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遠藤周作「女の一生 一部・キクの場合」を読んでの感想

遠藤周作さん「女の一生 一部・キクの場合」を読んでの感想です。
僕は神さまが本当にいるかどうかと最近ずっと考えています。この本を読んでさらに疑問に成りました。
江戸時代末期から大政奉還、明治時代の開国政策。その時代に生きた農民がキリスト教を信仰することから受けた大変な苦痛。
キリスト教の棄教を迫られても拒否して信仰を貫こうとする農民たちとその周りの人たちが描かれていました。
役人が言うように形だけキリスト教から離れたと言えばいいのにそれさえ拒んだので拷問を受けて流罪された人たち。
当時日本のキリスト教信者は聖マリアさまをとても大切にしていたらしい。僕もそういうマリアさまの像を拝んでみたいと思いました。そうすると僕の信仰心も深まるかなと思っています。
この本の中で信者を拷問する役人からも「ひょっとしたらあいつらの信じている神ってあるのだろうか」と言わせる信者の必死の頑張り。
でももし神がいなければ、キリスト教を信じて来た人たちの人生は無駄な人生に成ってしまう。
これは遠藤周作「沈黙」にも書かれていたけれど、本当に大きな切実な問題に僕は感じます。
ただその中で拷問を加えた下級役人が自分のした事に悔いていたら神父が「あなたのような人をイエスさまは愛されます」と話す。
これがキリスト教の赦しかなと思います。
この部分に僕はこの本の中で人の美しさ、かわいさ、いとおしさを感じました。
そんなどうしようもない人をそういう人こそ神さまイエスさまは愛されるのかなと思います。
それにしても神さまはいるのか?もしいるなら僕はどうしたら神さまがいると感じられるのか?
僕はさらに問い続けて行きます。
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