宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「新型コロナ対策の最大のカギは検査の抜本的強化」-志位氏、「緊急事態39県解除宣言」を受けて

2020年05月15日 | 新型コロナウイルス対策

 昨日(14日)、安倍首相は緊急事態宣言を39県で解除する決定を明らかにしました。テレビ中継で安倍首相の会見を視聴しました。なぜ39県が解除なのか、なぜ8都道府県は継続なのか。ほんとうによく分かりませんでした。志位和夫日本共産党委員長の14日の記者会見の内容が、「しんぶん赤旗」15日付で報道されました。私の疑問にズバリ答えてくれる内容だと思いました。 以下、同紙の内容を紹介させていただいたいと思います。

「一、(緊急事態宣言の一部解除の)一番の問題点は、PCR検査の数が伸びていないことにありあす。1日あたりのPCR検査の数は、厚生労働省の発表を見ると、直近の数字で、人数では3000~4000人で、件数では7000~8000件です。伸びていないだけでなく、減少傾向にあります」

「検査数が足りないもとでの一部解除という判断は、率直に言って懸念をもたざるをえません。引き続き、感染拡大防止のための警戒を決してゆるめてはならないと思います」

「一、今後の対応としては、三つの点を強く求めます。第一は、PCR検査をはじめ検査を抜本的に増やし、感染の全体像をつかむことです。検査を抜本的に増やしてこそ、仮に感染拡大の次の波が起こった際に、迅速で的確な対応ができるようになります。段階的に経済活動を再開していくうえでも、検査の抜本的な強化は不可欠です」

第二は、医療提供体制の抜本的強化を図り、逼迫を打開することです。重症患者のためのべッドをしっかり確保するとともに、中等症患者のためのベッド、軽症者のための療養施設をしっかり確保し、医療機関に対する財政的補償もしっかりやることが必要です」

第三は、暮らしと営業に対する補償措置をしっかり行うことです。補正予算では質量ともに不足しており、家賃支援、雇用調整助成金の拡充、学生支援などでの緊急の措置をとるとともに、速やかに第二次補正予算を編成し、医療・補償の両面で抜本的措置をとることを求めます。緊急宣言の一部解除にあわせて補償措置があいまいにされることは、絶対にあってはなりません」

 

 

 


 野党党首会談「検察庁法改悪やめコロナ収束に全力」で一致、志位氏「二重の危険指摘」

2020年05月14日 | 野党連合政権への展望

 共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党、社会保障を立て直す国民会議の4党首、代表が13日、「国会内で会談を開き、新型コロナの収束に全力をあげるべきときに、検察官の政治的独立性と中立性、三権分立を損なう検察庁法改悪は断固容認できないとして、野党が要求する役職定年の延長を切り離すよう求めていくことで一致しました」(「しんぶん赤旗」14日付)

 党首会談後、志位氏は記者会見で検察庁法改悪の二重の危険性がある大改悪であると次のように指摘しました。

「一つは、行政権力に対するメスを入れられなくなる危険があることです。検察は、かつて内閣総理大臣の経験者をも逮捕したことがある。このような行政権力に対して捜査のメスを入れることは、検察しかできません。これができなくなる危険がある」

「もう一つは、行政権力と検察権力が一体化した場合に、国策捜査が行われる危険があります。ブレーキが利かなくなってします] 

【総長と黒川氏は辞職せよ】ー 堀田 力 元法務省官房長(1934年生まれ)

「朝日」14日付、「耕論」欄で、堀田 力(元法務省官房長・弁護士)さんが発言しています。検察幹部経験者のリアルな指摘、そして、独立・中立性を守り貫いてきた誇り、検察の現場をささえている検察官や事務官への大義に立った深い思いやり、堀田さんの勇気と良心を強く感じさせられました。発言内容を紹介せていただきたいと思います。

「検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません」

「東京高検の黒川弘務検事長の定年を延長した理由に、政府は『重大かつ複雑困難な事件の捜査・公判の対応』を挙げました。黒川君は優秀な検察官ですが、黒川君でなければ適切な指揮ができないような事件はありません」

「今回の法改正を許せば、検察の独立に対する国民の信頼は大きく揺らぎます。『政治におもねる組織だ』と見られると、捜査につながる情報が入らなくなったり、取り調べで被疑者との信頼関係を築きにくくなって真実の供述が得られなくなったり、現場に大きな影響がでるでしょう」

「検察はこれまでも、政治からの独立をめぐって葛藤を続けてきました。検察庁は行政組織の一つとして内閣の下にあり、裁判所のように制度的に独立していない。一方で、政治家がからむ疑惑を解明する重い責務を国民に対して担っていいます。与党と対立せざるを得ない関係なのです」

