カナリア日記

さいたま市南区(武蔵浦和)にある「カナリア音楽教室」のレッスン日記です。

映画「ミュージック・オブ・ハート」

2009年10月14日 | 映画
昨日に引き続き「音楽の教師物」の御紹介です。

「陽のあたる教室」は「高校の音楽教師」
本作は、小学校の「ヴァイオリン教師」のお話しです。

演じるのは、「メリル・ストリープ」
実話です。


夫に逃げられ
二人の息子を抱え路頭に迷ったロベルタ(メリル・ストリープ)は
友人のツテで、小学校の「臨時職員」として雇ってもらいます。

この学校、ハーレムにあるんです。
「ヴァイオリン」とは、ある意味全く縁の無い世界です。

親は反対、生徒達も全く「意識」が無い
そんな中で彼女は「毅然とした態度」を持ち続けました。


メリルというとその多くの作品の中から
「強い女性」というイメージがあります。
「何が起こっても弱みを見せずに明るく頑張っちゃう」という

このロベルタ先生もそうでした。


父兄から「厳しすぎる」とクレームが来た翌日のレッスンで
気持ちに反し「優しい言葉」を掛ける先生に、生徒達は言います

「なんか気持ち悪い」
「優しい先生ならいくらでもいる」と・・・


そうなんですよね・・・

「誉めて育てろ」とは言うけれど
ある意味、それは生徒に対し「迎合」してる事かもしれない
本当に「愛情」が有ったら、当然「厳しく」なるし
「キツイ言葉」も出て来る筈
どんなにしかったとしても
「心」があれば通じると思う。
ロベルタ先生の態度は立派だと思いました。



「ヴァイオリン」ってとっても難しい楽器です。
ピアノはポンっと叩けば、誰でも「音」は出せます。
でも、ヴァイオリンは違います。
ちゃんとした「音」が出せるようになる迄
5年から10年は掛かる楽器とも言われています。

下手なヴァイオリン(音程の合ってない)の演奏程聴くに耐えない物はありません。


それを、短期間であれだけにした先生は凄いです。
実話なのですから、本当なのでしょう。



私の一番好きなシーンは
カーネギー・ホールでの感動のコンサート・シーンでは無く
その何日後かの教室での場面


ロベルタ先生の回りに「新しい生徒達」がいました。
目をキラキラ輝かして、先生を見つめる生徒達がいました。

先生は、「弦」の名称の説明をしています。

10年前と全く同じシーンです。


ロベルタ先生は生徒達を立派に育てあげ、その地位をしっかり築いたけど
そこには10年前と同じ先生の姿が有りました。

子供達との「新しい出会い」です。
この子達を又「一から」育てて行きます。

その繰り返しです。

私は、あのシーンのロベルタ先生が、一番美しく感じました。
コンサートの時のあの満面の笑みよりも
子供達に語りかけてるその姿に
本当の「優しさ・美しさ」を見ました。


本作は、御父兄に、という因りも
先生方に是非観て頂きたい作品です。

コメント
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