★ 朝方は少し涼しくなったが、昼間は相変わらず猛暑だ。そんな中、自宅から一山超えて、「フレンドマートG」市役所前店へと電動自転車を飛ばした。洋酒「アーリータイムズ」を買うために。
★ 篠田節子さんの短篇集「コミュニティ」(集英社文庫)から「夜のジンファンデル」を読んだ。
★ 学生時代から30年来の友人たち。絵美とその夫。百合子とその夫・隆は家族ぐるみの付き合いを続けている。もはや50代を目前に、隆が中東に赴任するというので、送別会を兼ねたホームパーティが隆の家で開かれている。
★ 絵美の夫にねだられ百合子がピアノを弾き、その音色をBGMに絵美と隆は庭に植えられた葡萄を手に取っている。それは、かつて絵美がアメリカを旅していた時、赴任中の隆との間に起こった秘事の名残だ。
★ それぞれに家庭を持ち、夫婦それぞれに愛し合い、それに何ら不満はない。しかし、抑えきれない大人の恋愛が心にさざ波を立てる。
★ 絵美と隆がアメリで過ごした夜。彼らが飲んだのが「アーリータイムズ」。一度「ジンビーム」のハイボールを飲んで、何となく避けてきたバーボンウイスキー。物語を読み進めるうちにどうしても試してみたくなり、大汗かいて自転車を走らせた。
★ 「アーリータイムズ」は思ったほど癖がなく、酒の味覚に乏しい私にはスコッチとバーボンの違いもいまいちわからなかった。
★ ウイスキーよりも、大人の恋愛に酔った感じだ。
★ 「花束みたいな恋をした」という映画があったが、今回の小説、恋心にも男女の違いが読み取れて面白かった。