「その葛藤が最も顕著に現れているのが、法相による『指揮権』の仕組みです。検察庁法14条で、法相が個別の事件について指揮できるのは検事総長のみと規定されています。法相が不当な指揮権を発動したら、総長はやめるよう説得する義務があります」

「1954年造船疑獄事件の捜査で、当時の法相が指揮権を発動し、与党幹事長の逮捕を阻止。国民の怒りを買って法相は辞任に追い込まれ、政治側も傷を負いました。依来、一度も発動されていいません。私も法務省官房長時代、新たに就任した法相には『指揮権は形式的に発動できるが、国民のためにはならない』と説明してきました」

「私の経験から言えば、政治家がその権力を背景に捜査に圧力をかけてくることはよくあります。それでもひるまず真相を解明しようとする気概のある上司が多かった。組織のトップたる総長や検事長には政治の不当な圧力に対抗できる胆力が求められ、その人事が政治家の判断にかかるようなことはあってはならないのです」

「だからこそ、今回の幹部の定年延長の規制は削除すべきです。これまでも法務・検察内では候補を先まで緩やかに決め、制度上は任命権を持つ内閣もこれを尊重してきたのですから」

「定年延長を受け入れた黒川君の責任は大きいし、それを認めた稲田伸夫・現総長も責任がある。2人とは親しいですが、それでも言わざるを得ない。自ら辞職すべきです」

「そして、仮に改正法が成立しても、『政府から定年延長を持ちかけられても受けない』くらいの宣言をする。それによって検察の原点である公正中立を守り、国民の信頼を回復するのに貢献してほしいと願います」

 

 

 

 


「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!」-マルクス「資本論」から、「ルールある経済社会」へ

2020年05月13日 | 未来社会へのプロセス

 新型コロナとのたたかいが大きな一つの山場を迎えていいます。この間、コロナ後の世界の変化についての各界の学者、研究者のみなさんの発言、提言等を紹介してきました。「利潤第1主義」で突き進んいる「グローバル資本主義」に対する批判が共通の認識であり、資本主義の枠内での改革の探求にかかわる内容のように感じています。こうした議論の先にこそ本当の改革の内容が豊かに発展し、大きな人類的合意が作られていくのではないかと感じています。

 新型コロナウイルスが、短期間(数か月)の間に、アメリカをはじめ、世界で資本主義が最も発達した国で最大の感染者、死者を出していることに、注目し、どう解決の展望を構築していくのか、大きな関心事でもあります。こうした、なかでも異常な対応を繰り返しているのが、日本の安倍政権ではないでしょうか。

【大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!」は、マルクス「資本論」第1部・第3編・第8章「労働日」の中の有名な1節です。マルクスは次のように、「資本論」で書いています。

「”大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!” これがすべての資本家およびすべての資本家国家のスローガンである。それゆえ、資本家は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない。肉体的、精神的委縮、早死、過度労働の拷問にかんする苦情に答えて資本は言うーーこの苦しみがわれわれの楽しみ(利益)を増やすからといって、われわれは、そのことで苦しまなければならないのだろうか? と」

「しかし、全体として見れば、このこともまた、個々の資本家の善意または悪意に依存するものではない。自由競争は、資本主義的生産の内在的な諸法則を、個々の資本家にたいして外的な強制法則として通させるのである」

 いま、そして、これからの日本と世界の未来を考えるとき、「大洪水から人類と地球の未来を守り、発展させることができるか」マルクスのこの告発と提起も大いに議論の遡上にのせていただきたいと考えています。

 

 

 


「コロナ危機は比類ないチャンス、新しい設計の決定は完全に私たちに」 - 経済学者 ムハマド・ユヌス氏

2020年05月12日 | 未来社会へのプロセス

 コロナ危機と全力でたたかいながら、コロナ危機克服後の人間社会のあり方に関する発言が続いています。「毎日」紙12日付には、経済学者で、2006年ノーベル平和賞を受賞したバングラディシュ生まれのムハマド・ユヌス氏(79)の発言が「シリーズ 疫病と人間」欄に掲載されました。大胆な発言であり、示唆に富んだ内容に触発されています。

 以下、一部紹介させていただきます。

「新型コロナウイルスの大流行が世界に与える打撃を考えると、たまらない気持ちになる。しかし、この危機は比類ないチャンスも与えてくれる。まさにいま、全世界に重要な問いが提起されている。どうやって経済を回復するかではない。この世界を、新型コロナに襲われる以前に戻すのか、それとも、新しく設計し直すのか、という問いだ。決定は完全に私たちに任されている」

