最近、報道で「K値」なるものの存在を知りました。これまた物理学者が考案したものです。以前、「科学」と「技術」 でご紹介した「新型コロナウイルスの蔓延に関する一考察 」も物理学者が提唱されたものでした。
早速、ググって論文”Novel indicator of change in COVID-19 spread status"と「K 値で読み解く COVID-19 の感染状況と今後の推移」という文書を入手しました。
私が改めて述べるまでもなく「スライドで分かる「K値」の考え方」といった分かり易く解説したものがありますので、ご興味がある方はご参照ください。
疫学的数理モデルは、専門外の者にとっては近寄り難いものに思えます。この頃良く耳にする「実効再生産数」などと言った数値によって拡大/収束が決定付けられるとのことです。ではこれを如何にして求めるかという問題が重要となります。しかし、未経験の感染症ですから、基本的なデータからして怪しいものです。事実、発症してからうつるとされていたものが発症前からうつるとなったり、症状が消えてから2週間と言われていたものが1週間すればうつらなくなるといった知見が出てきました。普通に考えれば、これらのことは実効再生産数の計算に影響しますよね。
そのような中で登場したのが「K値」です。
しかも、
K=直近1週間の感染者数/総感染者数
という中学生でも理解できるシンプルな式です。そして過去の感染者数という1つのデータしか使用しないにも関わらず、色々なことが分析できるツールとなっております。
確かに疫学的数理モデルは定量的な評価が可能である点では優位性があるのでしょう。しかし、未経験の事態に対しても適用可能かどうかは定かではありませんし、少なくとも過去の知見から類推するしかないでしょう。そして新たな知見によって補正が必要になることもあるでしょう。
しかし、場合によっては定性的な評価ができるだけでも有用なことは言うまでもないことでしょう。例えば、現時点で感染の拡大に向かいつつあるのか、収束に向かいつつあるのかだけでも分かればどれだけ助かることか?
物理においては、実験データを直線や曲線で近似し定性的な性質を掴み、雑多な現象の根底に潜むものを解き明かすといった手法は良く用いられます。疫学的数理モデルでは細かな計算はできるかも知れませんが、病気の本質が解明されていないなかで計算のパラメータが果たして正しいと評価できるかは疑問です。
しかしながら「K値」の計算においては、日々公表される感染者数というデータのみで計算できるといった大いなる利点があります。
ましてや「K値」においては、簡単なモデルにも関わらず将来予測が可能となり、それから外れた場合にはいち早く警報を発することも可能となります。
このような研究はやはり物理学者ならではのことではないかと考えます。複雑雑多な現象を分析し、規則性・法則性を見出し数式化するといった物理研究のプロセスは、例え分野が異なるものであっても有効に機能するといったことの証になっているものと考えます。
早速、ググって論文”Novel indicator of change in COVID-19 spread status"と「K 値で読み解く COVID-19 の感染状況と今後の推移」という文書を入手しました。
私が改めて述べるまでもなく「スライドで分かる「K値」の考え方」といった分かり易く解説したものがありますので、ご興味がある方はご参照ください。
疫学的数理モデルは、専門外の者にとっては近寄り難いものに思えます。この頃良く耳にする「実効再生産数」などと言った数値によって拡大/収束が決定付けられるとのことです。ではこれを如何にして求めるかという問題が重要となります。しかし、未経験の感染症ですから、基本的なデータからして怪しいものです。事実、発症してからうつるとされていたものが発症前からうつるとなったり、症状が消えてから2週間と言われていたものが1週間すればうつらなくなるといった知見が出てきました。普通に考えれば、これらのことは実効再生産数の計算に影響しますよね。
そのような中で登場したのが「K値」です。
しかも、
K=直近1週間の感染者数/総感染者数
という中学生でも理解できるシンプルな式です。そして過去の感染者数という1つのデータしか使用しないにも関わらず、色々なことが分析できるツールとなっております。
確かに疫学的数理モデルは定量的な評価が可能である点では優位性があるのでしょう。しかし、未経験の事態に対しても適用可能かどうかは定かではありませんし、少なくとも過去の知見から類推するしかないでしょう。そして新たな知見によって補正が必要になることもあるでしょう。
しかし、場合によっては定性的な評価ができるだけでも有用なことは言うまでもないことでしょう。例えば、現時点で感染の拡大に向かいつつあるのか、収束に向かいつつあるのかだけでも分かればどれだけ助かることか?
物理においては、実験データを直線や曲線で近似し定性的な性質を掴み、雑多な現象の根底に潜むものを解き明かすといった手法は良く用いられます。疫学的数理モデルでは細かな計算はできるかも知れませんが、病気の本質が解明されていないなかで計算のパラメータが果たして正しいと評価できるかは疑問です。
しかしながら「K値」の計算においては、日々公表される感染者数というデータのみで計算できるといった大いなる利点があります。
ましてや「K値」においては、簡単なモデルにも関わらず将来予測が可能となり、それから外れた場合にはいち早く警報を発することも可能となります。
このような研究はやはり物理学者ならではのことではないかと考えます。複雑雑多な現象を分析し、規則性・法則性を見出し数式化するといった物理研究のプロセスは、例え分野が異なるものであっても有効に機能するといったことの証になっているものと考えます。