宮応かつゆきの日本改革ブログ

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コロナ危機「背景に無秩序な生態系への侵入・環境破壊ー気候変動と同じ根をもつ」-志位委員長発言(2)

2020年05月27日 | 未来社会へのプロセス

 志位委員長の発言のつづきを紹介させていただきたいと思います。

【資本主義のもとでの格差の異常な広がりーー危機のもとで顕在化し、激化している】

「二つ目に、私は、資本主義という体制そのものが、今度のパンデミックで問われているように思います。今年の1月の党大会で、私たちは綱領の一部改定を行い、世界資本主義の矛盾の集中点として、格差拡大と環境破壊ということを特に綱領に明記しました」

「今度のパンデミックというのは、世界資本主義の矛盾の二つの集中点で、矛盾が顕在化し、激化しているというのが現状だと思います」

「格差拡大という点では、ウイルス自体は富めるものと貧しいものを区別しませんが、感染症による犠牲は、富めるものと貧しいものに平等に襲いかかっているわけではありません。一番の犠牲になっていいるのは貧困のもとに置かれてる人々です」

「アメリカの状況をみましても、黒人やヒスパニックの方々で死者が多い。格差拡大という問題がパンデミックのもとでアメリカでも大問題になっています。日本でも、経済的・社会的に弱い立場に置かれている人々に大きな犠牲が強いられています」

「格差拡大の問題は、先進国の内部の問題だけではありません。先進国と途上国の格差拡大の矛盾もパンデミックのもとで噴き出しています。とくに多くの途上国で、医療体制などが弱いもとで、多くの犠牲が出ることが強く懸念されています」

「21世紀の資本主義のもとでの格差の異常な拡大ーー先進国の国内でも、世界的な規模でも、格差が異常なレベルまで拡大している。その矛盾が、パンデミックのもとで顕在化し、激化しています。パンデミックは、『こういう体制を続けていいのか』という問題を人類に突き付きられているのではないでしょうか」

【背景に無秩序な生態系への侵入・環境破壊ーー気候変動と同じ根をもつ】

「資本主義の体制的矛盾にかかわって、もう一つ、この体制のもとでの地球規模での環境破壊という問題が、パンデミックに深くかかわっています。人類の歴史のなかで、感染症の流行は、人類が定住生活を始めたとき以来のもと言われています」

「ただ、この半世紀くらいは、新しい感染症がつぎつぎと出現しています。エイズ(後天性免疫不全症候群)、エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)、今回の新型コロナウイルス感染症などです。半世紀で数十の新しい感染症が出現しているといわれています」

「(厚生労働省によれば、この30年の間に少なくとも30の感染症が新たに発見されています)なぜそうなるのか。一つの背景として、多くの専門家が共通して指摘しているのが、人間による無秩序な生態系への侵入、環境破壊、これらによって動物と人間の距離が縮まって、それまで動物がもっていたウイルスが人間にうつってくる。そういうことによって、新しい感染症が出現する」

「あるいは地球温暖化によって、すむ場所を奪われた動物が人間と接触する。こういう問題も言われています」

「私は、先日、『改定綱領学習講座』のなかで、地球規模での気候変動について、マルクス『資本論』の一節を引用して、資本主義のもとでの『物質代謝の攪乱』ということを述べました。『攪乱』の結果があらあれるスピードは、気候変動とパンデミックは全く違いますが、利潤第1主義のもとでの『物質代謝の攪乱』という点では両者は同じ根を持つものといわなければなりません」

「感染症の多発という問題の背景にいも、資本主義の利潤第1主義のもとでの自然を環境の破壊という問題が横たわっているのです。こうして、格差拡大という点でも、自然環境の破壊という点でも、利潤第1主義を本性とする資本主義という体制そのもが、私は、パン、デミックのなかで問われていると思っています」

「環境破壊を顧みることのない利潤第1主義という生産様式を変えなければ、新型コロナを収束っさせたとしても、次ぎのより危険なパンデミックに襲われる可能性もあることを、指摘しなければなりません」

「格差の問題、環境破壊の問題は、もちろん資本主義のもとでもその解決のために最大の力を注がなければなりません。同時に、今回のパンデミックは、資本主義という体制を続けていいのかを問うものともなっているとお思います」