「新型コロナが登場する以前の世界は、言うまでもないが良いものではなかった。気候変動が引き起す大災害によって、全人類がお脅かされるまでの残り時間を数えていた。人口知能(AI)によって膨大な雇用が失われ、富の集中は爆発的レベルに達していた」

「新型コロナは突然、世界の分脈と計算式を変え、存在しなかった大胆な可能性の扉を開いた。私たちはまっさらな白紙の状態に戻り、どんな方向へも行ける。信じられないはど自由に、未来を選択できるのだ」

~(中略)~

こうした立場から、経済学者として、次ぎのように述べています。

「経済学では、『経済的人間』という考え方がある。これは、人間は自己の利益を最大化するために行動するという考え方だ。経済的人間は集団の利益などを考慮しないが、現実の人間は自分のコミュ二ティーや仲間など集団の利益を考える」

「人間は本来、思いやりがあるにもかかわらず、経済理論によってわがままな存在にゆがめられている。経済理論がすべてのビジネスのゴールを利潤の最大化だと設定し、どれだけ富を蓄積したかで成功の度合いを判断するからだ。この圧力の下で、人は強欲な存在に変貌するしか選択肢がない」

「強欲な人を封じ込めたいのなら、問題の根を探らなくてはいけない。教育を含むすべての制度が、私たちを強欲になるように仕向ける理論に基づいてできている。若者が学校を出るころには経済理論を究極の真実と受け入れるようになり、人間は社会問題を気にする存在だと思うこともなくなっている」

~(中略)~

【経済理論は、本当の人間に基づいて最構築をー世界は変わる】

「経済理論は『経済的人間』ではなく、本当の人間に基づいて再構築されるべきだ。そうすれば世界は変わる。人間が経済理論を作るのだ。私たちは理論の産物であり続けることをやめ、新たな理論を作る役割を取り戻さなくてはならない」

~以下(略)~

 

 


 新型コロナ禍のなかで 「世界でも日本でも民主主義が試され、鍛えられ、新たな発展のなかにある」

2020年05月11日 | 未来社会へのプロセス

 私は、新型コロナウイルスとのたたかいのなかで、世界でも日本でも、いままでの経済、政治のあり方、さらには私たちの働き方、生活スタイルのあり方に関わる大きな変革が求められていることを日々感じさせられています。そうした中で、この危機とのたたかいで試されていることは「民主主義」の問題ではないかと思っています。

 次の発言は、7日放送のBS日テレ「深層NEWS」に出演した志位和夫日本共産党委員長の発言です。

「私は、感染拡大を防止する、『公共の福祉』を守るために一定の私権の制限は、どうしてもやむを得ない面があると思うんです。ただ、それは最大限に抑制的にやられるべきです。たしかにいま、大きな集会はなかなか難しい。しかし、そういうなかでも、言論の自由、表現の自由、こういうものは最大限守っていくということが必要です」

「集会で声を上げることはできなくても、SNSその他を使って、どんどん声を上げることはできます。ですから、いろんな方法で表現の自由・言論(の自由)、そして知る権利、基本的人権を、こういうときだからこそ、しっかり守っていく。私はある意味では、世界の民主主義が試されていると思うんです」


「民主主義を本当に大切にする。こういう危機の中だからこそ、国会もしっかりやることによって、本当に民主主義を成熟させていく。そして人々の中にいろんな分断を持ち込んで、あいつが悪い、こいつが悪いと分断を持ち込んでいくのではなく、世界でも連帯する。国内でも連帯をして、連帯の力でパンデミックを乗り越えていく」

「どっちに進むか、世界でも日本でも民主主義が試されていると(思います」

 総合社会福祉研究所理事長・立命館大学特任教授 石倉 康次さんは、「コロナ後」について次のように語っています。

「人々の命と健康を最優先にした他国や地方自治体のコロナ対策を多くの人が目の当たりにしました。その一方、政府はオリンピック延期の決断が遅れた上、大企業の補償額にはいち早く手を打つのに国民には1世帯にマスク2枚で、特別給付金の判断も手間取るという失策を重ねました」

「新型コロナウイルスの脅威を経験して多くの人は今、命を守ることを優先する政治家が政権についていないということを実感しています」

「1人10万円の給付金制度のように、国民の幅広い声が政府を動かし得るという経験もしました。これを家族や地域、職場、学校などで共有することが重要です。そして、私たちの命と暮らしを守ることを第1の責任として自覚する政府をつくるための意思を固めることが、今こそ必要な時です」(「しんぶん赤旗」11日付)

【東京新聞】11日付は、次ぎのような記事を一面で大きく報道しました。

「検察庁法改正法案に抗議します 投稿が470万件」

「このコロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案を強引に決めることは、日本にとって悲劇です」(宮本亜門さん)

 

 


