロー台風を横目に、佐々木譲さんの「廃墟に乞う」(文春文庫)から「復帰する朝」を読んだ。短篇集の最後に据えられた作品。北海道警に籍を置く仙道刑事がなぜ心を病んで休職したのかも明かされる。
★ 「復帰する朝」は、数年のブランクを経て仕事に復帰しよとする仙道刑事が描かれる。
★ 若い女性の焼死体が発見された。仙道はかつての事件で知り合った女性から電話を受ける。彼女の妹に容疑がかかっているようなので、マスコミから妹を守ってほしいという。仙道は休職中を理由に断ろうとしたが・・・。ドロドロとした痴情のもつれを感じさせながら、読みやすい作品だった。