曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

ヤドリバエ に寄生されたアサギマダラの蛹

2011年11月18日 | 日記

山本柑橘園のみかん

 

 


 

 先日からアサギマダラの蛹が寄生バエに食われて死んだことを書きましたが、昨日その正体を捕獲しましたので今日は写真をお見せします。アサギマダラの蛹から4匹のウジが出てきました。ヤドリバエの種類はまだ同定されていませんがマダラヤドリバエかもしれません。このヤドリバエは幼虫に直接卵を産み付けるのではなく食草のキジョランの葉裏にたくさんの卵を産み付けアサギマダラの幼虫に食べさせて幼虫の体内に入るのです。アサギマダラの幼虫も4齢から終齢になると体も大きくなりキジョランの葉を一日で一枚くらいはすぐに食べてしまいます。この時体内に入るものと思われます。卵はすぐには活動しないらしく幼虫はそのまま蛹にまでは順調に成りますが、蛹化するとすぐにヤドリバエは活動を始め内部を食べつくして1週間くらいで成熟幼虫になり蛹の体内から外へ出て地面に落ちて土の中にもぐりこみ蛹になります。その後10日から2週間くらいでハエになって出てきます。親のハエはイエバエと似ていて私たち素人には見わけが付きません。

 

 


 

マダラヤドリバエの幼虫

蛹から成熟した幼虫が出始めたので感染した蛹にビニール袋をかけてハエの幼虫を逃がさないようにしておきました。

アサギマダラCとDはもう出てしまっていたので蛹Eにビニール袋をかけたところ一つの蛹から4匹のヤドリバエの幼虫が出てきたのを捕まえることができました。

 

アサギマダラの蛹 E  (ヤドリバエの幼虫が出たあと)

ビニール袋の中にヤドリバエの幼虫が落ちていました。

幼虫が乾燥しないようにすぐに他の土を入れた植木鉢に移しました。

すぐに土の中にもぐりこみます。今度はこの幼虫を飼うことになりましたが、命は大切です。このウジたちが無事にハエになるのを見守りましょう。アサギマダラの幼虫の死を無駄にしないために。

 

夏にアオスジアゲハに寄生したヤドリバエとは種類が違うようです。


11月18日

昨日土の中へもぐりこんだヤドリバエの幼虫をどうなったか掘り出してみたら、もう蛹になっていました。

 

 


 

これまでの経過

11月10日

 

Aは卵から家の中で飼育したもので感染の気配はなく順調に成長しています。

B・C・D・Eは終齢幼虫を山から連れ帰ったものです。

 


 

11月11日

CとDが蛹になり、そして、Eが前蛹になりました。CとDには何やら影が見られます。

 


11月12日

 

 

 

Eも蛹になり全てが蛹になった所です。でも、CとDには2日目で早くもはっきりと黒い斑点が現れました。

 


 

11月13日

 

健全だと思っていたBにも4日目にして影が出てきました。

結局山から連れ帰った4匹は全てヤドリバエの幼虫に寄生されていたことになります。

健全なのはAだけとなりました。

 


 

11月14日は写真がありません。

 


 

11月15日

蛹Aは今日中に羽化しそうです。

お昼前には羽化しました。上3枚目写真の矢印のところにヤドリバエの幼虫が見えます。

 

 


 

11月16日

私のいない間にCとDから幼虫が出て行ったようです。出た幼虫は何処へ行ったか見つかりませんでした。

 

この後11月17日のことは最初に書いてあるとおりです。


11月18日

Bの蛹は他の蛹と変化の仕方が違っています。ヤドリバエの場合は黒い斑点が見えたらすぐに全体が変色して蛹が死んだのが分かりますがBの場合は1週間以上たっても緑色が残っています。何かに規制されているのは確かですがまだよく分かりません。