「米空母コロナ感染乗組員、厚木・横田基地に隔離」 米軍・日本政府は地元自治体に具体的な説明拒否

2020年05月10日 | 綱領関連

 米海軍が唯一、海外に空母を配備している基地は、横須賀基地しかありません。

米海軍横須賀基地(神奈川県)所属の原子力空母ロナルド・レーガンの出港に向けて、乗組員を3グループに分けて近隣の横田(東京都)、厚木(神奈川県)両基地に隔離している最中、新型コロナウイルスへの感染者が確認されていたことが分かりました」(「しんぶん赤旗」10日付)

「横田基地の第374空輸航空団司令部が周辺自治体に提供した情報によると、コロナ感染防止のため、2グループが同基地内に滞在。第1グループが任務派遣前で隔離措置を受けており、第2グループがその支援スタッフだとしています。このうち、第1グループの『少数名』で感染が確認されたとしています」(同前)

また、第3グループが厚木基地内に滞在。同基地司令官は4月28日付メッセージで、この中から感染者が確認されたことを明らかにしています。米軍準機関紙『星条旗』7日付によれば、3つのグループはいずれもレーガンの乗組員です。レーガンではこれまでに16人の感染が確認されています。一連の情報から、その後も確実に感染が広がっていることが浮き彫りになりました」(同前)

「ただ、厚木基地を抱える大和市が防衛相に事実関係を照会したのに対し、同省は『米軍の運用に関わる』として説明を拒みました。政府の説明責任が問われています」(同前)

 新型コロナに関する情報は、最大限公開される必要があります。感染乗組員の感染経路、病症の状態と治療状況、基地内での感染拡大防止対策さらに基地周辺住民への影響と対策等は最低限の公開ではないでしょうか。

 横須賀も横田も厚木基地も日本国内にある基地です。アメリカ本土にある基地ではありません。米軍基地には、日本の憲法も法律もいっさい摘要されません。アメリカの占領統治地なのです。

 日本共産党の綱領は、日米関係について、次ぎのように述べています。

「日本とアメリカとの関係は、対等・平等の同盟関係では決してない。日本の現状は、発達した資本主義諸国のあいだではもちろん、植民地支配が過去のものとなった今日の世界の国際関係のなかで、きわめて異常な国家的な対米従属の状態にある。アメリカの対日支配は、明らかに、アメリカの世界戦略とアメリカ独占資本主義の利益のために、日本の主権と独立を踏みにじる帝国主義的な性格のもである」

 


 日米同盟に慣れ過ぎ ”自分の頭で考える習慣を失った日本の政治” 思想家・内田 樹さん 

2020年05月09日 | 未来社会へのプロセス

 新型コロナ危機の中で、世界各国が様々な対策を実行し、困難を克服しながら成果に結びつけていこうと真剣な努力が続けられています。安倍政権との違いで感じさせられるのは、「自主的な国民の命と健康をまもる国家戦略」がない、ということではないでしょうか。

 「しんぶん赤旗」9日付に、神戸女学院大学名誉教授・思想家の内田樹さんが、「新型コロナが問う 日本と世界」欄で語っています。 内田樹さんの発言の一部を紹介させていただきたいと思います。

 内田さんは、「新自由主義の基本は選択と集中」「格付け上位者に資源を集中し、格付け下位は切り捨てる」「路頭に迷うのは当人の自己責任」という「考え方」であり、これは「平時の思想」だと分析しています。その上で、安倍政権には、「今が『非常時』であるという危機感がない」と指摘しています。

 そして、「韓国や台湾と比べて異様に危機感がないのは、日米同盟に慣れ過ぎたからだと思います。安倍政権にはもう対米自立戦略がありません。自力で自前の国家戦略を立てることを断念したので、安全保障でもエネルギーでも食糧でも、国の根幹にかかわる政策については米国の指示に従う」

「わが国の国土や国富や国民の健康や安全をどう守るかについて自分の頭で考える習慣を失って久しい」

「だから、他の国々の政府が危機に際して、『非常時モード』に切り替えて、国民を守るためにさまざまな手だてを講じている時にも、日本政府だけは感染拡大に備えず、ぼんやり五輪開催を夢見ていた」

【コロナ後の世界】

「コロナ後の世界がどう変わるか。確かなのはグローバル資本主義が大幅な修正を求められるということdす。これまでは生産拠点を人件費の安い国に移し、海外から部品を調達し、海外をメインの市場にしてきたグローバル企業が『勝ち組』でしたけれど、そういう企業の思いがけない弱さが露呈した」

危機に際しては、『必要なものが金を出しても買えない』ということがあるということに気付いたのです。医療品だけでなく、エネルギーも食糧も、これから諸国はこぞって『自給自足』体制の整備にとりかかるでしょう」

