じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

篠田節子「夜のジンファンデル」

2024-09-07 16:36:20 | Weblog

★ 朝方は少し涼しくなったが、昼間は相変わらず猛暑だ。そんな中、自宅から一山超えて、「フレンドマートG」市役所前店へと電動自転車を飛ばした。洋酒「アーリータイムズ」を買うために。

★ 篠田節子さんの短篇集「コミュニティ」(集英社文庫)から「夜のジンファンデル」を読んだ。

★ 学生時代から30年来の友人たち。絵美とその夫。百合子とその夫・隆は家族ぐるみの付き合いを続けている。もはや50代を目前に、隆が中東に赴任するというので、送別会を兼ねたホームパーティが隆の家で開かれている。

★ 絵美の夫にねだられ百合子がピアノを弾き、その音色をBGMに絵美と隆は庭に植えられた葡萄を手に取っている。それは、かつて絵美がアメリカを旅していた時、赴任中の隆との間に起こった秘事の名残だ。

★ それぞれに家庭を持ち、夫婦それぞれに愛し合い、それに何ら不満はない。しかし、抑えきれない大人の恋愛が心にさざ波を立てる。

★ 絵美と隆がアメリで過ごした夜。彼らが飲んだのが「アーリータイムズ」。一度「ジンビーム」のハイボールを飲んで、何となく避けてきたバーボンウイスキー。物語を読み進めるうちにどうしても試してみたくなり、大汗かいて自転車を走らせた。

★ 「アーリータイムズ」は思ったほど癖がなく、酒の味覚に乏しい私にはスコッチとバーボンの違いもいまいちわからなかった。

★ ウイスキーよりも、大人の恋愛に酔った感じだ。

★ 「花束みたいな恋をした」という映画があったが、今回の小説、恋心にも男女の違いが読み取れて面白かった。 

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東野圭吾「煎餅屋の娘」

2024-09-05 18:27:41 | Weblog

★ 午前中に授業準備を済ませ、昼食は超レトロな「福栄食堂」でヒレカツ定食を食べた。この食堂、私が高校に通っていたころから営業されている。かれこれ50年か。今は先代が引退され、息子さんが継がれている様子。

★ 大皿いっぱいのサラダに大きなヒレカツが4枚。それで780円とは、今どき考えられない。

★ 食事のあとは近くの「山村珈琲工房」でおいしいコーヒーを飲む。最近やっとホッとする時間を過ごせるようになった。

★ コーヒーを飲みながら読み始めたのが、東野圭吾さんの「新参者」(講談社文庫)。今日は、第1章「煎餅屋の娘」を読んだ。

★ 下町の煎餅屋を訪れた加賀刑事。今は日本橋署に籍を置いている。近隣で起きた事件の聞き込みで回っているようだ。とはいえ、本庁の刑事とは別行動で、持ち前の観察眼が冴えている。

★ テレビのドラマでは阿部寛さんが良い味を出していた。刑事ものはどうしても血なまぐさくなりがちだが、「新参者」は人情味があってホッとする。

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小池真理子「妖かし」

2024-09-04 19:06:32 | Weblog

★ 昼間はまだ暑いが、朝方は涼しくなってきた。一気に夏バテが襲ってこないように気をつけねば。年を重ねるごとに1年がはやく過ぎ、年を重ねるごとに気候の変化が体にこたえるようになってきた。元気な子どもたちがうらやましい。

★ さて今日は、小池真理子さんの「玉虫と十一の掌編小説」(新潮文庫)から「妖かし」を読んだ。

★ 主人公の女性は離婚歴のある30代。持ち前の人当たりの良さで、男女を問わずよくモテる。しかし、女性にはある能力があるようだ。彼女に何らかの不快な思いを抱かせたとき、本人の意思に関係なく、相手に不幸が起こるのだ。

★ 女性は、同情にも似た悲しみを感じるのだが、自分の力ではどうにもならない。そして今日も、年末家族とハワイ旅行に行くという不倫相手のところに走っている。何事もなければよいと思いながら。

 

☆ コロナ禍で長期にわたり自重していたので、最近は外食を楽しんでいる。と言っても「孤独のランチ」。ごく近隣の店巡り。

☆ インド・ネパール料理店「ニューアンナプルナ」でカレーライスセット。日本のカレーとはルーがちょっと違う。クリーミーな感じがする。

☆ ラーメン「つるぎ」で、ラーメン(小)と炒飯(小)。ラーメンは醤油と塩がある。私は塩が好みだ。炒飯がうまかった。

☆ 「ブロンコビリー」でハンバーグランチ。サラダバーとドリンクバーはお替り自由。サラダバーだけでお腹がいっぱいになる。

☆ 「グルメリア但馬」でもハンバーグ定食。肉屋さんが経営しているだけあって、ミンチがうまい。

☆ 駅前の立ち食いそばでかつ丼。汁たっぷりでうまいが、味が濃い。

☆ 最近は町中華や定食屋がすっかり減ってしまった。さて、明日はどこを巡ろうか。

 

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森絵都「守護神」

2024-09-01 19:49:51 | Weblog

★ 森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」(文春文庫)から「守護神」を読んだ。短い作品だけれど、大いに励まされた。

★ 主人公の男性は、もはや30代。幼いころから文学に魅かれていたが、いろいろあって大学には進学せず就職した。職を転々とし、バイトで入ったホテルの仕事が彼には合っていた。仕事が認められ正社員への道も開かれたが、その時、彼は文学への道をあきらめきれず、大学への進学を決意する。

★ 職場の上司の理解もあり、ホテルでの激務をこなしながら、彼は今、大学の夜間部に通っている。

★ しかし、現実は厳しい。限られた自由時間に課題のレポートを仕上げるのは至難の業。そんな時、レポートを代筆してくれる「守護神」の噂を耳にする。

★ 「時には弱音を吐ける友達を見つけなさい」「あなたみたいなタイプにはガス抜きが必要だわ」「弱さを人に見せられるのも一つの徳性」

★ こんなセリフが押し寄せる。果たして彼にとっての「守護神」とは。

★ 「徒然草」や「伊勢物語」など古典文学の蘊蓄も面白い。

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