じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森絵都「守護神」

2024-09-01 19:49:51 | Weblog

★ 森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」(文春文庫)から「守護神」を読んだ。短い作品だけれど、大いに励まされた。

★ 主人公の男性は、もはや30代。幼いころから文学に魅かれていたが、いろいろあって大学には進学せず就職した。職を転々とし、バイトで入ったホテルの仕事が彼には合っていた。仕事が認められ正社員への道も開かれたが、その時、彼は文学への道をあきらめきれず、大学への進学を決意する。

★ 職場の上司の理解もあり、ホテルでの激務をこなしながら、彼は今、大学の夜間部に通っている。

★ しかし、現実は厳しい。限られた自由時間に課題のレポートを仕上げるのは至難の業。そんな時、レポートを代筆してくれる「守護神」の噂を耳にする。

★ 「時には弱音を吐ける友達を見つけなさい」「あなたみたいなタイプにはガス抜きが必要だわ」「弱さを人に見せられるのも一つの徳性」

★ こんなセリフが押し寄せる。果たして彼にとっての「守護神」とは。

★ 「徒然草」や「伊勢物語」など古典文学の蘊蓄も面白い。

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