「日本は必要なものがほとんど自給できない国です。にもかかわらず、世界の大勢に逆行して、さらなるグローバル化を進めようとしている。それがどれくらいのリスクを冒すことか。この機会に慎重に点検すべきだと思います」

 


 米ハーバード大、「検査1日2000万件」提言、ドイツ政府「集中治療室4万床確保に」ー「日経」8日付

2020年05月08日 | 新型コロナウイルス対策

「日経」紙8日付、「コロナ 出口は見えるか」の記事を読み、欧米と日本の新型コロナウイルスに対する構え、対策のケタ違いの取り組みに改めて考えさせられました。 部分的ですが、紹介させていただきます。

「『検査能力が飛躍的に強化される』オーストラリアのハント保健相は4月末、新型コロナウイルスの封じ込めに意欲を示した。~ 中国制の検査キット1千万個を調達できたからだ」

「経済再開の道を探る米欧も同様だ。安易に制限を緩めると8割とされる軽症の感染者が再びウイルスを広めかねない。米国は1日の検査を23万件から29万件に増やし、ドイツも上積みする」

「『1日2千万件』。ハーバード大は4月20日、米国の検査数を7月下旬までに100倍にすべきだとする提言を公表した。無症状を含め毎日国民の6%に検査を繰り返す計算だ。感染者だけを隔離・追跡できれば『8月までに経済を完全に再開できる』という」

「その費用は2年で最大3千憶㌦(約32兆円)だが、『経済停止による月1千億~3500億㌦の損失より安い』として政府に大胆な覚悟を迫る」

「欧州でも致死率の低いドイツ。政府は『死者100万人』の最悪のシナリオを3月に描き、医療体制の能力拡充に動いた。10万人あたりの集中治療室(ICU)病床は29床と、イタリアの2倍強だったが、ICU新設者に1床ごとに5万ユーロ(約580万円)を出すと決定。総数を4割増の4万床にした」

「日本はどうか。1日の検査数は9千件台。10万人あたりICU病床数は4床と受け入れ体制は脆弱で、医療体制の崩壊は目の前の現実だ」

「多数の患者を収容する救急病院で相次ぎ集団感染が発生。受け入れ拒否が広がり、4月下旬のたらい回し件数は主な消防本部で前年同期の倍に増えた。~ 最初の出口が見えても、コロナとの戦いは続くことに日本の自覚は乏しい」(英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授)

 

 

 


「権威にひるまず、権力に盲従しない、真実一路の姿勢が医療者に求められている」 島田真路山梨大学長

2020年05月07日 | 新型コロナウイルス対策

 連休中ににも、新型コロナウイルス対策に欠かせないPCR検査などのニュースが多く報道されました。私がこうしたなかで、注目させられた記事は、「朝日」紙6日付に掲載された2人の方の発言です。読まれた方も多いと思いますが、医療現場と地方行政現場の責任者の誇りを持った決意を強く感じました。

【島田真路山梨大学長】

「『PCR検査の不十分な体制は日本の恥』。現状を強く批判し、検査拡充の必要性を直言してきたのが山梨大学の島田真路学長(68)だ。島田学長は2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行の際、同大医学部付属病院の感染対策委員長を務めた」

「今回の新型コロナに対して、付属病院はPCR検査の態勢を強化、クルーズ船ダイアモンド・プリンセスの乗客ら計14人の患者を受け入れてきた」

「検査が増えない理由について学長は、国の専門家会議が2月下旬に『限られたPCR検査の資源を、重症化のおそれがある方の検査のために集中させる』と表明したためとし、『検査上限を世界水準からかけ離れた低値にとどまり続けさせる大失態を招来した』と強く批判した」

「3月下旬まで(自治体の)地方衛生研究所・保健所が検査をほぼ独占してきた』とも指摘。最前線で闘い続けている職員たちに謝意を示しつつ、週末に検査件数が下がっている事実も挙げて、行政機関のみに依存せる体制を『そもそも無理筋』とした」

「早急に立て直しのためには、民間検査会社と地方の国立大学が大きな役割を担うべきだと主張した。さらに『未曾有の事態の今だからこそ、権威にひるまず、権力に盲従しない、真実一路の姿勢が全ての医療者に求められている』と訴えた」

「感染の疑いのある人が広く検査を受けられていない。国が検査を増やすと決めたら、方針を変えたとはっきり自治体に伝え、マインドチェンジをする必要がある」

【仁坂吉伸和歌山県知事】ー ”受診、我慢しないでほしい”

「『37.5度以上の熱が4日以上続くなら相談を』。受診について国が2月から示してきたこの目安に異を唱え、積極的にPCR検査を実施することで早期発見をめざしたのが和歌山県だ」

