普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

夫婦満載<2>:リモートビューイング

2015-07-03 10:31:30 | 夫婦連載
昔、奥さんと付き合い始めて、面白い実験をしてみたことがある。
1980年頃の話。

当時、その数年前にユリ・ゲラーなどという人が人気になった影響で、不思議なことへの興味が世間に満ち満ちていた。そんな中だったが、奥さんはユリ・ゲラーなどより面白かった。
もちろんスプーンも曲げた。奥さんは「あんなのは力の入れ方の問題」てなことを言っているが、今でも曲げる。

彼女が当時勤めていた会社(今ではナンバーワン芸能プロダクションの音楽出版部門)で彼女の‘能力’が評判になり、昼休みになると彼女のスプーン曲げを見るために社員が列をなしたという逸話もある。

彼女のそばに居続けているボクとしては、驚くことばかりだった。
結婚前に熱を出して寝込んでいた時に、当時住んでいた荻窪のマンションに神戸から連絡もしないのに突然現れまず驚かされたのだが、少し気分が良いので「コーヒーを淹れて」と頼むと、マグカップに入れたコーヒーに、砂糖とミルクを入れかき混ぜながら枕元に持ってきてくれた。そのスプーンを彼女がカップから引き上げると、ぐにゃりと曲がっていたのには、もっとびっくり。プラスティックのスプーンじゃないよ、ステンレスのスプーン。

奥さんの話はまだまだたくさんあるけど、とりあえず今日書きたいのは、そんな奥さんと東京と神戸で遠距離恋愛をしていた当時、電話代もバカにならず、思いを思うだけで伝えることができないかという実験をしてみたこと。

結論から先に書くと、思いは通じた。もちろん些細な思い。

夜中の0時に思いを送る側と受け取る側を決めて、比較的単純な文字や形などを送るのだが、ほぼ8割がたは正解した。ことにボクが送る側に回ると正解率は高かった。
はっきり断っておくと、こうした能力はボクにあるのではなく、明らかに奥さんに備わった能力。

当時は、テレパシーなどという言葉を使う奴はいかがわしい奴と相場は決まっていて、表だって口にできない言葉だったが、ボクら二人の間ではテレパシーは存在するものということになっていた。

改めてそのことに思いを馳せてみると、いやに面白いことだったのだな、と思う。