★ 今日は国木田独歩「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」(新潮文庫)から「巡査」を読んだ。
★ 国木田独歩の作品は随分久しぶりだ。高校の国語の教科書で「武蔵野」を学んだ記憶がある。「美文」だと説明されたが、あまり面白い作品だとは思わなかった。
★ 国木田独歩は明治期の作家で、30代で夭折している。「巡査」は、1902年に発表されたというから、独歩30歳頃の作品か。
★ 独歩らしき話者が、ある巡査と親しくなり。巡査の下宿を訪れた時の様子を描いている。
★ 漢字の訓読が面白い。例えば、「懇意になった(ちかづきになった)」「年齢(とし)」「沈黙(むっつり)」「比喩(たとえ)」「憎悪(にくしみ)」「饒舌りましょう(しゃべりましょう)」「手真似(てつき)」など。わずか1ページの中でも多くの読み替えがある。
★ 漢文から和文へ、過渡期だったのかも知れない。人物の描き方もなかなか楽しい。