「県では、発熱などの症状がある場合は、早めにかかりつけ医などを受信するよう呼びかけている。県内で確認された感染者は4日までに62人。PCR検査を受けた人は3200人で、陽性率は1.9%にとどまる」

「和歌山県では4月28日、自宅で死亡した60代男性について、死後に感染が確認されました。死亡の約1週間前から親族に体調不良を訴えていたが、医療機関への相談はなかったという」

「仁坂知事は『4日間は自宅待機』という情報をもとに受診をしなかったのならば、(方針を決めた専門家や、方針を流し続けたメディアに対して)怒りを感じる』と訴え、『受診を我慢しないでほしい』と改めて呼びかけた」

 

 

 


”新型コロナ後の社会像”市場原理至上主義の破綻から「生存条件優先社会へ」 経済評論家内橋克人さん

2020年05月06日 | 未来社会へのプロセス

 久しぶりに、経済評論家の内橋克人さんが、「しんぶん赤旗」6日付に登場し、「新型コロナが問う 日本と世界」で発言しています。

 内橋さんは、新自由主義にもとづく市場原理主義を告発しつづけている経済評論家として知られています。

 今回の発言については、後半部分を紹介させていただきたいと思います。全文は、是非、「しんぶん赤旗」でお読みいただきたいと思います。

「新コロナ後の次の社会像は何かー。何よりも利益追求第一の『生産条件優位』社会から『生存条件優位』への社会転換です。私が力を込めて主張してきた『FEC(食料、エネルギー、ケア)自給圏』を本当の意味で社会の基礎にすえることです」

「新型コロナ問題で世界経済が悪化し、今後、各国の食料の輸出規制が強まれば、食糧自給率が37%と低く、食料やエネルギーをアメリカなど海外に全面依存する日本経済は、窮地に立たされるでしょう。危機は迫っています」

「何よりもケア(医療・介護・社会保障)を疎かにしてきた社会は、コロナ危機に対応できない。日々、私たちの目の前で実証されているところです」

「コロナ禍を通して、『公共』まで企業化する市場原理至上主義の破たんが、誰の目にも見えやすくなるなかで、これに代わる『次の社会への選択』がいまこそ私たちに迫られているのだと思います」


3日、ジャニーズ(事)提供の感染防護服1万着成田着。専門家会議”マスク、防護服圧倒的に足りない”

2020年05月05日 | 新型コロナウイルス対策

「ジャニーズ事務所が、新型コロナウイルスの対応に当たる医療機関に寄付する防護服1万着が3日までに、北京から空輸で日本に到着した。嵐の相葉雅紀(37)が、成田空港・日本航空貨物ビルを訪れ『このたびは輸送のお手伝いいただき、ありがとうございました』と感謝。代表として物資を受け取った」「日本航空が無償で輸送協力した」(以上、「ネットニュース」)

 同ニュースは、「防護服3万3000着、医療用マスク30万枚、抗菌用マスク20万枚(8000万円相当)を寄付するとしていた」同事務所は、「さらに医療用ガウン『アイソレーションガウン』5万枚、3層マスク23万枚を追加すると発表。購入費は3億3000万円に」と伝えています。

 4日、政府の専門家会議が開かれ、「日本でPCR検査が拡充されなかった理由」として、6点を挙げました」その一つに、「検体採取者および検査実施者のマスクや防護具などの感染防護具などの圧倒的な不足」指摘しています。

「現状をみれば6日の期限での解除が困難であることは理解できよう。だが、これまでの政府対応の結果であることも忘れてはなるまい。政治と行政システムの劣化をこれほど見せつけられたことはあったろうか」

 この一文は、「神奈川新聞」5日付「社説」の冒頭部分です。私は「社説」氏の「怒りを抑えた心情を強く感じました。「社説」はさらに次のように述べています。

「この間、政府は何をやってきたのか。『瀬戸際』『正念場』と情に訴えて自粛を要請する一方で、医療態勢への手だても経済活動への目配りもお粗末だった。対策は後手に回ってきたと言うほかない」

「国民不在のまま政権にただ固執するような姿勢が、いまの不信に拍車を掛けているのではないか。隠ぺいや改ざんを重ねてきた政権の体質が、疫病禍という危機であぶり出されているように映る」

 一つのプロだクッションが、国民の命と健康を守るために、こうした努力を行っていることに、国民の一人として心から敬意を表したいと思います。それに比べて、安倍政権の対応は、政府の体をなしていない、日本には、国民の命と健康を守る本物の政府はないのか。「神奈川新聞」の「社説」氏と全く同様の気持ちです。

