観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

2月2日は「渡り鳥調査隊」

2019-01-30 23:16:11 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 7時16分 潮位113cm
今日の満潮時間13時05分 潮位166cm

 

今日は晴れてとても穏やかな日で、藤前干潟の水面はほとんど波が立っておらず、夕焼けが写る庄内川の川面は鏡のようでした。

しかし、昨日は強風が吹き、波立っていた庄内川河口。

野鳥観察館前を泳ぐハジロカイツブリは大波の中で、潜水を繰り返していました。 

すると、野鳥観察館のすぐ目の前を飛ぶチュウヒの姿が。強風に流されて来たようで、左右に方向を変えながら必死に上流へと羽ばたいていきました。

そのチュウヒ、今朝は干潟に降り立って魚を食べているのが観察されました↓。でも、ミサゴと魚を奪い合いになった後、ハシボソガラスとも奪い合いをしていました。このときは、ほとんど骨になっただけの魚の状態でしたが、ハシボソガラスに奪われました。 

 

ハシボソガラスと魚と言えば・・・、野鳥観察館前の松林の中で魚を食べているハシボソガラスを発見(1月18日撮影)。

魚はまだピチピチ。

このとき、ちょうどすぐそばの庄内川ではカワウがにぎやかに追い込み漁中で、他にもハシボソガラスが魚をくわえて飛んで行くのを見ましたが、どうやって魚をゲットしたのでしょうか。カラスの魚をトビが奪おうとしていたりもしました。

魚を持ってちょっと移動・・・。

足で押さえてくちばしでつついて食べていました。

 

今日は暖かでしたが、先週末(1月26日、27日)はとても寒く、藤前干潟周辺も一時ですが雪が舞って、視界が白くなることもありました。

寒くなったからでしょうか。稲永公園やヨシ原で小鳥たちを頻繁に見ることができるようになっています。

昨年まではとても静かだった野鳥観察館前の水たまりには、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、シロハラが毎日姿を現しますし、野鳥観察館横にはえているピラカンサにも、赤い実を求めてヒヨドリが訪れるようになりました。 

稲永公園のナンキンハゼにやってきたシジュウカラ↓。

 

同じくメジロ↓。 

シロハラ↓。 

ヨシ原のオオジュリン↓。

ヨシ原の中に生えるセイタカアワダチソウの種を食べるベニマシコ↓。残念ながら赤色の個体は観察できなかったそうです。

セイタカアワダチソウのてっぺんにはホオジロの姿も↓。

 

まだまだ寒い藤前干潟ですが、今週末の2月2日(土)には2月の渡り鳥調査隊を実施します。

 【2月の渡り鳥調査隊】
 日時:2月2日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、必要に応じて防寒具、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160

 

渡ってきているカモの中で、現在最も数が多いオナガガモ↓。最近は2,000羽程度をカウントしていますが、例年3月に入ると早くも北へ帰り始め、ぐっと数を減らします。

干潟に集まるオナガガモの大群を見られるのも2月中カモ?!

渡り鳥調査隊のご参加、お待ちしています。防寒対策を念入りにしてご参加ください。

(※シジュウカラ、メジロ、シロハラ、オオジュリン、ベニマシコ、ホオジロ、オナガガモの写真はHさんに提供いただきました。)

 

続いて、1月26日(土)に藤前会館で開催された「第8回ごみと水を考える集い」の報告です。 

昨年、新聞やテレビで藤前干潟のごみの状況が報道されたこともあり、今回は91名もの参加がありました。瀬戸市にある高校の生徒さん10数名や、家族で参加してくれた中学生の参加もあり、嬉しく思いました。

藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の坂野委員長の挨拶↓。

名古屋市長の挨拶↓。

四日市大学の千葉賢教授による「漂着ゴミとマイクロプラスチック」の記念報告↓。藤前干潟に漂着していたペットボトルの製造された年代判別結果等の報告がありました。500ml飲用ペットボトルが販売開始された1996年からの古いペットボトルが多数含まれていることがわかったそうです。

その後、中部大学の上の研究室の学生さんから「藤前干潟のヨシ原調査」の報告、PETボトルリサイクル推進協議会の理事の方から「ペットボトルのリサイクル等について」、沖縄は浦添市からお越しになったうらそえ里浜ネットワーク実行委員会の副会長さんから同会の活動報告等がありました。

