新型コロナとのたたかいが大きな一つの山場を迎えていいます。この間、コロナ後の世界の変化についての各界の学者、研究者のみなさんの発言、提言等を紹介してきました。「利潤第1主義」で突き進んいる「グローバル資本主義」に対する批判が共通の認識であり、資本主義の枠内での改革の探求にかかわる内容のように感じています。こうした議論の先にこそ本当の改革の内容が豊かに発展し、大きな人類的合意が作られていくのではないかと感じています。
新型コロナウイルスが、短期間(数か月)の間に、アメリカをはじめ、世界で資本主義が最も発達した国で最大の感染者、死者を出していることに、注目し、どう解決の展望を構築していくのか、大きな関心事でもあります。こうした、なかでも異常な対応を繰り返しているのが、日本の安倍政権ではないでしょうか。
【大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!」は、マルクス「資本論」第1部・第3編・第8章「労働日」の中の有名な1節です。マルクスは次のように、「資本論」で書いています。
「”大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!” これがすべての資本家およびすべての資本家国家のスローガンである。それゆえ、資本家は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない。肉体的、精神的委縮、早死、過度労働の拷問にかんする苦情に答えて資本は言うーーこの苦しみがわれわれの楽しみ(利益)を増やすからといって、われわれは、そのことで苦しまなければならないのだろうか? と」
「しかし、全体として見れば、このこともまた、個々の資本家の善意または悪意に依存するものではない。自由競争は、資本主義的生産の内在的な諸法則を、個々の資本家にたいして外的な強制法則として通させるのである」
いま、そして、これからの日本と世界の未来を考えるとき、「大洪水から人類と地球の未来を守り、発展させることができるか」マルクスのこの告発と提起も大いに議論の遡上にのせていただきたいと考えています。