 安倍政権のこれ以上の裏切りを許さないためには、国民と与野党が、いままでのいきがかりを乗り越えて、協力する態勢をつくり、国民の期待に応える新しい政治をつくり、スピーデーに前にすすめる以外にないのではないでしょうか。

 

 

 


憲法施行73周年「憲法の前文を含め全条項をまもり、完全実施」を国民とともにめざす日本共産党

2020年05月03日 | 憲法と綱領

 日本共産党の小池晃書記局長は、「憲法施行73周年にあって」談話を発表しました。一部を紹介させていただきます。

「日本共産党は、新型コロナウイルスから国民の命とくらしを守るために、国民のみなさんと手をとりあって全力をあげる。憲法9条改憲をゆるさず、平和と民主主義、基本的人権を擁護するために、広範な市民、野党と協力・共同を広げ、憲法の理念を生かす政治の実現するために奮闘する決意である」

 【しんぶん赤旗】本日、3日付のトップ記事は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「医療崩壊」をくい止めるめに医療現場で命がけの活動をしている実態を告発し、全面的な国を挙げた支援を訴えた全国公私病院連盟邊見公雄会長(全国自治体病院協議会名誉会長)の発言が掲載されました。邊見会長の発言を読み憲法の未来社会につながる理念の大きさ、その深さ、現実的な力強さを考えさせられました。

 邊見会長の発言の一部を紹介せていただきます。

【国には、『三現主義』の姿勢がない】

「院内感染が起きた富山市民病院は4月、事業管理者の石田陽一医師が涙声で記者会見しました。『約500人の看護師のうち100人以上が自宅待機で、ぎりぎりの人数で運営している』『家に帰らず車中泊している職員もいる』『新たな感染者が出れば戦力がまた減り、このままいけば医療崩壊する』と。「石田先生は決して弱音を吐くような人じゃありませんが、現場は無理をしているんです」

「国には、現場に出て、現物を見て、現実を理解するという三つの”現”を重視する『三現主義』の姿勢がない。この姿勢に立って、現場が必要としている財政支援や医療資源の供給を進めるべきです」

「新型コロナとのたたかいは長くなると思います。これから冬を迎える南半球は、貧困や医療状態が悪い国が多く、感染拡大の可能性が高いです。そこでウイルスが変異して北半球に戻ってくれば、キャッチボールのような事態になります。まさに人類への警鐘だと思います」

「貧困・格差や地球温暖化、大規模な乱開発を進めてきた、強欲な資本主義が問われているのです」

 日本共産党は第27回大会決議で、安倍政権の改憲政治とのたたかいに対し、「憲法を生かした新しい日本」を真正面に掲げてたたかうことを提起しました。

 【安倍改憲への対案は、現行憲法を生かす政治】

 「日本国憲法は、憲法9条という世界で最もすすんだ恒久平和の条項をもち、30条にわたるきわめて豊かな先駆的な人権規定が盛り込まれている。『現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす(党綱領)ことが、わが党の抜本的対案である」(「第27回党大会決議」より)

 憲法第13条についての意義が次ぎのように明確にされています。

「憲法13条が保障した『個人の尊重』『個人の尊厳』は、立憲主義による権力制限の究極の目的である。『個人の尊厳』が、政治、経済、教育、文化、市民生活など、あらゆる分野で貫かれる社会をめざす」

 これは、邊見公雄会長が、訴えている「三現主義」とつながる立場ではないでしょうか。憲法が施行されて73年、日本の民主主義が力強く国民のなかで、地域で、草の根で力を発揮しつつあることに大きな激励を受けています。


コロナ後に大切なことは、「地球規模の新たな連帯、人とのつながりが幸福への道」 山極寿一京大学長            

2020年05月02日 | 未来社会へのプロセス

「緊急事態宣言」がさらに1カ月程度延長される事態となっています。厳しく、深刻な事態の克服の努力が続けられています。同時に、「コロナ後」の議論が始まっています。4月28日の「毎日」紙の「シリーズ 疫病と人間」に、山極寿一京都大学長の寄稿文が掲載されました。

  山極寿一学長は、ゴリラ研究で世界的に知られている学者で、以前に「しんぶん赤旗」紙上でも語っていたことを記憶しています。寄稿文を読み教えていただき、考えさせられることがいくつもありました。その一部を紹介させていただきたいと思います。

 山極学長は、まず、次ぎように述べています。

この数十年ウイルスによる新しい感染症が増加しているいもかかわらず、今回大きく混乱してしまった原因は何なのか。更に、たとえこの感染症が終結しても、もはやこれまでの状態に簡単に復帰できるとは思えない。強固な感染症対策を打ち立てるとともに、新たな経済秩序、国際関係、暮らし方を早急に考えていく必要がある」