そして、最後は参加者が4グループに別れて「ペットボトルの漂着ごみを減らすには」という分散会も行いました。

その後は、暖かいシシ汁などがふるまわれました。 

盛りだくさんな内容でしたが、ペットボトル等のプラスチックごみに対する皆さんの関心の高まりを実感することができました。

来年度も藤前干潟クリーン大作戦実行委員会は、藤前干潟クリーン大作戦等を行います。

春のクリーン大作戦は5月18日(土)、秋のクリーン大作戦は10月26日(土)に開催予定です。

春は30回目の節目を迎える大作戦ともなります。

ぜひ、みなさんのご協力をよろしくお願いいたします。

 

さらに、最後に1月28日(月)に稲永スポーツセンターで行われた「稲永スポーツセンター丸ごと祭り」に出展してきましたので、少しだけご報告です。

野鳥観察館のお隣の稲永ビジターセンター、名古屋自然保護官事務所、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の皆さんと展示物などを搬入↓。

この日は一日、無料で稲永スポーツセンターをできた他、気功やエアロビクス、弓道などの体験講座が様々用意されていて、センター内は賑わっていました。地元の方と藤前干潟について話すこともでき、嬉しく思いました。

 

【今後の藤前干潟に関するイベント等】 

☆2月2日(土)藤前干潟の渡り鳥調査隊@名古屋市野鳥観察館→詳細はこちら(PDF)

☆2月16日(土)ごみ非常事態宣言20周年記念イベント「なごやのみらいOpen Together!」@みなとアクルス一帯(主催:「なごや環境大学」実行委員会)→詳細はこちら(名古屋市HP)、もしくはこちら(なごや環境大学HP)

1999年1月に藤前干潟の埋め立てを断念後、名古屋市はごみの減量の必要性を訴えるために「ごみ非常事態宣言」を直後の2月に発表しました。この2月に名古屋市はごみ非常事態宣言から20周年を迎え、これを記念して2月16日(土)にみなとアクルス一帯でイベントが開催されます。

☆2月16日(土)第38回生物多様性カフェ「藤前干潟の生きもの今昔」@みなとアクルス エネルギーセンター(主催:名古屋市環境局「なごや生物多様性センター」)→詳細はこちら(名古屋市HP)

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1月26日(土)に観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ1、カンムリカイツブリ74、カワウ1,342、ダイサギ2、コサギ20、アオサギ42、マガモ48、カルガモ187、コガモ3、ヒドリガモ41、オナガガモ2,203、キンクロハジロ27、スズガモ43、ホオジロガモ2、ミサゴ4、チュウヒ1、ハヤブサ1、シロチドリ33、ハマシギ416、ダイシャクシギ3、ユリカモメ18、セグロカモメ14、オオセグロカモメ5、カモメ13、ウミネコ1、ズグロカモメ12

 

1月29日(火)に観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ3、カンムリカイツブリ149、カワウ7,200、ダイサギ1、コサギ20、アオサギ28、マガモ22、カルガモ78、ヒドリガモ14、オナガガモ2,009、ホシハジロ1、キンクロハジロ4、スズガモ125、ホオジロガモ3、ミサゴ4、チュウヒ1、ハヤブサ1、シロチドリ46、ハマシギ138、ダイシャクシギ3、ユリカモメ1、セグロカモメ9、オオセグロカモメ11、カモメ32、ズグロカモメ21

 

今日(1月30日(水))に観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ1、カンムリカイツブリ201、カワウ4,348、ダイサギ2、コサギ19、アオサギ29、マガモ19、カルガモ33、オカヨシガモ1、オナガガモ1,983、ヒドリガモ21、キンクロハジロ12、スズガモ196、ホオジロガモ3、ミサゴ4、チュウヒ1、シロチドリ6、イソシギ1、ダイシャクシギ3、ユリカモメ1、セグロカモメ18、オオセグロカモメ4、カモメ34、ズグロカモメ27

 

明日の干潮時間 8時54分 潮位114cm
明日の満潮時間14時32分 潮位167cm

コメント
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