小松内閣法制局長官は、インタビューで憲法解釈の変更については「最後は内閣が決定する。法制局が決定権を持っているというのは誤解だ」と語ったと報道されておりました。(8/27 朝日新聞朝刊)
形式的には発言の通りでしょう。しかし、それはあくまで建前論であって実質的には内閣法制局の解釈が政府の見解であることは否定できないと思います。例えば、内閣法制局が正面切って反対するような政府見解があり得るでしょうか。政府内での見解の不統一は許されません。内閣法制局長官を罷免してでも政府見解を一致させる必要があります。このような人事を行えば、政治責任は重大であると考えます。
逆に、内閣法制局が解釈改憲についてゴーサインを出したとするならば、いわばお墨付きを与えたこととなり、あっという間に閣議決定されてしまうことになるでしょう。
このように内閣法制局は、政府見解に重大な影響力というより、実質的な決定権を持っているといっても過言ではないでしょう。であるからこそ「解釈改憲の危険性」で「今後、内閣法制局長官の鼎の軽重が問われることとなります。」と述べております。然るに、この度の長官発言は、どうも改憲解釈が既定路線であることをにおわせるようなものです。そして、その決定はあくまでも内閣にあって、一長官である私には責任が無いかのような発言のようにも受取れます。
このままなし崩し的に解釈改憲によって突き進むことが、果たして日本にとって良い結果をもたらすことになるのか甚だ疑問に思うところです。