猿の惑星】及び【単独と集団】については、省略させていただきます。

【開発から感染へ】

「(前半部分は略)更に、人間の動きが活発になったことも、未知のウイルスが人に感染する可能性を広げた。コンゴでもガボンでも昔から未知の感染症が知られていた。しかし、森の奥では人々が広範囲に移動せず、感染症が発覚すれば村全体を焼き払ってきた。ところが、森林伐採によって、森の中に縦横無尽に大型トラックの走る道路ができ、都市と物資の輸送が簡単になった」

「また、携帯電話が普及して奥地でも都市と連絡できるようになった。伐採地は現地に雇用を生み出し、発電機などが導入されて都市型の生活が可能になる。電気のある暮らしと現金経済に慣れた人々は、伐採が止まると困難に直面する。現金収入がないとテレビも冷蔵庫も洗濯機も使えなくなり、料理にも困る」

「そこで、手っ取り早い解決法として野生動物を狩猟し、伐採道路を利用して都市で売りさばくようになった。携帯電話が都市からの注文を受けるのに利用され、銃も簡単に入手できて猟の効率が上がる。ウイルスに感染した野生動物が都市に出荷され、感染した村人たちも発症する前に都市との間を移動する機会が増え、あっという間に感染症が広がる」

「こうしてアフリカの熱帯森林に限られていたエボラ出血熱は、国境を越えて米国にまで出現したのである」

【移動や集まりに乗じ】

「(前段部分は略)新型コロナウイルスは、現代の人間社会の盲点をついている。ゴリラやチンパンジーの場合は、彼らが移動できる範囲に感染が限られていた。だから、感染個体の死滅によって感染は止められ、社会や暮らし方が大きく変わることはなかった」

「しかし、人間社会はグローバルな人や物の動きが加速して、爆発的な感染が起きやす状況になっている。~中略~新型コロナウイルスはこうした人間の営みを全否定しようとしているのだ」

【つながる幸福】(省略)

【大切なことは】

「もうひとつの懸念は、コロナ後に各国が猛烈な経済復興対策を取り、それがこれまで以上に地球の崩壊を招くことである。近年のウイルス性の感染症は、自然破壊によって野生動物との接触を加速したことが原因である。更に自然資源の開発が続けば、深海や氷河の下に眠っている未知の微生物やウイルスを引きずり出してしまうかもしれない」

「開発の手を抑えても、地球温暖化は生物の動きを変え、新たな脅威をもたらす可能性がある。いま私たちに必要なのは、グローバルな地球と国の動きと、私たち自身の身近な暮らしの双方で、人間にとって大切なことは何かをじっくり考えることである。コロナ後に、それが決定的な成果を生むだろうと思う」

 

 


「新型コロナ」が人類に突き付けた課題 「命と健康を守るために、誰にとっても政治は最も身近な社会システム」

2020年05月01日 | 未来社会へのプロセス

【100年目のメーデー】

「コロナ危機は『新自由主義』『利益第1主義』による日本社会のゆがみも浮き彫りにしました」「国民の生活防衛という緊急の課題とともに『こんな社会でいいのか』という問いかけが各分野で始まっています。政治を身近に思えなかった人たちが、いま政治の役割をひしひしと感じています」「メーデー100年の歴史を踏まえ、希望の明日へ新たな出発を誓いあいましょう」(「しんぶん赤旗」5月1日付、「主張」より転載)

【2020年度補正予算成立】

 4月」30日、2020年度補正予算が成立しました。日本共産党の山添拓議員は、賛成討論のなかで、補正予算の問題点を指摘しました。

「医療崩壊を阻止するための予算が極めて乏しいこと」「PCR検査センターの設置・運営のための大胆な予算措置が求められていること」「苦境にあえぐミニシアターなどへの必要な補償、学生、妊婦などへの支援」を求めました。

 その上で、「Go To キャンペーン事業」への1億7千万円の計上の見直し」「20年度本予算に計上されている沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設やイージス・アショア配備、カジノ推進などを執行停止」し、コロナ対策として緊急に必要な医療と補償に回すことを提起しました。

【日本と韓国の状況】

 日本では、緊急事態宣言が5月末まで延長される首相方針が大きく報道されています。韓国では、「軍事費を削り全世帯に支援金を支給」さらに、「(2月以降で初めて)新規国内感染者が出なかった」(4月30日 韓国疾病予防管理局)とメディアが伝えています。

 コロナ危機克服のために、党派、国、地方がそれぞれの団体と個人が一体となって知恵を出し、行動を起こすときではない

 こうした中で、「危機にさらされた現代社会をどうみるのか」「危機を克服した後の人間社会はどうなるのか、どうああるべきか」の議論も始まっています。